会社の本店って何?その本店を移転する時の手続き等について

ポイント
  1. 会社の本店所在地とは?
  2. 本店移転登記について

目次 [非表示]

2-3. 管轄内・管轄外での定款変更はどうなるか?

ここまでも解説させて頂いたように、会社の設立をする際には、必ず本店所在地が必要です。そして、その際には、定款に必ず本店所在地を記載する事になっております。

では、本店移転登記を行う場合、本店所在地に変更があるわけですから、定款も変更になるのではないか?と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?この場合、定款の変更が必要な場合と、必要とはならない場合があるので、ご説明させて頂きます。

例えば、東京都の場合ですと、特別区(東京23区)と、政令指定都市(市まで)においては、最小行政区間となる市区町村までを記載すれば良い事になっています。

ですから、定款に記載してある本店所在地が「本店を東京都千代田区に置く」となっているのであれば、同じ千代田区内の移転登記となる場合、定款を変更する必要がないと言う事になるのです。

ですから、会社設立の際に、本店の移転登記がある可能性がある場合には、○○番地や、△△号まで記載せずに、最小行政区間となる市町村や、東京都の場合であれば特別区と政令指定都市(市まで)を定款に記載しておくと、その中で移転するのであれば、定款を変更する必要はありませんから、定款を作成される際にも、この事を頭に入れた上で作成される事をオススメ致します。

ただし、将来的にも、絶対に移転はないと思われるようでしたら、細かな詳細まで定款に記載しても問題はないでしょう。

また、合わせて注意して頂きたいのが、「株式会社」の場合、定款を変更する必要がある際には、株主総会の特別決議と言うものが必要となってきます。

出席した株主の3分の2以上の賛成が求められますので、こちらも合わせて頭に入れておくと良いでしょう。更に、取締役会では、本店移転をする日を決定する事になりますが、取締役会を設置されていない場合は、取締役の過半数が一致して決議を行う事となります。

こちらも合わせてお読みください。
会社の定款ってどんなもの?定款・電子定款について総合的に解説

2-4. 本店移転登記の手続きと費用について

では最後に、本店の移転登記に関する手続きと、費用面について解説させて頂きます。

管轄区域内の移転
まず、法務局に出す「登記申請書」を準備し、定めに沿って作成を行います。この申請には、登録免許税と言う税金がかかり、収入印紙として3万円がかかります。

また、定款の変更が必要な場合ですと、会社法施行規則第72条によって、株主総会議事録の添付が必要とされています。更に、取締役会にて場所の定めをした場合には、会社法施行規則第101条によって、取締役会議事録を添付する事となります。

管轄区域外の移転
管轄の区域外に移転される場合には、上記に合わせて以下の物が必要となります。

・新本店地の所在地を管轄している法務局に、登記申請書類と、登録免許税として収入印紙3万円分。
・新しい法務局にて、印鑑登録を行う為、印鑑届書を提出したのち、印鑑カードの交付を受ける。

以上の事からお分かりの通り、管轄区域内の場合では、必要とされる書類も限りがありますが、管轄外となると、それらと合わせて別途求められる物が増える事になります。

また、管轄外の場合には、旧と新の、合わせて2か所分の申請が必要ですから、登録免許税も倍の6万円かかる計算となっております。

まとめ

以上が、本店移転登記における詳細となっております。ご自身で手続きを行う事も可能ですが、多忙な場合や、不安がある場合には、本店移転登記を代行してくれる専門家がいますので、そちらに依頼される事をオススメ致します。

おすすめの関連記事

ー会社設立に関して一通り学びたい人はー
会社設立のメリット・デメリットから、設立後までの手順のまとめ

ー法人の違いについて知りたい人はー
5つの人気法人の設立・形態・種類・比較についてまとめてみました

関連記事