サラリーマンを経験したことのない貴方のための大企業との取引のために知っておきたい11のポイント

更新日:2017.07.17

これから起業されようとされる皆様!
皆様には様々なバックグラウンドがあるかと思います。

サラリーマン、現役学生、中にはアルバイトから起業を目指す方もいらっしゃるかも知れませんね。
また、どういった先をお客様と考えていらっしゃるかも様々でしょう。
不特定多数の消費者を対象にするようなビジネス。
いわゆるBtoCと呼ばれるビジネスですね。ネットビジネスや飲食、美容などがあてはまるかと思います。

一方で、企業様を顧客に考えておられる方々もいらっしゃるのではないでしょうか。
サラリーマンをご経験されている方であればこの記事は当たり前すぎる話なので、読まなくて結構です^_^。

サラリーマンをご経験されていない貴方のために、17年間サラリーマンを経験してきた私から
「大企業に貴社の商品やサービスを提供するための11のポイント」をお伝えします。

1.決裁権者を見極める!

とにもかくにも一番のポイントは「決裁権者を見つけ出す」ということです。

「決裁権者」とは「貴方の会社の製品やサービス」を「購入してもいいよ」と意思決定できる権限を持っている方を
見つけだすということです
。大企業に友達がいて、貴方の会社の製品やサービスに興味を持ってくれても、決裁権者にたどり着けなければ意味がありません。

2.決裁権者は誰?(大企業の組織体制を理解する)

これは会社の規模や特徴によって異なってきます。具体的な話は後ほどしますが、決裁権者を見極める前に、
まずは、大企業の組織構造を理解しなければなりません

一般的な大企業の会社組織は社長をトップにして、
「社長」→「専務」→「常務」→「本部長」→「部長」→「課長」→「係長」→「主任」→「平社員」といったような
ヒエラルキーになっていることが多くなっています。要するに偉い人から偉くない人の順番にならべるとこうなりますという話です^^。

いきなり、「社長」にアプローチできれば何の苦労もないでしょう。
「社長」は何でも自分の意思で、「何を買うか」「誰から買うか」「どれだけ買うか」を決められます

従って、「社長」に気に入ってもらえば、貴方の商品やサービスを確実に買ってもらえます

しかし、一定規模以上の会社(そもそも、先ほど述べたようなヒエラルキーができている会社は間違いなく大企業です^^)で、
そもそも「社長」とめぐり合うことが困難
でしょう。
また、仮にめぐり合えたとしても、よほど貴方の会社が提供する商品やサービスが競合他社から入手困難なものであったり、
よほどのコネがなければ、間違いなく買われることはありません

3.予算制度を理解する

大会社に貴方の会社が提供する商品やサービスを提供するためには、予算制度を理解する必要があります
一定規模以上の会社では、「予算制度」が間違いなく導入されています。
「予算制度」がイメージできない貴方のために解説しますね。

貴方だって、起業の際に、公庫や保証協会から融資を受ける際や創業補助金を受ける際に「事業計画書」を作成し、提出したはずです。
その際、事業年度〇年目の売上目標はいくらで、事業年度△年目の費用はいくらでと試算したはずです。
それと同じことが大企業でも当然行われており、その頻度は年1回以上必ず行われています。

貴方の会社が立てた事業計画と大企業の予算が異なるのは、大企業の目標はまず社長が大枠の方針を立てて、
それを色々な部署(例えば、営業部隊とか、広告宣伝を行う部隊だとか、実際に商品やサービスを提供する部隊だとか、
企業の中の役割ごとのグループです。)に、今年の売上目標やそれを達成するためのコストを考えさせて、
それらを積み上げて会社全体の予算が作成されるという点です


その結果、部署ごとに「1年間にどれだけ売上を立てなければならないか(もちろん、営業部門だけですが)」、
「1年間にどれだけ商品やサービスを買うことができるか」という金額が決定されます

そして、その1年間の目標は月ごとの目標、もっとしっかりしている会社であれば週ごとの目標に分解して、
実際の売上や費用と目標の売上や費用を比較し、目標が達成できているか、目標が達成できていない場合にはなぜ達成できないか分析し、
どこを改善していけばいいのか修正点を考えていくのです。

大企業の場合、「決算や月末が近づくと取引が増える」という話は聞いたことがありますよね。
これは、目標と実績を比較するタイミングが決算時期や月末時期だからです。
目標と実績を比較するという行為は、単に売上だけではなく費用についても同じことが言えます。

ちなみに、会社によって異なりますが1年間の予算は決算日の2カ月ぐらい前ぐらいに取りまとめられることが多いように思えます。
例えば、3月決算の会社であれば1月の終わりから2月の始めぐらいでしょうか

4.予算制度を理解することがなぜ貴方の商品やサービスを
大企業に買ってもらうのに必要なのか

冒頭に組織の中の決裁権者とヒエラルキーの話をしましたよね。実は予算については、組織の中の具体的な個人に紐づいているからです。

具体的にどういうことかというと「〇〇万円以下の商品やサービスの購入であれば、課長が判断して決められる。ただし、年間いくらまで」とか
「○○万円以上○○万円以上の商品の商品やサービスの購入であれば本部長の判断で決められる。ただし、年間いくらまで」という風に
予算が決裁検眼とともに配分されているからです

従って、決裁権者は取引の規模によって異なるということです

なぜ、そうなっているかというと、例えば年商100億円の会社がいちいち10数万円の商品やサービスを購入するのに社員がお伺いを立てていたら、
ただでさえ忙しい社長は本業に集中できなくなりますよね。

まともな組織の中では、上位になればなるほど責任と忙しさは増す(ここでいう「忙しさ」単純な労働時間の長さではなく、
「考える時間」や「会社内外の人と会う時間」が増えるという意味です。)はずなので、組織の上位の人ほどたくさんの予算を持つということになります。

初めて取引する貴方の会社が、いきなりたくさんの予算を持っている偉い人にアプローチできることはまずないでしょうから、
まずは「決裁権限を持っていて」「組織の中では下位の身分(通常は、「課長」クラスでしょうかね)の方」にたどり着くのが重要なのです

ちなみに、冒頭で組織の中のヒエラルキーの話をしましたが、実際の肩書は組織によって異なるので、一概には言えません
これは、もう経験で覚えていくしかないと言えます。

ですので、もしも、取引したい会社の方と名刺交換する機会があったならば、例えば近くにいるサラリーマンの友達に、
会社の方から頂いた名刺を見せて、「どのぐらい偉そうなのか」聞いてみるのがよいでしょう。

5.どうやったら決裁権者にたどり着けるのか

もちろん、そうした「課長」クラスの方にたどり着ければ、らくちんですが、そんなことはごく稀でしょう。
また、「課長」クラスの方になれば、それなりに「忙しい」はずですから、何の根拠もなく貴方の会社の商品やサービスを買うこともありえませんし、
予算の範囲内で何かを購入したとしても、万が一、不良品とかで会社に損害を与えるようなことがあれば決裁をした人が「責任」を負うことになります


このため、貴方の会社の商品やサービスを買うと決めた判断の過程を「稟議書」という書類にまとめて残すことになっています。
「稟議書」には具体的にどのようなことが書かれるかというと、端的に言えば「貴方の会社の商品やサービスを購入することの金銭的なメリット」です。

「金銭的なメリット」とは、具体的に、どれだけの売上増加に貢献できるのか、費用削減に貢献し取引先の利益に貢献できるのかということです

士業やコンサルタントが提供するサービスの場合には、具体的な金銭的メリットが計算できないようなものもありますが、
そういった場合でも取引先の利益アップに貢献できると「信用」させるような裏付けが必要になってきます

6.「稟議書」って誰が書くの?

例えば、先ほどの例では「課長」が決裁権者のケースをあげましたが、「課長」自ら稟議書を書くことはありえないでしょう。
通常は「係長」や「主任」レベルの人が「稟議書」を書き、「課長」にお伺いを立てる
(「主任」レベルの方が書いた場合には、「係長」にまずお伺いを立て、係長がOKをだして初めて「課長」にお伺いを立てるという流れになる)ことになります


従って、まずは「稟議書」を書く立場の方にアプローチするのが大企業と取引する際の入り口になります。

7.「稟議書」を書いてもらうためには

結局のところ稟議書に記載されることで一番のメインなることは、「取引先の利益アップに貢献できるかどうか」です
これが明確になっていないと稟議書を書く担当の方は稟議書が書けないことになります。
しかし、ただ単に「明確」にしただけでは、その「根拠」がないということになってしまいます。

先ほども述べましたが、万が一、不良品ですと取引先の会社に損害を与えてしまいますし、
相手の予定通りに納品できなければ、これまた取引先の会社に損害を与えてしまいます。

さらに、長期間にわたって提供し続けるような商品やサービスであれば、貴方の会社が「倒産」などして(あまり考えたくはありませんが…)、
途中でその供給がストップしてしまったら、これまた相手の会社に損害を与えてしまいます。

なので、これは大企業に限った話ではありませんが、貴方の会社が「品質が良い」(=取引先に金銭的メリットを与えるもの)ものを
「必要とされる分だけ」、「相手の都合にあわせたタイミング」で、「確実」に商品やサービス提供できるかが問われる訳です

取引先が大きくなればなるほど、一般的には会社の中での待遇は良いはず(もちろん、「ブラック」もありますが…)なので、
一生サラリーマンを続けたい方の比率も一般的には多くなります。
(まれに、起業家精神にあふれた社員が多い会社もあります。大手のコンサルタント会社や広告代理店、
製造業の技術開発部門の方みたいに一定の「スキル」や「人脈」が築けるような業種や職種が典型ですかね。)

そうした「一生サラリーマンを続けたい」方々にとって会社で働くことの主な目的は、「組織の中で出世すること」なので、
できるだけ出世を妨げることになる「失敗」を回避したいという思いが当然強くなります。

なので、初めての取引では、大企業側からみた場合の取引先となる貴方の会社のことを慎重に調べて、「信用」を得て、初めて取引が成立します
仮に本当に貴方の会社の商品やサービスの品質が良かったとしても「信用」は得られません

商品の品質をアピールするのでしたら、展示会などを開いてサンプル品を提示すればよいですし、
サービスのように目に見えづらいようなものであれば、例えば展示会やセミナーなどで貴方の会社のサービスを疑似体験してもらえば、良いはずです

しかし、それだけでは大企業と取引するための「信用」は十分ではないのです。

8.では「信用」はどうやって得られるの?

これは地道に、まずは小さな会社と取引を始めて会社の売上をあげ、会社の規模を大きくしていくしかありません
会社の規模が大きいということは、これまでたくさんの売上を上げて来たという証であり、
その背景にはたくさんの「お客さん」から「信頼」されて貴方の会社の商品やサービスが買われているという「実績」を示すことになるからです


「会社の規模」と言いましたが、これは具体的に何を意味するかというと例えば年商であったり、従業員の数であったり、資本金の金額であったりします

「会社の規模」以外でも信頼を得る方法はあります。貴方の会社の商品やサービスがずば抜けてトンがっていて、
マスコミなどのメディアで取り上げられていたり、ベンチャーキャピタルなどのスポンサーがついているようなケースです。

こうした「信用」情報は、当然「稟議書」にも記載される事項ですから、そのあたりがアピールできるようになって初めて大企業と取引できるということになります。

9.まずは小さく初めて、大きくしていく

これまでの話を総括すると、大企業と取引するためには

Step1:「実績」を積み重ねて取引先となる大企業の「信頼」を得られるレベルに到達する

Step2:稟議書を書く担当者にアプローチして「実績」をアピールする

Step3:組織の中で一番下位の「決裁権者」に貴方の会社との取引を承認してもらう

ということになります。まずは、少額の取引からスタートするかも知れませんが、取引先の「信頼」が得られれば、
組織の中のより「上位」の方の承認をもらって取引量を増やすことが可能になるはずです。
そして、そうした大企業との取引実績が、また他の「大企業」からの信頼のもととなって貴方の会社は加速度的に大きくなっていくことでしょう

10.「タイミング」が商談の成立の成否を分けることも

最後に、一つ押さえていただきたいことがあります。「予算制度」の話です。場合によっては、決裁権者が持つ年度の予算を使い切っている場合もあります
そうした場合には、すぐにでも取引したい気持ちをぐっとこらえて来年度の予算に貴方の会社との取引の「金額枠」を組み入れてもらう必要があります。
とすると、できるだけ来年度の予算を立てる前までに商談をまとめることが必要になります
逆に、決算が近づいている時期だと今年度の予算が余っているので「お試し」で、
貴方の会社の商品やサービスを購入してもらえるラッキーなケースもあるかも知れません

ここまで、この記事を読んでくださりありがとうございました。

11.追伸(商談が振り出しに戻ってしまうことも)

本当に最後になりますが、これまで全体的に前向きな話をしてきました。
にもかかわらず、水を差す話で申し訳ありませんが、大企業の場合、決裁権者が転勤や異動になってしまうケースもあります

そうすると、せっかくまとまりかけた商談が一から振り出しに戻ってしまうこともあります
そんなことがあっても、貴方の会社の商品やサービスがしっかりしたもので、かつ「実績」があれば、
時間がかかったとしても、いつかは必ず商談がまとまることでしょう。そうした、粘り強さも必要になってくることもあります。

大企業との取引を通じて皆様のビジネスが大きくなっていくことを願ってやみません。
 

 

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