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皆さんが普段、楽しまれていると思われる場所である「映画館」や「劇場」など。週末や休日等を利用して、友人、若しくは家族等。あるいは、1人で行く事を楽しまれる場所でもありますよね。これらの映画館や劇場を、開業したいと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか?
では、映画館や、劇場等を実際に開業して営業していく為には、どのような事が必要とされているのでしょうか?
その全貌を、解説をしながら見ていきたいと思います!
映画館や劇場を始めるには、まず興行場法を知ろう
実は、一般的にあまり耳にしない言葉だと思うのですが、映画館や劇場等の事をまとめて「興行場」と呼びます。
この興行場には、興行場法と言う法律がちゃんとあり、その法律に基づいて、許可を受けたり経営をしなければならないのです。
また、興行場法と言う法律については、興行場を営業する為に、営業許可の基準を定めた法律と言う事になります。
興行場として開業する際に必要な許可とは?
では次に、映画館や、劇場を始める上で必要となる許可について解説していきましょう。
興行場を開業し、営業をする為には、興行場法と言う法律に基づいた許可が必要であると上記にも解説がありましたが、この許可は実際に、「保健所」にて取得しなければならないとされているのです。
この理由としましては、映画館や劇場は、基本的には施設内で行われるわけですから、換気はどうであるか?等の衛生的な面も基準が設けられており、更には、その施設の構造や、設備はどうなっているのか?等も確認が必要なのです。
そう考えれば、「保健所」から許可を取得しなければならないと言う事は納得して頂けるのではないか?と思います。しかし、この基準については、申請する先となる各都道府県によって、基準が違いますので、申請をする際には、必ず事前に確認等を行っておく事が大切です。
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興行場って細かく見ると、どんな場所が該当するの?
普段、あまり耳にしない興行場とだけ言われても、実際にはどんな場所や施設が興行場って言うのだろう?と思われた方もいらっしゃると思いますので、少し詳しく解説しておきましょう。厚生労働省の情報によりますと、次のように定義がなされております。
「映画、劇場、音楽、スポーツ、演芸、または観物を公衆に見せて、又は聞かせる施設」とされております。
ちょっとこれだけでは、解説的にも不十分ですので、例を上げておきましょう!例えば、上記から出ている「劇場や映画館」そして、音楽の催し物が行われるようなコンサートホールから、ライブハウス、そして野球場やサッカー場等が上げられます。
そして、これらの例に上げられた施設を事業、または営業する場合においては、興行場法と言う法律が適用される事になるのです。意外だな!と思われた方もいらっしゃるのではないですか?
例えば、音楽が好きで、毎週ライブハウスに通っているよ!と言う方もいるでしょうし、スポーツ観戦が趣味で、定期的に野球場や、サッカー場等に足を運んでいるよ!と言う方もいらっしゃる事でしょう。そのような場所にも、しっかりとした興行場法と言う法律が存在しており、その法律の決まりによって、許可を受けた事業者が運営を行い、その施設の運営自体にも、法律による様々な規制が行われていると言う事になるのです。
また、映画館にて、映画の上映を行う場合、映画鑑賞されるお客様からお金を貰わず、無償で上映をする場合であっても、その上映自体を続けると言う意思を持って行う場合、事業としてみなされますから、興行場法と言う法律が適用される事になりますので、そちらも合わせて知っておくと良いでしょう。
許可を受ける為の要件について見てみよう!
ではここから、実際に映画館や劇場等の興行場を開業する為に、クリアしなければならない要件等について全体的に見ていきたいと思います!(※ただし、各都道府県によって多少の違いがある可能性がある為、ここでは東京都の例にて解説をさせて頂きたいと思います)
まず、実際に興行場を設置する場所についてですが、その場所が以前にゴミ等の廃棄物を埋め立てたりしていた場所であると、衛生面の上で考えれば設置できないとされております。また、設置する場所の排水をする構造が不良である場合にも、許可は下りません。
つまり、劇場や映画館と言った興行場を作りたいと思っても、どこでも良いと言うわけではないと言う事になります。
設備や構造について許可を受ける要件とは?
では次に、具体的に施設内部の設備や構造等の要件について見ていきます。
① 客席について(観覧場)
客席の事を、正式には観覧場と言いますが、普段馴染みがあまりない言葉だと思いますので、ここでは客席としておきます。
客席と言うのは、少しご想像頂ければ、お分かりになると思いますが、客席と客席内の通路を含めた場所となっております。
ここには、その構造や面積によって、適当だとされる換気設備を設置する必要があります。
こちらもご想像の通り、映画館を例に上げますと、扉はあるものの、上映が始まれば扉は閉められ、空気の流れが出来る場所がほとんどなくなってしまいます。
これでは衛生的にも悪いですし、健康上の問題が発生するかもしれません。
ですから、換気ができる設備を整えなくてはいけないと言う事になります。
② 照明の設備
客席の照明(照度と言います)は、200ルクス以上の設備を有する必要があるとされております。
この時、映画で例えると、上映している間に客席を暗くする場合は、20ルクス以上を確保しなければならないと定めがあります。
こちらもご想像頂ければお分かりになると思いますが、例えば映画館の場合ですと、上映中は基本的に客席の照明がほとんど暗くなるようにおとされてしまいますよね?この時、完全に真っ暗にしてしまうと、上映中に席を立とうと思われたお客様が、足元が見えずに怪我をしてしまう原因にもなりかねません。安全面と言う視点で考えても、このように規定が必要である事が伺えます。
③ トイレについて
トイレについては、各階に男女別の設置をしなければなりません。
④ 防湿の設備
映画館等の興行場に入場されるお客様が利用する場所の床の高さについて、直下地面から45センチ未満の場合、床面には防湿処置を施す事が必要です。
また、その興行場の内と外には、雨水等を排出させる為の設備を儲ける必要があります。
⑤ 飲食物の販売施設について
トイレの近くに設置してはならない事になっています。
⑥ 喫煙所について
客席とは別に区画された場所において、喫煙所と言う表示がある事。
また、喫煙所外にタバコの煙がいかないような構造や措置を取る必要があります。
更に、その喫煙所の施設には、専用の換気設備を別で儲ける事が求められます。
⑦ その他について
その他に、ゴミ等を捨てる場所やゴミ箱を設置する場所は、入場されるお客様が使いやすい場所に設置する事が求められております。
以上のような事が、設備や構造について、要件として定められているものとなっております。
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興行場の開業資金について
興行場と言うのは、これまでの解説でもお分かり頂ける通り、興行場と名乗る施設は沢山あり、それは全て一連しているものではありません。ですから、興行場を開業する時は、このくらい資金が必要だ!と言う事が一概に言えないと言うのが実情です。
ただ、どのような興行場を開業したいのか?や、その施設の規模はどのくらいのものなのか?等によっても、違いが出てきますから、その規模等で、大体このくらいかかるのではないか?と言う推測をする事は可能です。
例えば、実際にある例として、地域で昔から楽しまれてきた映画館のオーナーが引退し、長年誰にも使われていなかった小さな映画館が、廃業後も地元の人に愛されており、新しいオーナーがその映画館をそのまま、もう一度開業する場合等の例もあります。
この場合ですと、すでに映画館として施設があるわけですから、ゼロの状態から建物や施設の設備を作ったりする必要性が低くなる為、壊れていたり、新しい規定等がある場合には、それに合わせた形のリフォーム等をする事で、新たに生まれ変わらせて開業をする事もできますから、費用面としては抑えられる可能性が高くなります。
しかし、ゼロの状態から始めるとなると、映画館の場所や、建物、要件をクリアする為の設備投資や、工事、様々な資金が必要となり、この場合では膨大な資金が必要となってしまいます。
更に、近年では、昔のように映画が中心と言うわけではなく、近くで気軽に借りられるDVD等のレンタルショップや、インターネットを活用した映画鑑賞は簡単にできてしまう時代でもあります。そんな中で、映画館を始めようとする場合には、資金面で見ても、最初はなるべく融資等の借金は抑えておく方が無難だと言えます。また開業してからも、事業として運営を上手く行っていく為には、この時代では様々な施策が必要となるでしょう。
例えば、他の映画館が行っていない事をしたり、お客様が楽しんで頂けるような特殊なイベントを開催したり、ネットでの戦略や、口コミ等、マーケティング手法としても様々な事を考えておかなければなりません。
更に、これは一例ではありますが、例えば、カップルや、ご家族、その方々の特別な日に貸切ができるような施設を最初から施策しておき、そのようなサービス内容にしてみたりと、様々です。まず、興行場を作るにも、そこを利用される方がいらっしゃらなければ収益は出ませんし、開業する意味もなくなってしまいます。
何度も申し上げていますが、資金は、作る施設によって違います。
ご自身が興行場として運営したいと考えた時、どのような施設を構え、どのようなお客様に来ていただきたいのか?利用して頂きたいのか?を、必ず開業前段階からしっかりと戦略を練って考える必要があると言えるでしょう。
映画館や劇場等の興行場と呼ばれる場所は、普段私達が日常では体験できない楽しさや、感動等が沢山あると思います。その場所を提供して、少しでも多くのお客様に楽しんで頂き、収益もしっかり上げると言う事を念頭に、是非一度考えてみてはいかがでしょうか!?
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