鍼灸用品で起業!ニッチな業界で着実に成長する経営の秘訣とは?

「自分で会社を興したい」と考えたときに、「何をしよう」と模索し、自分のフィールド探しをする人が多いと思います。

しかし、必ずしもフィールドを探すことが近道ではありません。

今回お話を伺ったメイプル名古屋の社長・岡部さんのように、人とのつながりでたまたま得たフィールドで、自分の手腕を発揮するという道もあります。

「大切なことは、ビジョンを持ってとにかく行動すること」

そう話してくださった岡部さんに、起業してから現在までのお話を伺いました。

どんなに小さい事業でも、社長なんだ

株式会社メイプル名古屋さんは、どのような会社なのでしょうか?

助っ人編集部

岡部芳幸

鍼灸院の医療用品の卸し・販売をしています。


IMG_9010岡部芳幸さん 愛知県名古屋市出身。株式会社メイプル名古屋 代表取締役社長 。27歳で起業し、14期目の鍼灸用品の会社を経営。鍼灸・柔整・介護用品や医療機器、リハビリ用品など常時5000点以上の商品を取り扱っている。

どちらかというと珍しい業種のお仕事だと思いますが、鍼は中国から輸入しているんですか?

助っ人編集部

岡部芳幸

輸入もありますが、基本的には国内メーカーさんが中国の工場で鍼を作って日本に輸入しています。もちろん、国内だけで作っているところもあります。

営業ルートも全くなく、一からのスタートだったんですか?

助っ人編集部

岡部芳幸

そうですね、一軒一軒回ったり、名簿を調べたりして開拓していきました。鍼灸師の会長さんに会員名簿をもらって、電話やFAX をしたりしました。

あとは飛び込み営業も。競争が激しい業界ではないので、話をすれば取り扱いができることが多かったです。

売り上げはどのくらいなんでしょうか?

助っ人編集部

岡部芳幸

今は9億くらいです。最初は個人事業でやって、3年目から会社にしました。始めは、月商50万くらいだったと思います。 原価は8割くらいなので、人件費や交通費考えるとマイナス。利益がないのはわかってはいましたが、やり始めたので続けていました。

では、最初は他のお仕事もされていたんですか?

助っ人編集部

岡部芳幸

バイトをしていましたが、自分の給料が40万くらい取れるようになった時に辞めました。

バイトしながら事業をする方法は、リスクも少ないし、起業を成功させるひとつの形としては良いと思います。その際、気をつけるべきポイントはどこでしょうか?

助っ人編集部

岡部芳幸

たとえバイトしながらでも、事業をやっていれば社長であることを意識することでしょうか。
それから、僕の好きな格言で「最悪なことを想定しながら最高の準備をしろ」というのがあります。
最悪を想定しつつも、やれることを本気でやっていこう、というのが僕のスタンスです。

焦らず、確実なところまでしっかり準備をすることの大切さが伝わってきますね。

助っ人編集部

カッコいい熱意なし、漠然とした気持ちからのスタート

IMG_8970

そもそも、なぜ起業したいと思ったんでしょうか?

助っ人編集部

岡部芳幸

以前から自分でお店やりたいなと思っていて、親の会社で勉強させてもらいながら模索していました。 その頃に『金持ち父さん、貧乏父さん』という本を読んだんです。

当初は車を買うためにお金を貯めていたのですが、それを読んで貯めたお金を元に会社を起こして、500万を増やそうと。その時にマインドの変化があったんだと思います。

漠然と起業したい気持ちから、少しずつ本気へとシフトしていったんですね。そのとき何歳でした?

助っ人編集部

岡部芳幸

25歳でした。それから商材を持って飛び込み営業をはじめました。それが現在も扱っているような、鍼や灸などの鍼灸関係の商材です。

結構特殊な商材ですよね。なぜそれをやろうと思ったんでしょうか?

助っ人編集部

岡部芳幸

たまたま先輩に紹介してもらっただけなんです。普通、起業するときって目的や意義などの「思い」があると思うんですが、実は僕、そういうのは全然なくて。

リアルですね! 実際に目標がなくても成功されている方もたくさんいるし、やっていく中であとから気づくことも多いんでしょうね。

助っ人編集部

岡部芳幸

僕の場合は「思い」が特になく、出会いが繋いでいって道ができてきました。
逆に言えば、それしか道がなかったとも言えると思います。

徹底的に顧客目線に寄った、ウェブサイト戦略

eコマースは、どれぐらいの客単価になるのでしょうか。

助っ人編集部

岡部芳幸

この商売は客単価が2万円くらいなので、薄利多売です。

月の売上が500万円だとすると、発送は250件。一日当たり8、9件のイメージですね。経営のやり方が大きく変わったタイミングなどあったんですか?

助っ人編集部

岡部芳幸

HPを作ったことですかね。この業界はHPを持っているディーラーがあまりいないんです。といっても、商品一覧が見えるぐらいのHPなんですが……。 注文方法は電話かFAXでした。
HP作ったからといって、認知されるまで時間かかるので、売上は徐々に伸びていくという感じでした。

認知されるにはどのようなことをしたんでしょうか?

助っ人編集部

岡部芳幸

「『メイプル名古屋』で検索」という売り文句を、広告媒体にどんどん出していきました。その頃の同業者は、URLを載せていたんですが、僕はめんどくさがりなので、絶対にURLを打たないタイプ。だから名前で検索できるようにしました。

面倒くさい、という顧客の視点で見ていたのが、良かったんですね。

助っ人編集部

岡部芳幸

他にも、他業者のサイトはログインしないと価格が見られなかったのですが、僕はそれも面倒だと思ったので、全部価格を見れるようにしました。WEBにカート機能をつけると、さらに顧客が増えましたね。

ターゲットに沿った、わかりやすいサイトを目指すというのは大切ですね。
HP作戦以外に、集客はどのようなことをされましたか?

助っ人編集部

岡部芳幸

お客さんに会う度に、なぜそこで買っているのかを聞くようにしました。そうすると、「そこしか知らなかったから」とか「業者変えるのが面倒だから」とか、特にこだわりもない場合が多いことがわかったんです。
だとすれば、認知してもらえれば、買ってもらえる。なので、認知してもらうに、業界の会報誌に広告をだしたり、先生に会いにいったりしました。

認知される方法が的確だったからこそ、効果的な集客方法だったんですね。

助っ人編集部

岡部芳幸

他に、今うちでは発送時にニュースレターを入れています。先生方の役立つような、売り上げを上げるための資料を入れているんです。
固定客化してもらうために、僕ができることはないかなと考えた結果としてやっています。

リピートしてもらうための戦略ですね。

助っ人編集部

「自分のために」から「お客様を喜ばせたい」

IMG_8955

逆に経営的なピンチになったことはありますか?

助っ人編集部

岡部芳幸

それが、あまりないんです……だからこういうときに話すことがなくて困ってしまいます(笑)。
性格的にも、ギャンブラーでもなく慎重派なので。

起業した当時、ビジョンなどはあったんでしょうか?

助っ人編集部

岡部芳幸

当初のビジョンは「40歳で引退する」でした。貯めたお金で好きなことしたいなと思っていました。
でも、今思うと独りよがりのビジョンでした。

友達にも「社長が40歳で引退と言われたら、おれはその会社で働きたくない」と言われて、確かにそうだなと。そこがターニングポイントだったかもしれません。

そこからどのように変わっていったんでしょうか?

助っ人編集部

岡部芳幸

自分のためだけでなく、人のために何かやりたいと思うようになりました。個人的な意見ですが、はじめは、自分のことだけ考えるのでいいと思うんです。

そうして自分が満たされたら、「仲間が欲しい」とか「みんなと一緒にやりたい」という気持ちが出てくるようになると思うんです。

自分のために始めたけれど、次第に、何かしらの形で誰かの役にたちたいと思うようになるんですね。

助っ人編集部

岡部芳幸

これは会社の理念でもありますが、僕は、お客様を喜ばせることをしたい。鍼灸院の先生向けに、店舗のコンサルや経営勉強会などをして先生たちが潤ってくれば、自動的に僕たちも潤うし。
正直に言うと、利益よりも、感謝されたいという気持ちがあります。 それから今、ネパールに学校を建てたいと思っています。今年、現地を見て、みんなで学校を作ろうと計画しています。

素晴らしいです。それこそ、誰かのために、みんなで何かをするということですね。

助っ人編集部

働くことは、筋トレと同じ。自ら負荷をかけ続けること

イ:商売をやる上で大事にしていることは?

助っ人編集部

岡部芳幸

ひとつは収益と支出を把握して、固定客をつけていくこと。店舗の人たちと話すと、収益と支出が把握できていない人が多いんです。

商売をするなら、毎月のランニングコストや固定費の他、具体的な出費を自分で理解しておくこと。
そのうえで、良いお客さんに固定客になってもらって、収益を増やしていく。

良い固定客のお客さんをいかに増やせるかが大事なんですね。

助っ人編集部

岡部芳幸

それから、目標、ビジョンを決めることだと思います。僕は40歳で引退するというビジョンがあったからこそ、ここまでできました。
それがなかったら適当にやって、お金があったらそのまま使っていたと思います。

目的や意義ではなく、ビジョンが大切な理由がわかるような気がします。

助っ人編集部

岡部芳幸

最後に、とにかくやることです。はじめは怖かったり、面倒だったりしますよね。人間は楽をしたがりますが、そこに負荷かけてアンコンフォートなゾーンにいって成長させることです。
筋トレみたいに、努力することや達成感を味わえる。

経営も筋トレのように、努力を重ねていって、目標を達成させていくのが大事なんですね。
今日はお話いただいてありがとうございました。

助っ人編集部

登録することで、 利用規約・プライバシーポリシーに 同意したものと見なされます。

関連記事