できるビジネスマンはファイナンス思考的お金の考え方

ポイント
  1. ファイナンス思考とはできるビジネスマンそのものの考え方
  2. 成果を出す人のお金の考え方を理解しよう
  3. レバレッジを生むためにファイナンス思考を理解する

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成長したいのであればお金の正体を理解しろ

成果を生み出すためには、お金の正体について理解をしておくべきです。
あなたはお金をどのように捉えていますか?
お金の位置づけ、機能、効能といってもよいでしょうか。

僕はお金は桃太郎でいうところのきびだんごだと思っています。
もちろんお金で仲間を買収するという意味ではありません。

お金というのは、自分そのものであり、自分の分身や意思だと思っています。
自分自体の時間は24時間365日、一生の中で分母が決まっています。
そもそも一生自体もいつまであるかはわかりませんし、事故や病気で一気になくなってしまうということも十分あるわけです。時間というものは限りなく限定されているものなので、その制約の中で大きな成果を出そうと思うと、自分の時間の使い方はもちろんのこと、自分でない人の時間をお借りできるかがとても重要になるのだと思っています。

 

お金というのは使えば使うほど本来増えるもの

お金はきびだんごと言ったのは、まさにお金は自分の分身や意思そのものだと思っています。きびだんごを渡すということは、その渡した相手に僕はあなたに期待をしているということを示したということと同じだと思っています。握手と同じです。お金の大小が全てではありません。お金というのは間違いなく自分の意思の表明であり、付託そのものなのだと思っています。

そのため、あなたが誰に貴重なきびだんごを配るのか?ということが
とても大切になります。

会社の存在目的は1つしかなく、お客さんを喜ばすことにあります。
各社洗練されたノウハウを持っていて、それを競い合ってお客さんに使ってもらっているわけです。消費者は各社の洗練されたノウハウを使うことで毎日が快適になったり楽しくなっているわけです。

すごいシンプルに考えると、誰にきびだんごを渡すのかを間違えなければ、
結果としてきびんだんごが減ることはないということです。むしろ増えるということです。

本当に優れたビジネスマンであればあるほど、お客さんに損をさせるなんてことは絶対にありません。それが優れているビジネスマンだからです。ビジネスの基本は相手からもらったもの以上を結果でお返しをすることにあります。これ以上でもこれ以下でもありません。(そもそも本当に優れたビジネスマンは相手からもらう前に自分が先にできることをします。)優れたビジネスマンはどの業界にも必ずいます。あなたは大切なきびだんごの配り先さえ間違えなければきびだんごを使って、得るものを増やしていけるということです。(もちろんそんな簡単な話ではないのですが)

 

2つのお金の効果的な使い方

何が言いたいかというと、2つあります。

時間は限られているのでお金を使ってリソースを増やす

きびだんごはどんどん配るべきということです。きびだんごを配らない限り、自分だけの限られた時間の中で戦うことになります。きびだんごをうまく配るという選択や武器が使えないと、これはいかに多くの仲間を巻き込むことができるのかというチーム戦をやっているにもかかわらず、個人戦になってしまっているということだと思っています。つまり勝てないということです。

また、きびだんごを配った結果、あなたのやりたいことなどが劇的にスムーズに進んだという経験や、本当に悩んでいたことが解決したということを経験すると、当たり前にきびだんごを使っていこうという発想になります。周りの人を巻き込むためにきびだんごはやはり重要な要素になります。

 

お金を配る相手を間違わなければお金は増える

きびだんごの配り先を徹底的に吟味し、仲間を見分ける力を養っていくということです。きびだんごは配れば配るほど仲間が増えます。しかしその仲間が全然力のない人だったり、自己本位的な人であなたのWINに貢献してくれない人だとします。それではきびだんごが無駄になってしまいます。

それどこからきびだんごがただ減ったということであればまだよいのですが、もっと大きなマイナスの結果になることもあります。そのため相手を見極める力がとても重要になります。これも確実に経験とともに育つものであり、この見分ける力というのは成果を出すために重要な要素だと思っています。最初は失敗することも多いかもしれませんが、時間をかけてどんどん育むべきです。
 

 

お金というのはレバレッジを生むためのもの

日本人はとてもスケールが小さくレバレッジを効かすことが苦手です。これはきびだんごを配らない、配る先を見分ける力が弱いということだと思っています。
お金は間違いなく手段です。目的を実現するためにお金をどのように使うのかとても重要です。自分の成長のために使うこともそうですが、自分以外の人に仲間になってもらえるように使うということができるようになるとあなたに今までになかった決定的な武器を手に入れることができます。

少し切り口を変えて話をすると、よく政治家が公約で自らの報酬をカットするという話をします。これはこれで1つの考え方なのですが、もう一方で、報酬はどんなに高くてよいから圧倒的に結果を出してくれという考え方もあります。成果を出すということはあらゆるリソースを使って、最速最大最高の結果を得ることなので、成果を出すということにこだわりたい人は後者の発想を持つことが大切です。

たくさんお金をもらってくださいという意味ではなく、お金というのは成果に対しての対価であって、高い低いは成果で決まるということ、成果を出せる人にきびだんごを配るということです。

ただ、お金が目的になることはありません。あったとしても続きません。お金のためにとなってしまうと、周りを巻き込むことはできませんし、良い仲間もそこには集まってきません。

 

ファイナンス思考という考え方を全ビジネスマンが身につけよう

世界の常識を次々に覆しているGAFAという存在がいます。
GOOGLE、AMAZON、FACEBOOK、APPELの略称です。
世界を変えている会社です。

これらの会社に共通していて日本企業との違いで言われることがファイナンスの考え方が違うと言われます。文字の通りファイナンスということ自体が違うのですが、それ以上に合わせて、ファイナンス以外の根本的な思想が全く異なります。それを少しファイナンスを通じてご説明します。全然難しい話ではありません。

 

ファイナンス思考とはお金の捉え方そのもの

AMAZONを皆さん使ったことはあると思います。
AMAZONは1993年創業会社です。創業から赤字の時もたくさんありました。
会社は黒字か赤字しかありません。
何となく当たり前に会社は黒字のほうがいいと思いますよね。
でもそれは何故なのでしょうか?当たり前ですが理由が大切で、しっかりと説明できる人は少ないと思います。

会社が黒字になるために、2つのことしかありません。
売上を増やすか、支払を減らすかです。
どちらか、又は両方を実施するしかありません。

ここでは支払(お金の使い方)に注目してみたいと思います。

支払にも2つの性質があります。
1つは商品やサービスを納品したりするために必要なお金です。
今1つ商品が売れたので、それを納品するために、物理的に商品の原価や、運送するための運送費、店舗のスタッフなどの人件費がかかります。このようなお金です。
これは過去考えたことの結果として、今必要となる今を維持するためのお金の使い方です。
つまり当たり前に使わないといけないお金です。

もう1つは、未来を強くするためのお金の使い方です。
これは簡単に言えば、今できないことでもっとお客さんを喜ばすための投資のお金の使い方です。当たり前なのですが会社の目的はお客さんを喜ばすことにあります。そのため今、お客さんが喜んでくれているからそれを続けたらいいかというそれは違います。
あらゆる前提でどんどん変わっていくからです。お客さんの課題、ニーズも当たり前に変わっていきます。そのため会社としては、未来をこうするというビジョンを持ち、今はできていないけどもっとよい商品、サービスをつくるために押し進めなければ生き残ることはできないわけです。現状維持など完全に会社にあっては死しかありません。

AMAZONが特に優れているのは、この未来への投資の考え方です。
日本最大の会社であるTOYOTAと比較されることがありますが、TOYOTAが簡単に言えば利益を2.5兆円出していて、AMAZONがその半分程度だったとします。
この数字だけみるとTOYOTAのほうが儲かっていてすごそうと思ってしまうわけです。でも利益というのはどうやってできていましたっけ?
売上と支払の残りでした。つまり支払を減らせば利益は増えるわけです。

AMAZONとTOYOTAの支払、その中でも、未来を強くするためのお金をみてみると、実はAMAZONはTOYOTAの2倍以上のお金を使っていることがわかります。
未来を強くするお金をTOYOTAと同じ水準にすると、TOYOTAと利益は同じ程度になるのです。

 

成果を出す人と出さない人はファイナンス思考の差

これはAMAZON、TOYOTAという個社の比較をしたいわけではありません。
成果を出す人と成果を出さない人(TOYOTAが成果を出していないという意味ではありません)の考え方の違いと捉えてほしいなと思います。

成果を出す人というのは、成果を出すために未来を強くするために、今何をするべきかを考えています。そこに対しての投資を惜しみません。

成果を出せない人というのは過去の最大化をしようとします。今は過去やったことの結果で、その今を最大大切にしているわけです。みている時間軸が全く反対なのです。

日本企業は内部留保といって、これまでに出してきた利益を手元にたくさん持っています。
歴史的にみても過去最高の金額水準と言われています。
一見するとこれはとてもポジティブにみえますが実は実際はネガティブと言えます。
それはお金を使うことができなかったということです。
お金というのは目的に対しての手段で、どんどん使って、お客さんを喜ばす力を強化しなくてはいけません。それができなかったのがここ20年間の日本です。

世界で圧倒的に競争力を失いました。これは企業の話をしていますが個人も同じです。
すべて個人に置き換えて話をみてください。

お金とはそもそも何かということと、お金の使い方というのは、どこの時間軸をみて、使うかで将来は全く変わるということを覚えておきましょう。お金の正体がわかれば、お金の捉え方が変わって、成果を生み出すためのお金の使い方ができるようになります。

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著者プロフィール

伊藤 健太

伊藤 健太

1986年生まれ、横浜出身、慶應義塾大学法学部卒業。

23歳の時、病気をきっかけに、小学校親友4名、資本金5万円で株式会社ウェイビーを創業。

10年間で10,000人を超える経営者、起業家の「組織づくり」「売上アップ」に携わる。

社長がいなくても回る強い組織、仕組みをつくる「01組織クラウド

小さな会社、個人事業主のビジネス成長を実現する「01クラウド

の01シリーズを展開中。

2016年10月より、世界経済フォーラム(ダボス会議)の日本代表選抜
2018年9月より、徳島大学客員教授就任
2020年4月より、iU 情報経営イノベーション専門職大学客員教授就任

「行動の品質」「自分の力で稼ぐ力を身につける本」など著書7冊。
日経新聞、エコノミスト、NHKなどメディア掲載も多数。