【解説】Webマーケティングとコンテンツマーケティングの違い

ポイント
  1. 誤解されやすいコンテンツマーケティングとWebマーケティングの違いについて解説します。

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テクノロジーの発達により、事業の成功にはWebからの集客やマーケティング施策がカギを握る程大きな要素になりつつあります。

特にWebマーケティングの領域は広く、SEOやリスティング広告、DSP等様々な専門用語や集客手法があり、何が何だか分からずに混乱してしまう人も多いでしょう。

また一方で、コンテンツマーケティングを始めとした、新たなマーケティング手法も有名になりつつあり、それぞれの違いが分からない人もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、以下のような悩みや疑問を解決します。

  1. Webマーケティングの大枠を知りたい
  2. コンテンツマーケティングについての理解を深めたい
  3. Webマーケティングとコンテンツマーケティングってどう違うのか知りたい
  4. 何故コンテンツマーケティングが注目されるのかを知りたい

当記事をお読みいただくことで、Web集客の手法について知識の整理とコンテンツマーケティングへの理解を深められるでしょう。

Webマーケティングとコンテンツマーケティングの違い

結論から言うと、「Webマーケティング」と「コンテンツマーケティング」は概念が全く異なります。

WebマーケティングはWebを使ったマーケティング活動のことを指す一方で、コンテンツマーケティングは自分の作ったコンテンツを通じてユーザーとの関係性構築を重視するマーケティング施策および考え方です。

Webマーケティングとコンテンツマーケティングの比較一覧表

  Webマーケティング コンテンツマーケティング
概要 Webを用いた数値目標達成のための手段全般 ユーザーに自らのコンテンツを定期的に発信する集客施策(Webマーケティングの一部)
重視すること
  • KGI(例:売上高)
  • KPI(例:アクセス数)
  • LTV
  • ユーザーとの関係性
用いるツール
  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告
  • SEO
  • ソーシャルメディア
  • メルマガ 等
基本的にWebマーケティングと同一。
ただし取得したリストへのアプローチがカギを握るため、以下は特に重要となる。
  • ソーシャルメディア(facebook、LINE@等)
  • メルマガ
速効性 施策により異なる
  • リスティング広告:強い
  • SEO:弱い
弱い
持続性

施策により異なる

  • リスティング広告:低い
  • SEO:高い
非常に強い(コンテンツの資産化も可能、長期で取り組むことでROIが劇的に改善)

 

 

 

Webマーケティングとコンテンツマーケティングの違いを、更に詳しく述べていきます。

Webマーケティングとは何か?

Webマーケティングは、Webを使った販促・集客戦略から実施までの一連の活動全体の総称です。

Webマーケティングをきちんと理解するには、マーケティングの全体像や流れ、プロセスはもちろんのこと、Web広告の種類や媒体、それらを活用した集客活動内容、Webアクセス解析、トレンドとなっているWebの技術へも、相応の理解が求められます。

Webを使った集客方法①:リスティング広告

例えばWeb集客方法について見ると、リスティング広告・ディスプレイ広告と呼ばれる、検索エンジンやWebサイト内にテキストやバナー広告を出して集客する方法があります。

GoogleやYahooで検索したときに、上位に表示される「広告」と表記のある検索結果、見たことありますよね?あれがリスティング広告です。

Webを使った集客方法②:SEO(検索エンジン最適化)

検索エンジン最適化(SEO)と呼ばれる、狙った特定のキーワードに対して自社もしくは個人のWebサイト内のコンテンツを検索結果の上位に表示させる(つまり検索意図に最適化させる)方法もあります。

ご自身でWordPressブログを運営されている方には、特にご存知ではないでしょうか。

広告費用を掛けずに取り組めるメリットがありますが、効果が出るまでに時間がかかること、本質的な対策をする場合はUI・UXやWebクローリングといった技術的な知識も必要になります。

また、Googleの定期的なアップデートにより検索順位が突如として変化することもあるため、相当難易度が高く、SEO依存のWebマーケティングは極めてリスクが高いと言えるでしょう。

Webを使った集客方法③:ソーシャルメディア運用

他にも、twitterやfacebook、LINE@やYoutube等のソーシャルメディア運用(SNS)を通じて、ユーザーをサイトへ集客する方法もあります。

コンテンツマーケティングでも比較的使用されるツールで、一言で言えばWeb上で接客する方法といったところでしょうか。

歴史も浅く若い人でも結果を出すことができる反面、炎上やアカウント乗っ取り等のリスクもあるため、施策前には運用担当者全員で運用ルールやマニュアルを設ける等の準備が必要不可欠です。

集客の結果分析:Webアクセス解析

サイトを訪れたユーザーの属性やサイト内でどのページにアクセスが集まっているか等、ユーザーの動きや傾向を分析するためのアクセス解析もWebマーケティングには欠かせません。

代表的な使用ツールで言えば、Google Analyticsが挙げられます。

セッション数やページビュー数等の専門的な用語や、解析の仕組み、レポート作成など時間的な工数がかかります。

しかし、数字から仮説を導き出し次の施策へと繋げるためには、避けて通ることはできません。

解析への理解を深めるためには、専門家の力を借りるのが近道です。

 

以上、Webマーケティングを理解するためには、まずはWebを使った集客方法とWebサイトアクセスの分析が必要であることを覚えておいて下さい。

コンテンツマーケティングとは何か

一方コンテンツマーケティングは、どういったものなのでしょうか。

ユーザーにとって有益なコンテンツの制作・発信を通じて、まだ出会っていない見込み顧客へ認知・育成を経て購買に至ることで、最終的には自分たちの商品・商材のリピーターや根強いファンを作っていくというマーケティングの施策です。

コンテンツマーケティングはWeb上での人間関係づくり

コンテンツマーケティングが最も重要視しているのは、ユーザーとの長期的な関係性を構築することです。長期的にという点が、広告から商品を訴求し短期間でユーザーを刈り取る従来のマーケティング手法と大きく異なります。

言ってしまえば、コンテンツマーケティングはユーザーとの人間関係を丁寧に構築するマーケティング手法といえます。身近な具体例で言えば、「友達作り」や「恋愛」イメージすると分かりやすいかもしれません。

友達作りと恋愛、どちらもいきなり相手に関係性を求めるのではなく、まずはじめに自分について興味を持ってもらえるように自己紹介したり、相手の興味関心を引きつけるような話題作りといった努力をしますよね?

そして連絡先交換等をして接触する回数を増やしていくことで、はじめて「友達」や「恋人」という関係性を構築します。人によっては「同志」とか「愛人」という人もいるかもしれませんが、仕組みは同じですね。

最も大切なことはユーザーに好かれること

コンテンツマーケティングも同様で、1回の接触で成約を決めるのではなく、ユーザーの興味関心があることが何であるかを知り、そこへアプローチすることで自分自身に興味を持ってもらうところから始まります。

そして、段階的なコンテンツ発信を通じてユーザーと接触頻度を増やすことで、最終的には自分のことを好きになってもらうのがコンテンツマーケティングの本質ですから、まさに「友達作り」や「恋愛」に近いと言えるのではないでしょうか。

コンテンツマーケティングは手法であり概念である

Webマーケティングとコンテンツマーケティングの違いが分からない人は、おそらくWebマーケティングのうちの「SEO(コンテンツSEOともいいます)」と「コンテンツマーケティング」を混同している可能性があります。

コンテンツSEOは、あくまでもGoogleの検索エンジンに、自分たちのコンテンツを最適化するという1つの集客手段にすぎません。

しかし一方でコンテンツマーケティングは、コンテンツ発信を通じて長期的にユーザーとの関係性を構築することで利益につなげるマーケティング手法であり、その手段として検索エンジンを用いることもあれば、ソーシャルメディアを用いることもあります。

どちらも、「ユーザーに対して良質なコンテンツを作り届ける」という点において共通しているため混同されがちですが、概念の次元が異なることを理解して下さい。

 

Webの業界人の中にも、業界歴が長い人でもコンテンツSEOとコンテンツマーケティングを誤解している方はチラホラいるため、両者の違いをしっかりと認識できることで劣悪な業界人や代理店を見抜くことができるかもしれませんね。

コンテンツマーケティングが注目される3つの理由

コンテンツマーケティングという手法が注目をあびるようになった背景には、従来の売り込み型マーケティングにユーザーがリテラシーを身に着け始めたことが挙げられます。

つまり、企業の度重なる売り込み型広告に、愛想を尽かしつつあるということですね。

そのような中で、従来の売り込み型とは違ったマーケティング施策としてコンテンツマーケティングは注目を浴びるようになりました。

コンテンツマーケティングが注目される理由を、大きく3つにまとめたので詳しく解説しましょう。

1.売り込みが通用しにくくなったから

基本的に、人は何かを売り込まれることが嫌います。そして更に、何かを得ることよりも、何かを失うことに価値を置く傾向が高い生き物です。

そのため、営業マンに売り込まれて購入した商品が、自分の要望を満たすものでないと判明すると、その商品や営業マンはもちろん、その企業への印象が大きく下がってしまいます。

これは企業にとって、短期で見れば一時的な利益になりますが、顧客からの評価が下がるため長期になればなるほど深刻な損失へと変わります。

そしてインターネットの発達によって、ユーザーは自分で商品を選べるようになり、売り込みをされてもその商品の評判やユーザーの体験談を自分で調べることができるようになりました。

ユーザーが自発的に購買の意思決定ができるようになったことから、売り込むのではなくユーザーに興味関心のある情報を届けるコンテンツマーケティングの手法が有効となる時代が到来したのです。

2.コンテンツが費用ではなく資産として機能するから

従来型のマス広告や、リスティング広告等の有料広告の場合、広告費の支払いが終われば広告の機能もそこで終わりです。

しかしコンテンツマーケティングは、宣伝に用いたコンテンツそれ自体が企業の資産として半永久的に機能し続けます。

つまり、コンテンツが価値を失わない限り、自動的にユーザーの目に触れられて新たな顧客獲得に繋げられるのです。

発信するコンテンツの量が増えることでユーザーとの接触頻度は増えるため、広告費用対効果の改善が見込むことができ、長期で運用すればするほどその効果は絶大なものになります。

3.ブランディング効果も見込めるから

コンテンツマーケティングを継続することで、見込み客に見つけてもらいやすくなるだけでなく、ユーザーから「専門家」として認知されやすくなります。

顧客にとって興味関心のあるコンテンツを出し続けることで、ユーザーから「しっかりしている・真面目な会社(もしくは個人)」と認識されるため、評価が上がり印象に残りやすくなります。

ユーザーは、自分の知ってる会社と知らない会社が作った(ほぼ)同じ2つの製品があった場合、殆どが自分の知っている会社の製品を選びます。

そのため、コンテンツを定期的に発信し続けてユーザーに自分のことを認知してもらうだけでも競合に勝ちやすくなり、ビジネスにおいては大変有利に機能するのです。

コンテンツマーケティングを正しく理解するために

本記事では、Webマーケティングとコンテンツマーケティングの違いの解説を通じて、コンテンツマーケティングが注目される理由についてまとめました。

この記事を読んで、コンテンツマーケティングという手法がとても有用なもののように感じる方もいるかもしれませんが、もちろんデメリットや、実施する前に注意しなければならない点はいくつもあります。

そのため、誰でも取り組めば売上が必ず上がるといった、魔法の類ではないことだけはしっかりと理解して下さい。

次回以降、別記事にてコンテンツマーケティングが孕むデメリットやリスク、実施する際に気をつけなければならないこと、施策を行う上で適切なWeb媒体の選び方についても、詳しくご紹介できればと思います。

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