副業禁止の就業規則が有効になるケースとは?
- 会社員が副業をすることは法律では禁止されていません。
- 就業規則の副業禁止が有効になる事項3つ
本業に支障をきたすのは、ほとんどの場合副業に時間をかけすぎる場合でしょう。副業禁止の規定が有効になる最も多い事例だと思います。長時間副業をするとなると、疲労や睡眠不足などで本業に支障をきたす可能性が高くなります。
実際に夜間に長時間のアルバイトを行っていたことで解雇された事例があります。
(小川建設事件 労働判例397号30頁)
裁判になった場合でも基本的に会社の主張が認められています。特にミスをすることで危険を招くような業種だと、違反した場合の責任はより重くなるでしょう。
時間外労働になりやすい問題もあり、会社員が副業でアルバイトをするのは短時間でないと難しいと言えます。許可を取る場合でも自営の副業の方が簡単でしょう。しかし、ここに落とし穴があります。
自営の副業はほとんどの場合労働時間で収入が決まるものではなく、成果がなければ収入になりません。短時間で効率的に高収入を得ている人がいる一方で、いくら働いても収入にならない可能性もあります。
特に始めたばかりの頃はほとんど収入にならないことが多いでしょう。そのため、睡眠時間を削って副業を行う人も少なくありません。
しかし、稼ぐために副業に時間をかけすぎてしまうと本業で思わぬミスをしてしまうことや、体調を崩す原因にもなってしまいます。
まだまだ副業を会社に隠して行っている人は多いです。その意味でも自営の副業は会社にバレにくいので、今後も増えていくと考えられます。しかし、許可を取っていたとしても副業に時間をかけすぎてミスでもしたら、処分の対象になる可能性は非常に高いです。
実際に副業で稼いでいる人の話ですが睡眠時間を削られて、以前なら考えられないミスをするようになったという話を聞いたことがあります。
幸い処分の対象にはならず時間をうまく調整することで、睡眠時間を確保できるようになったようですがミスが続くと副業とは関係なく会社で問題になるでしょう。他にも現在は独立している人で、副業の問題で会社と揉めて辞めた人がいます。
この人は特にミスは犯さなかったようですが、睡眠時間を削って商品の仕入れを行い、転売を行っていました。前々から会社に不満があったようですが、結局副業の問題で揉めて会社を辞めることになったそうです。現在ではかなり成功している人ですが、会社をやめてよかったのかどうか考えてしまうそうです。
自営で稼ぐようになる人は睡眠時間を削ってでも、副業に力を入れる人が少なくありません。稼いでいる人の中にはかなり無茶をしているのに、本業の方でもミスをしないで
副業を続けている人がいることも事実です。
しかし、こういった働き方では会社に目をつけられる可能性が高いですし、たとえミスをしなかったとしても体を壊してしまう可能性もあります。また、会社の業務中に副業の作業をするようなことも絶対にやめましょう。
一時は稼げたとしても本業を失ってしまう危険があることを忘れないでください。睡眠時間を削って副業をするようなことはしないで、通勤時間を副業に活かすなど隙間時間を
利用することも有効です。副業は本業に支障がない範囲で行うようにしましょう。
副業が本業と競業関係にある場合は色々と問題が出てきます。
情報が漏洩する場合や本業での人脈を使って副業を行うことにも問題があります。いずれにせよそれによって会社に損害を与えたり、利益を奪うことになるわけです。会社の役員が競業関係になる企業を作り解雇された判例もあります。
(橋元運輸事件)
本業のノウハウを使って作成した情報商材の販売なども、これに該当すると考えられます。実際にブックオフの元社員が作った、商品をブックオフから仕入れる方法の商材が売られていました。元社員だから問題はないのかもしれませんし、本当に社員だったのかどうかの真偽は不明です。しかし、現役の社員が副業でこういった商品を販売するのは確実に問題になります。
会社で得た経験を副業で活かしたいと考える人は多いでしょうが、競業にならないように十分に注意しましょう。
反社会的な副業を行うなどして会社の信用を落とすようなことをすると、副業禁止の規定が有効になると考えられます。
明らかに違法な闇金などでアルバイトをしていた場合は自業自得ですが、気づかないうちに反社会的な副業行ってしまう可能性もあるので注意が必要です。
誤って違法な商品をオークションで売ってしまう場合や、著作権を侵害した動画などをネットで公開してしまう場合などは気づかないで行ってしまう可能性があります。
以外と身近に副業で違法な行為をしてしまう危険性は潜んでいるのです。著作権侵害などは利益目的でなければそこまで大事にはならないことが多いですが、お金が絡んでくると逮捕される可能性もないわけではありません。
もし、大事になると会社からの処分も相当重くなると考えられます。違法な副業を行わないように十分に注意しましょう。
問題なのは合法な範囲でも、社会的なイメージが良くない副業を行う場合です。世間には法律上は何の問題もなくても、イメージの悪い職業や企業などがあります。こういった副業を行う場合は本来問題ないはずですが、会社の信用を落とす可能性もあるということは考慮しておきましょう。。
副業禁止が認められるのは、すべて会社に損害を与えている場合です。しかし、副業禁止の規定が法的にどこまで認められるかは微妙な部分もあります。はっきりと罰則などが明記されていない場合は、就業規則の副業禁止規定が認められないという意見もあります。
会社の信用を落とす副業についても、明らかに違法な副業か問題を起こした場合は当然として、単に社会的にイメージが悪い副業を行った場合にも禁止規定が認められるのは問題があります。
しかし、こういったケースで会社に処分される可能性はありますし、世間のイメージなどで会社に損害を与える可能性は十分にあります。明らかに理不尽な場合はともかく、微妙なケースで会社に逆らっても仕方ありません。そもそも会社員である以上、会社に副業で損害を与えるような行為は避けるべきです。
会社員が副業をするなら、本業と競業にならない副業を会社に迷惑をかけない形で行っていくようにしましょう。
就業規則で副業禁止が認められるのは、基本的に会社に損害を与える場合に限られます。それぞれのケースをよく知っておくことも大切ですが、会社員として良識があれば
微妙な問題以外はほとんど避けることができると思います。
ただ、副業の時間が長くなりすぎる失敗は、誰にでも起こりうるでしょうから気をつけましょう。また、トラブルを避けるためにも副業をするならできるだけ会社に知らせておくべきです。
副業をするなら会社との関係は大切にしていきましょう。
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