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突然ですが、あなたはいま、悩みがありますか?
おそらく、その悩みの答えはすでに本屋さんにあります。もちろん図書館でもかまいません。
万有引力の法則で知られる物理学者のアイザック・ニュートンは、次のように語っています。
「私が遥か彼方まで見通せたのだとしたら、それは巨人たちの肩に立っていたからだ」と。
巨人とはもちろん比喩で、過去の先達の知見や発見のことを意味しています。
だから、あなたがいま悩んでることは、すでに過去の先達が解決してくれているかもしれません。
筆者は現在38歳、転職を5回経験した後に、6年前にフリーランスになりました。
これまでに悩んできたことは、会社の人間関係、パワハラ、将来のキャリアについての不安、借金、ビジネススキル、離婚、家族関係などです。
一般的に多くの人が共通して経験するであろう悩みは、一通り経験してきたと思います。
そんなときはいつも本に助けられてきました。もっと早くこの本に出会っていればと感じたことが何度もあります。
今回は、具体的にこんなときに、こんな本に助けられたというのを、いくつか紹介していきます。いま悩んでいる人のお役に立てたら、嬉しいです。
生きるにはどうしたらいいか
コンサルの世界では、問題は特定できた時点で、半分解決したようなものだと言われることがあります。
生きるのが苦しいけど、その原因がどこにあるのかがわからない、そんな状態が一番しんどいと思います。
はっきりした原因はわからないけど、苦しい、漠然と生きづらさを感じている、そんな人にまず読んでほしいのが、この本です。
『生きる技法』 安冨 歩 (著)
さまざまな呪縛から脱出した東大教授が、自分が生きるために必死でたどり着いた、命がけの体験的人生論です。
「自立するとは依存することだ」という根本原理に救われる人が多いはずです。
エリート街道を歩んできた人にこそ、読んで欲しいです。
幸せとはなにか問題
社会人になって働きはじめて、自分の時間がなくなってきたときにぶつかるのが「幸せとはなにか問題」でしょう。
これは、個人の価値観なので、自分にとって好きな幸せを選択すればいいと思います。
ただ、人が幸福を感じる形はある程度パターンがあるので、それを事前に理解した上で考えると楽になります。
そんなときは、この2冊が参考になります。
『幸福の「資本」論―――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」 』橘 玲 (著)
幸福の条件として自由、自己実現、共同体=絆の3つをあげ、この3つは「金融資産(資本)」「人的資本」「社会資本」の3つによって決まるといいます。
そして、この3つの資本の組み合わせによって生まれる「人生の8パターン」によって、すべてのひとびとの「幸福」のカタチが説明できるとしています。
自分の幸せを設計するときの、ベースとなる考え方として活用できると思います。
『「幸せをお金で買う」5つの授業』エリザベス・ダン (著), マイケル・ノートン (著), 古川 奈々子 (著)
最近では研究によって人間が幸せを感じる効果的なお金の使い方がわかってきました。本書によれば、「幸せをお金で買う」5つの方法をまとめると以下になります。
1. 「経験を買う」
2. 「ご褒美にする」
3. 「時間を買う」
4. 「先に支払ってあとで消費する」
5. 「他人に投資する
本書を読み、お金の使い方を変えるだけで、幸せを実感できるようになると思いますので、試してみてください。
お金を管理する
つぎは幸せと切ってもきれないお金についてです。お金に関する名著はたくさんありますが、一冊だけすすめるなら本書を紹介します。
『私の財産告白』本多 静六 (著)
貧農に生まれながら苦学して東大教授になり、「月給4分の1天引き貯金」を元手に投資して、巨万の富を築いた男が語る普遍の真理。
半分ぐらい自己啓発ですが、背筋が伸びる名著です。
社内の人間関係を改善する
もともとのコミュニケーション能力が高い人以外、一度は社内の人間関係で悩むと思います。この3冊がおすすめです
『自分の小さな「箱」から脱出する方法』アービンジャー インスティチュート (著), 金森 重樹 (著), 冨永 星 (著)
ど定番中のど定番ですが、筆者もこの本に救われました。身の周りの人間関係はすべて自分が原因で引き起こしている。
それこそが、本書のいう「箱に入っている状態」です。若手に読ませたい本ナンバーワンかもしれません。
『影響力の法則―現代組織を生き抜くバイブル』アラン R.コーエン (著), デビッド L.ブラッドフォード (著)
似たような名前で『影響力の武器』という名著もありますが、筆者はこっちの方が役にたちました。
なぜ社内のコミュニケーションがうまくいかないかというと、人によって前提条件が異なるからです。その前提条件とは、「仕事で何を得たいか」です。
それを本書では「カレンシー(通貨)」という概念で説明しています。これを知った瞬間に、コミュニケーション方法が全く変わってきます。
『伝わる・揺さぶる! 文章を書く』山田 ズーニー (著)
どうしたら誤解されずに自分の思いを伝え、読み手の気持ちを動かすことができるのか、そんな悩みにピッタリなのがズーニーさんの著書です。
単なる文章のテクニックをこえ、自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、コミュニケーションの本質に迫る一冊です。
ズーニーさんの言葉で、筆者がいつも心がけているのはこの言葉です。
「わかりやすくする必要はない、けど、ひらいていろ」
交渉する
社内の人間関係がうまくいき出すと、次は外部の人とのやりとりが気になることが多くなってきます。
そんなときに読んで欲しいのがこの本です。
『ウォートン流 人生のすべてにおいてもっとトクをする新しい交渉術』スチュアート・ダイアモンド (著)
交渉術というと相手よりどうやって優位に立ち、相手を出し抜くかという趣旨の本が多いのですが、本書はもう少し抽象度が高くて、どうやったら人生を豊かにできるかという視点で交渉を捉えている点が素晴らしいです。
国際紛争を解決に導くのにも、子どもに歯みがきをさせるのにも、まったく同じ交渉術が役に立つといいます。たしかに日常生活のなかでも活用できます。
正しい怒り方
人間生きていれば理不尽なことにぶつかります。そのとき怒りの感情をどうコントロールするかが重要になります。この本がおすすめです。
『「怒らない」選択法、「怒る」技術』苫米地英人 (著)
残念ながら「怒らない人が正しい」という考えは正解ではないかもしれません。
怒ることは間違いではなく、それどころか怒らなければ、怒りの感情も解消できず、問題自体も解決しないことが多いのではないでしょうか。
だからこそ、正しく怒る方法を学ぶ必要があるのです。本書を読めばIQを維持したまま、怒ることができるようになるでしょう。
自分の天職に出会う
ある程度社会人に慣れて、仕事が一人前にできるようになると、自分が本当にやりたいことってなんだろうかと考えるようになると思います。
そんなときにおすすめしたいのが本書です。
『才能を引き出すエレメントの法則』ケン・ロビンソン (著), ルー・アロニカ (著)
著者のケン・ロビンソンは、能力開発の世界的指導者の一人。
彼は、さまざまなジャンルで自分の才能を開花させた人々に共通するものを探り出し、それを「エレメント」と名付けました。
エレメントの法則も面白いのですが、個人的に筆者が一番印象に残ったのは、監修者のまえがきにあったこの言葉。
本当にやりたいことを見つけたら、どんなことがあってもそれを手放したりしてはなりません。たとえ親から絶縁されようが、奥さんに反対されようが、ヤクザが取り立てに来ようが、周囲から白い目で見られて無視される存在になろうが。そこで一歩でも引いてしまったら、自分を裏切ったことになるから。そして、年老いて死の床についたときに、きっと後悔してしまうから。
ぜひあなただけの「エレメント」を見つけてください
人生のパートナー
仕事もできるようになり30歳前後で結婚を意識するようになる人も多いでしょう。しかし、これがなかなかの難問です。他人同士が一緒になるわけですから。
パートナーとの関係は、100組のカップルがあれば100通りの形があるので、正解はありません。筆者は一度結婚しましたが、5年で離婚しました。
だから、あまり自信はありませんが、一応役に立った本を紹介しておきます。
『愛するということ 新訳版』 エーリッヒ・フロム (著)
愛について語った名著といえば、まずこの本でしょう。愛は技術であり、学ぶことができるといわれたときは、目からウロコでした。
若い頃に読んだことがある人もいると思いますが、大人になって読むと、全然印象が違います。定期的に読み返すといいと思います。
『ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた』ジョン グレイ (著)
これも、恋愛本と言えば必ず紹介されるぐらい有名な本です。
男と女は違う惑星からやってきたぐらい考え方が違うぞということを、丁寧に教えてくれる一冊です。
フリーランス、独立する
このメディアは起業家むけのメディアなので、起業する人向けにおすすめの本も紹介しておきますね。
一口に独立・起業といっても、一人でフリーランスでやるのか、法人化して成長を目指すかによって、おすすめの本が異なります。
スタートアップでゴリゴリ上場を目指すなら『起業の科学 スタートアップサイエンス』や『起業のファイナンス増補改訂版』がおすすめです。
この2冊で、ほぼほぼスタートアップについて知っておかなければいけないことは網羅できるでしょう。
大きな成長はしなくていいので、一人で継続的にビジネスをしていきたい人という場合は、下記がおすすめです。
『ひとり社長の稼ぎ方・仕事のやり方』一圓 克彦 (著)
ひとり社長をやっている人のほとんどが悩む「商品作り」について、具体的に詳しく解説しているところが素晴らしいです。
問題解決とは
ここまで紹介した本で問題が解決できない場合には、下記の本をおすすめします。
問題について、どう考えて、どうアプローチすればいいかをまとめた良書です。
『問題解決大全――ビジネスや人生のハードルを乗り越える37のツール』読書猿 (著)
読書猿さんのブログも素晴らしいです。悩みがある人向けのコンテンツを用意してくれているので、このブログのなかで悩みが解決できるかもしれません。
悩みを解決してくれる本の探し方
最後に自分の悩みを解消してくれる本の探し方を紹介しますね。
書店でいい本を見つけるなら、大型書店で、自分の悩みに関連する書籍が置いてありそうな棚までいってください。
カテゴリーごとに分かれているので、このあたりにありそうというのはすぐわかると思います。
そこで書店員に聞いて、棚差しになっている本で、繰り返し増販されている書籍を教えてもらってください。それは高い確率で名著なので、それを購入してください。
また、その本をアマゾンで調べて、その本を購入している人が購入している本を調べてください。出版されてから10年以上たっている評価の高い本が望ましいです。
もしくは、図書館のレファレンスサービスを利用してください。本を探すのに、司書さんほど、長けているひとたちはいないと思います。
「◯◯という悩むを解消するための本を探している」と相談すれば、最適な本をピックアップしてくれるでしょう。
なにかに悩んでいる人は、その時間がもったいないので、本を活用しましょう!