PDCAとは?概要やコツを知って、PDCAサイクルを成功させよう
- PDCAとは?
- PDCAの基本の考え方
- PDCAサイクルで陥りやすい罠について
ビジネス書黄金期とされた2000年代が過ぎ、少しずつビジネス書のマーケットは縮小しています。しかし、書店に足を運べばまだまだ大きなビジネス書コーナーがあり、そこではいまだに人の興味がビジネス書から失われていないことを目の当たりにするはずです。
ビジネス書の中では、いくつかの扱われやすい言葉があります。ビジネスシーンとの親和性が高いこれらの言葉は、あなたが勤務する職場でも当たり前のように使われており、意味を知らなければ会話ができないというようなシチュエーションも多くあるでしょう。
「聞いたことはあるけれど、実際にどんな意味なのか、正しくは理解していない。」このように曖昧に向き合っている人も少なくないのではないでしょうか?今回の記事では、ビジネスシーンでよく使われる言葉について掘り下げます。「PDCA」という言葉、あなたは理解していますか?
PDCAについて知ろう。
PDCAは、それぞれ「P」「D」「C」「A」が行動をあらわす英単語の頭文字となっています。
「P」→Plan=計画
「D」→Do=実行
「C」→Check=評価
「A」→Action=改善
これら4つの行動を繰り返しおこなっていくことで、仕事を生産的で、効率的なものにできるとされています。
PDCAの歴史は1950年まで遡ります。提唱したのはアメリカのウィリアム・エドワード・デミング博士。彼は第二次世界大戦後の1947年、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の命で日本を訪れます。任務は日本で国勢調査を推し進めることでした。
彼は1950年の日本の国勢調査を計画立案したのち、一旦は帰国しますが、1950年に再来日。統計的な手法や管理業務に明るかった彼は、日本で多くの講演をおこないます。その講演には主要製造業の幹部なども多く参加しました。その講演の中で日本にPDCAがもたらされ、製造業を中心に広く浸透しました。
PDCAはもともとは管理業務に対するノウハウとして使われた言葉でしたが、現在ではあらゆるビジネスシーンに応用されており、ビジネスマンの基本として定着しつつあります。
次は「P」「D」「C」「A」、それぞれの行動の概要について見ていきましょう。
PDCAの「P」、Planは計画を意味しています。これまでの実績に基づいて、達成したい目標を考え、業務計画を立てる。目標に応じて今後のプロセスが変わっていくので、PDCAの中でも1番ベースになってくる部分です。当然計画に無理があれば、達成は非現実的なものとなるので、さまざまな角度から見て合理的な計画を立てる必要があるでしょう。
また、具体的に考えるのも「P」に必要な要素。「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どんな風に」するのか、さらにはその理由や、計画における収支なども盛り込んでおくべきです。「P」の質によってPDCAの質が決まると言っても過言ではありません。
PDCAの「D」、Doは実行を意味しています。いくら緻密で合理的な計画が立てられたとしても、ビジネスにおいてはやはり結果が求められるものです。その点において「D」は1番大切とされる部分でしょう。計画に基づいてどのように実行していくのか、「D」の質を上げるためには実行力が問われます。
成果に結びつく実行というと意外と一本道のように思われることも多いものですが、同じ計画からでも何をどのように実行するかは人によって差が出るところです。論理的に組み立てて実行していくことで、PDCAの「D」から得られるものも大きくなるので、意識的に取り組むようにしていきましょう。
PDCAの「C」、Checkは評価を意味しています。計画どおりに実行がなされたか、これまでの「P」と「D」を総括するのが「C」の段階です。仮に目標が達成できていなかったとしても、その原因がどこにあるかは振り返ってみなければわかりません。そもそも計画に無理があったのか、それとも実行段階で何か問題があったのか、その点を切り分けするのが「C」の段階の役割です。
良かった点、悪かった点を洗い出し、ここで集まった要素を次の「A」へとつなげていきます。何を良しとして、何を悪しとするのかによって、次のPDCAの指標が変わってくるので、PDCAをサイクルさせていくことを考えると、もっとも大切な部分と言えるかもしれません。
PDCAの「A」、Actionは改善を意味しています。「C」で洗い出した要素を踏まえ、良かったポイントは継続、悪かったポイントはどうすべきだったか改善案を考えます。一概に悪かったポイントと言っても、計画が悪かったのか、実行(取り組み方)が悪かったのかによって、次のPDCAへの活かし方は変わってくるでしょう。このプロジェクトを継続するのか、それとも中止するのか。継続する場合は、同じコンセプトで続けるのか、それとも修正して続けるのか、さまざまな可能性が検討されるのが、この「A」の段階です。
もともとPDCAは1度の試行を前提に考えられているものではありません。失敗の中に何を得、どう反省し、次につなげていくのか。1つのサイクルを総括して、次のサイクルへ橋渡しをするのが「A」の役割でもあります。
前項でも少し触れましたが、PDCAは基本サイクルで考えられています。つまりそれは、1度の成功や失敗で一喜一憂する仕組みではないということ。最終的により良いものとしていくために試行されるのがPDCAサイクルなのです。
「P」「D」「C」「A」それぞれの項目に対し真摯に取り組んでいれば、自ずと次のPDCAはより良いものとなっていきます。仮に数値として大きな失敗になったとしても、しっかりと取り組まれたPDCAは、良い点、悪い点、すべてがいつかの成功への過程です。
このようにPDCAをサイクルしていくことで、プロジェクトのアベレージが上がっていくことをスパイラルアップと言います。スパイラルアップは、PDCAが語られる場面で頻出する言葉でもあるので、この機会に覚えておきましょう。
PDCAの方法論とは?
PDCAサイクルには一定の成功法や、陥りやすい罠があります。この項ではPDCAサイクルのコツとして、その成功法や問題点について紹介します。
PDCAサイクルを成功させるためにまず必要なのは、具体性を持ってそれぞれの段階に取り組むことです。実際にはそのつもりがなくても、続けていくうちになんとなく惰性となってしまったり、形骸化したりしてしまうのは、システムにありがちなこと。常に意識的に取り組むことで、PDCAサイクルの質は必ず向上していきます。
また、継続して取り組んでいくこともとても重要なポイント。「継続は力なり」という言葉は、何につけても裏切ることのない、まさしく金言です。この2点を念頭において取り組むことで、PDCAサイクルによる成果は大きく変わってくるでしょう。
PDCAという言葉を深く掘り下げていくとPDCAノートという言葉に当たることがあると思います。
PDCAノートとは、PDCAサイクルに取り組むにあたって用意された専用のノートのことです。ノートには「P」「D」「C」「A」それぞれの詳細や関連することを書き込んでいきます。頭の中の考えや、あまり目にすることのないパソコン上のデータではなく、物理的にノートを用意することで、さらに意識的に取り組むことができると評判のアイテムです。
インターネット上には作りかたを紹介するページも多数ありますが、手帳と同じでどのようなフォーマットが使いやすいかは、人によって千差万別なはずです。とにかくまずは自分で作ってみるというのがPDCAの考え方的にも良いかもしれません。
PDCAノートに関する書籍もたくさん出版されているので、気になる方は読んでみてはいかがでしょうか?
ここまではPDCAやPDCAサイクルがいかに素晴らしいかを語ってきましたが、ここで語られているようには成功を実感していない方も少なからずいるはずです。もちろんPDCAがいかなる状況においても万能薬のように機能するかと言われるとそうではありませんが、一方で、取り組み方に問題を抱えているがゆえ、成功を実感していないパターンもあるでしょう。ここではPDCAサイクルにおいて、陥りがちな罠、問題点について記載します。
先にも述べましたが、PlanはPDCAの基礎です。ここがうまくいっていないとPDCAのバランスは大きく揺るぎます。ありがちなのが、実現性に乏しいPlanが設定されていること。これでは失敗が目に見えています。反省点があることは良いことですが、反省点ばかりでは次にはつながっていきません。
PDCAの基本は、良い部分を継続し、悪い部分を改善していくこと。基本を則っていくためにもある程度合理的な計画設定をしていく必要があります。
また、企業内の部署など、ひとつのグループで取り組む場合には、Planを設定する人間と、実際にDoを担当する人間が別の場合もあると思います。このようなケースでは、理想をベースに設定されるPlanと、実現性をベースに動くDoの間に乖離が生じがち。こういう場合こそなおさら慎重にPDCAサイクルを考える必要があるでしょう。
PDCAサイクルは、良かった点、悪かった点を洗い出し、それに基づいた改善案を考え、次につなげていくことで初めて成果があらわれます。PlanとDoを繰り返すという現象は、主に組織で取り組む場合に起こりがちですが、これでは試行回数が増えるばかりで、次につながる具体的な策が講じられません。
試行回数ではなく、思考回数や思考密度に重きを置いて取り組んでいくべきでしょう。
どれくらいの期間をひとつのスパンとしてPDCAサイクルをおこなっていくか、このこともとても重要なポイントです。特にDoにおいてはズルズルと期間を伸ばしてしまいがち。期間が長くなることで、成功と失敗の区別も曖昧になりますし、PDCAサイクルはスパイラルアップが基本です。一時的な成功にこだわって一度の試行期間を伸ばしていくのではなく、しっかりと期間設定をしてアベレージを上げ、PDCAサイクルの最終的な成功にこだわるようにしましょう。
以上、PDCAについて詳しく解説しました。
PDCAはビジネスシーンにおいて、もはや知っておかなければならない共通言語となってきています。「なんとなく知っている」「聞いたことはあるけど、よくわからない」といった状態で放置することは、PDCAサイクルの密度にも関わってくる問題。しっかり学習して、日々の業務に活かしていきましょう。PDCAサイクルには、あなたの業務を激変させるだけの可能性がありますよ。
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