フランチャイズオーナー希望者必見!東大卒金融マンが実体験から教える、フランチャイズの失敗回避術
- 商売開始の決断に必要不可欠なのは裏取り。そのポイントは?
- 自分の力と、選ぶ舞台。勝率を高めるための要素を分解。
- 自分の責任で、自分がやるという覚悟。
古川)失敗しそうだったのに成功した人というのは…。多いのは片足、要は本業がありながらフランチャイズもやっていた人が、店舗の数字が伸びないときに本業をフランチャイズにするということをやって劇的に立て直したとか。
伊藤)フランチャイズの方にコミットしましたと。
古川)そう。やっぱり人を雇って「店長、がんばってくれ」、放置、ではなくて、自分が死ぬ気でやるっていうことで劇的に立て直ったケースはありますね。
伊藤)僕のイメージでは投資家みたいな感じの、いわゆる「ビジネスオーナーです」という人と、「オーナー=店長」だという人がいると思ってたんですけど。実質的な店舗の責任者がオーナーですという。
古川)オーナーが店に出ているという比率、半分はないなと思います。極端な話、複数店舗をやってる限り、オーナーは身体がひとつしかないので。
伊藤)一店舗目とかでも。
古川)出ない人もけっこう多いと思います。
伊藤)最初からお金しか出さない。
古川)週に1回、「どう?がんばってる?」と。
伊藤)投資感覚でやってる?
古川)投資感覚でやってる人でしょうね。自分でやるならフランチャイズでやらない。
伊藤)コンビニではオーナーが出ますが。
古川)コンビニはおっしゃるとおり。あれはもう、完全に従業員以上に従業員なので。
伊藤)タイプとしては大きくそのふたつですかね。投資感覚でやってるタイプと、ある種の「楽しくやってます」というタイプ。
古川)僕の仲間達は元々投資研究会での仲間だったんです。元々の発想というのは不動産投資というのがかなりまで高値まで来ているので、さっきのX軸で、これからは投資の流行が不動産から他のところにシフトするのではないかということで。
本業がありながら2000万でフランチャイズやってみるかという人が多かったです。
伊藤)すごいですね。
古川)ただ、Y軸を上に伸ばすことを事前にやっておくことは非常に意味があると思うので。たとえば極端な話、僕がアドバイスをするようなことがあるとしてY軸がまったく立ってないときに「古川さん、もう金を払うから良い本部を教えてくれ」という人が来たら僕は受けないかもしれません。
金をくれても。その人はY軸を上に伸ばすモチベーションに薄い人だという判断。
伊藤)じゃ、投資の一歩としてフランチャイズをやりますという人と、自主的に自分も現場に出て行きますというのでは感覚としてはどんな比ですか?
古川)僕のまわり、あまり1億円クラスのオーナー、そのへんの層は薄いのですが、自分も身体を入れる人の方が多いと思います。3店舗やるなら3店舗ぐるぐる回ってるであるとか、3店舗のお客さんと親しくしているとか。
そういった人は非常に多いような気がします。やっぱり放置していると、つまり、雇った人間に任せて放置して、あまりいいことはない。
伊藤)雇われ側のモチベーション含めて。
古川)ビジネスがうまくいかないときは雇われ側もモチベーションが落ちるわけです。わかりますよね。自分のやってる店が赤字だなと思うとモチベーション上がらないわけです。
一方で、店が儲かっているときは、「こんなに私ががんばってるのに、儲けは私のものではない」という発想になるわけです。そこはやっぱり、オーナーが顔を出してモチベーションの維持に努めるということが絶対的に必要になるんじゃないかなと。
古川)大手、コンビニもそうですけども、大手であればあるほど、本部が儲けるために、たとえば果実が10としたとき8は本部が取る。
「フランチャイジーは2でもうぎりぎりかもしれないけど、これくらいでいいだろう」というような感覚はあります。それは、そんな状況でも加盟者が集まるからです。
伊藤)ブランドが強くなりすぎた?
古川)ブランドが強くなりすぎちゃうと、フランチャイジーにとっては非常に厳しい感じですね。
コンビニの例で言うと、ブラックだとすごく言われて、みんなそのことは知っていると思うんですが、加盟する人は多いです。そして全員が失敗しているわけではありません。
オーナーが10人いるとして、1、2人は勝ち組がいます。そして直営店もたくさんある。
そこに新しい良い立地の物件が手に入りましたというときに、勝ち組既存オーナー・直営店・新規加盟者の誰に本部は運営を任せたいでしょうかと考えてみてください。新規の加盟者がその良い立地を任せてもらえるでしょうか?
強いブランドになったフランチャイズにイチから入ったら厳しいと思います。中サイズもしくはアーリーステージで、経営者トップに、要は、ともに果実を増やしていきたいという発想のあるところを探して入ることが必要なんじゃないかなと。
トップと話していると、その本部のフランチャイズに対するスタンスがだいたいわかります。
伊藤)問題はいつ入るか。大手になればなるほどブランド力があって、「そのブランド力が欲しいです」ということになります。安心感とか、あるじゃないですか。すごいしくみですよね。
でも、面白いのは、ベンチャー感覚とか投資感覚からすると、まだゼロ加盟に近くて「社長もいい奴だし、フェアだし」みたいなフランチャイズで、「ここが伸びるしバッファがあるんじゃないか」と見定めることができたところが一番いいと。
古川)そうそう。そういうイメージになるんですよね。大きいフランチャイズ本部には従業員もたくさんいるんですよ。たくさんの従業員を食わせなくてはいけない。
伊藤)固定費が半端ない。
古川)儲けるしかないんです。じゃあどうやって儲けるかというと加盟者の数が増えるのが一番早いんです。優秀な開発部長を雇ってきたりするんです。
優秀とはどういう意味かというとビジネスモデルを発展させる優秀ではなくて、クロージングのプロとか、営業のプロ。
そういう人と話すと話はうまいし、業界のことは詳しいし、「大丈夫です!」と言われると、加盟候補者はそこまでレベルが高くなかったりするとそれだけで入っちゃう。そうなると、成功率がそんなに高くなかったりすると。
成功率が高くないのにそういうところの本部は倒れないんですよ。クロージングには長けているので。100人オーナーがいるとして、1年で30人退場しても大丈夫なんです。
なぜなら50人新規を取るから。一見、増店増店。右肩上がりの店舗数、伸びてるように見えますよね。実際はオーナーの屍累々ということが起こるので。だいぶ考えてとっつかないと厳しいのかなと思います。
伊藤)古川さん、最初やろうとしたとき投資感覚で?
古川)いえ、自分でやろうと思っていました。もともと。やるのならフルでやった方がいいだろうと思っていました。
長く金融界にいたのですが、人生二毛作で今まで米作ったからこれからは麦作るぞと。周りからは無謀だとか、血迷うなとかいろいろ言われました。
伊藤)一見するとそうだなと思われちゃう。
古川)駅前でティッシュ配っていますとフェイスブックに書いたら、友達たちからは「何をやってるのか、目を覚ませ」と言われましたね。
伊藤)何を出口にするかの話だから。
古川)自分でやらないとね。何でも。やったことがない人間が言う言葉はあまり重みがない。
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