就業時間の設定について考える②~交替勤務制・裁量労働制について~

更新日:2018.03.04

ポイント:裁量労働制は業種の制限があります

ポイント:事業場外みなし労働時間制は現在は導入が困難でしょう

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会社を設立して従業員を雇うようになると、まず考えるのは会社の勤務時間についてです。その中でも交代勤務制と裁量労働時間制について今回ご紹介します。

交替勤務制について

まず交代勤務先について見てみましょう。
交代勤務制とは、例えばレストランやサビレストランなどのサービス業で、店舗の営業時間は長時間となっています。そのため、早番と遅番に分けてその組み合わせ(シフト)に基づく交代勤務制を実施しています。
この場合、労働基準法によると「従業員を二組以上に分けて交代で勤務させる場合おいては、、就業時転換に関する事項を定めないといけない」とあります。どのような内容で交替制勤務を実施していくか会社でルールを決めないといけないのです。そして就業規則に定めなければなりません。

注意が必要なのは、休日について土曜日・日曜日等と固定で決めるのではなく、都度ごとに決定していく点です。
そのため、就業規則ではこのように記載することになります。

就業規則の規定例

1会社は、第〇条(労働時間)の規定にかかわらず、○○部門においては次のとおり交替制勤務させる ものとする。

2 交替制勤務を命じた場合の始業、終業の時刻及び休憩時間は次のとおりとする。
 (早番) 始業   6:00 終業  15:00 休憩  正午から1時間
 (遅番) 始業  14:30 終業  23:30 休憩  18:00から1時間

3 交替制勤務の勤務割については、毎月1日を起算日とし、その前月末日までに確定させるものとする

交代勤務制のメリット・デメリット

交替勤務制のメリット

交代勤務のメリット1
メリットとしては残業が少ないという点です。自分のシフトの時間に業務が終了すれば勤務が終了しますので、業務が中途半端で引継ぎができない場合や、緊急度や高く自分にしかできないことが集中していると言うような場合の外は、比較的残業が少なくなります。

メリット2:シフト制で動きますので、平日に休みがもらえます。そのため平日に銀行や役所等の手続きができるというメリットが考えられます。

交代勤務済のデメリット

1:家族や友人と過ごす時間が減る可能性があります。

交代勤務制の場合、勤務時間は朝の9時から6時などと固定で決まっているわけではありません。また、お休みについても土日がいつも休みと言うわけでもありません。そのため、友人や家族と休日が合わないということが発生します。家族や友人と過ごす時間が減ることがデメリットとして考えられます。これについては、従業員側でシフトの希望出す際に、スケジュールをあらかじめ調整して、大切な人と会う時間を作るなど意識的にコミニケーションを取る工夫が必要です。

2:生活のリズムが崩れることが考えられます

交代勤務制で働くと、出社時間や退社時間がバラバラになりがちです。生活のリズムをとることが困難となり、体調を崩してしまう可能性も考えられます。

専門型裁量労働時間制について

次に裁量労働時間制について見ていきましょう。裁量労働時間制とは、実際の労働時間がどれだけなのかに関係なく、労働者と会社との間で協定、結び、協定で定めた時間だけ働いたとみなして給与を支払う制度です。

専門業務型裁量労働制とは?

専門業務型裁量労働制とは、業務の性質上業務を行う手順や方法を、時間配分などを大幅減従業員にゆだねるという方法です。そして給与については、従業員と会社とで決めた時間分働いたとして支払います。

この専門業務型裁量労働制については、一定の業種に限られています。現在は19の業務だけに限られていて、例えば新商品などの開発情報処理システム分析などです。

専門業務型裁量労働制の導入方法

まず労働者と会社が、労使協定という約束事を締結し、それを管轄の労働基準監督所に届け出ます。
就業規則においては、始業就業時刻についての記載と専門業務型裁量労働性を命ずることがあるということを就業規則で記載する必要があります。

まとめると次のような手順になります。

1労使協定を締結

2労使協定を労基署へ提出

3就業規則で記載する事項を記載

労使協定の内容はどうしたらいいのか?

労使協定の記載内容はこちらになります。

① 対象業務(厚生労働省令等で定める19業務に限る)

② みなし労働時間(労働時間として算定される時間)

③ 対象業務を遂行する手段、方法、時間配分等に関し、具体的な指示をしないこ

④ 健康・福祉を確保するための措置の具体的内容

⑤ 苦情処理のため実施する措置の具体的内容

⑥ 有効期間

⑦ ④及び⑤に関して労働者ごとに講じた措置の記録を協定期間中及びその期間の満了後3年間保存すること

専門型裁量労働時間制の注意点

専門業務型裁量労働制といってもすべてが自由になるわけではありません。例えば法律で決められた1週間に1日もしくは4週間に4日という法定休日や、深夜の労働についてはこのみなし労働時間どうすることができませんこれらは、きちんと時間管理をし会社がし、実際働いた時間数に応じて割割増賃金を支払う必要があります。

専門型裁量労働時間制のメリット

時間の縛りがないため、従業員としては時間の融通が効くということが最大のメリットです。

つまり育児や介護、その他の事情、たとえば病気と治療との両立をしている方にとっては、働きやすい制度と言えるのです。時間にとらわれない自由な働き方と言うことができ、クリエイティブな仕事や、家庭と仕事を両立したい方にとっては大変適切な制度と言えるでしょう。企業としても優秀な人材を確保しておけるというメリットがあります。

専門型裁量労働時間制のデメリット

デメリットとしては、会社と従業員との間で決められた労働時間分が支払いがされますが、仕事が立て込んでいる場合については労働時間は無制限になってしまいがちです。
このような場合は、どれぐらい長く働いていても、割増賃金が発生しない、従業員にとっては長時間労働となってしまうというデメリットがあります。

事業外みなし労働時間制について

つぎに、事業場外みなし労働時間制という制度をご紹介します。この制度は、「労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす」という制度です。事業場外みなし労働時間制では次の考え方となります。

通常の場合

労働者が労働時間の全部又は一部について、会社の外で業務に従事した場合、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなされるというものです。

業務の遂行について通常の所定労働時間が必要の場合

業務遂行のためには、通常所定労働時間を超えて労働することが必要である場合は、その業務遂行に 通常必要とされる時間とされます。

どの時間分を働いたとするのか?

これらの場合で、労使協定が締結されている場合はその協定により決められた時間、その業務遂行に通常必要とされる時間を働いたとします。

導入方法

このようにみなし労働時間制を適用したい場合はこのような手順となります。労使協定について、事業場外労働みなし労働時間制における労使協定は、締結義務があるものではありませんが、労使 協定を締結した場合はその内容に基づくというものです。
また、注意点としては締結した労使協定で決めた「当該業務遂行に通常必要とされる時間」が法定労働時間(一日8時間)を超えている場合は、所轄の労働基準監督署長へ届ける義務があります。

事業場外みなし労働時間制の注意点

この制度の注意点は導入できる職種や状況が限られている点です。次の場合には導入することができません。

導入できない場合の例

 ①何人かのグループで事業場外労働に従事する場合で、そのメンバーの中に労働時間の管理をする者がいる場合

 ②無線やポケットベル等によって随時使用者の指示を受けながら事業場外で労働している場合

 ③事業場において、訪問先、帰社時刻等当日の業務の具体的指示を受けた後、事業場外で指示どおりに業務に従事し、その後、事業場に戻る場合

例えば、今はメールやSNSで簡単に連絡がつき、時間管理や指示を受けることが出来る状況にあると言えます。そのためこの場合には事業場外みなし労働時間制は使えないということになり、現在では導入する例は少ないのではないかと思われます。

こちらも合わせてお読みください。
初めて人を雇った時のルール~労働保険編~

まとめ

このように、裁量労働制を導入するにあたっては、業種や実態についての制限があること、メリットやデメリットを検討して自社の時間設定について検討することが必要です。そして導入できる業種や状況であれば、従業員にとって育児や介護などと両立することが出来、フレキシブルな対応がきますので優秀な人材を確保するための材料の一つだと言えるでしょう。

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