「面接がサイコー!」といわれる会社になる方法
- 採用活動で面接をする場合、気をつけることは何でしょうか?
面接を開始した直後の「ファースト・インプレッション(第一印象)」で判断すると、その面接時間はずっと面接官のスキーマで相手を見てしまいがちになります。一度かけてしまった色眼鏡をはずすことは難しく、適切な判断ができなくなります。
連載第2回では、適切な判断をするために面接で押さえておきたい面接官の心構えや面接の流れについて考えていきます。
面接官は常に客観的に面接応対をしなければいけません。面接官が経営者でない限り、面接官は自分の考え、個性、価値観に当てはめると、部下にするには似た者同士で馴染みやすいかもしれませんが、組織全体で考えたときに必要な人材かどうかにはズレが生じてしまいます。
連載第1回で書いたように「学歴」というフィルターで見たり、ファースト・インプレッションによる印象、圧迫面接による反応など、企業が知りたい「その人らしさ」がわかる過去の経験、行動、学びを知ることよりも、面接官の中にあるスキーマという色眼鏡の中に当てはまる人材を良しとしてしまう傾向にあります。
「その人らしさ」よりも「面接官に似た存在」が印象に残り採用につながってしまうことは、採用ギャップが生じてしまいます。そこで、その場で判断することはやめて、別の時間を設けて改めて客観的に判断する時間を設けるようにすると、採用ギャップを防ぐことができます。
「人となり」を見るときは、過去の経験だけではありません。面接時間の中で、表情、目線、しぐさ、身なりなど、全てが物語っています。「ノンバーバル・コミュニケーション」とは、そのような非言語コミュニケーションを指します。
どれだけ面接練習を重ねても、ネットで調べたような良い言葉を饒舌(じょうぜつ)に並べても、自分の経験値にないことはノンバーバル・コミュニケーションの中で不安としてあらわれます。そのサインを見落とさないためにも、質問する面接官とは別に、ノンバーバル・コミュニケーションを見るための面接官を置くことが望ましいでしょう。
また、2人体制で面接に臨むことにより、質問する面接官のスキーマにもとらわれない客観的な判断もできます。もう一つ加えるとしたら、面接官が座る位置です。大抵の場合、横並びに面接官が座り、対面に応募者が座るという位置関係が普通と思われるでしょう。ですが、ノンバーバル・コミュニケーションのサインを見る面接官は、質問する面接官の少し後ろ斜めの位置が望ましいのです。
理由は、2対1の図式でしたら、面接にきた応募者からは圧迫されるような雰囲気に見えてしまうことがあるからです。面接官が男性2人なら、なおさら緊張感が高まります。2人の面接官の並び方を変えるだけで、圧迫する雰囲気は解消されます。情報化社会の現在では、ほんのちょっとしたことでも気軽にSNS拡散される時代です。企業側が圧迫面接の質問はしていなくても、応募者が圧迫な雰囲気を感じてしまったら、「圧迫面接だったよ〜」とつぶやく人も出てきます。
一度SNSで拡散されると、未来の応募者が激減する可能性があります。だからこそ、面接の仕方にも気を配らなければいけません。
しかし、SNSは悪いことばかりではありません。「応募者に気遣い、応募者を大切にする会社」という面接の印象がつくように努力すれば、それがSNS拡散されることで今まで興味を持たなかった企業が欲しい人材が応募してくる可能性も高まります。
個人のSNSを味方につけると、企業の広報活動をしてくれる良いきっかけになりえます。そう考えると、面接官の人数や座る位置、圧迫面接にならない雰囲気などに気を配る必要性があると思いませんか?
最後に、面接回数について。最低でも2回はした方がよいでしょう。1回目は直属の上司になるであろう立場の方や現場指導者または人事担当者、2回目に経営者またはマネージャーという形です。
1回目は応募者の過去の経験、考え、学びなど「人となり」を判断するために応募者にヒアリングしていきます。圧倒的に応募者が話す時間が多い面接時間になります。2回目は面接というよりも、経営者やマネジャーが今後の企業の動き、将来、ビジョンについて語る時間です。1回目の面接で現場から「人となり」を判断して見込んだ存在ですから、あえて同じような質問をする必要性はありません。それよりも今度は応募者が知りたいことを話す時間です。
目まぐるしく社会情勢が変化する中、企業の将来性に不安を抱える応募者は少なくありません。ビジョンを直接聞くことで、不安視していたことが薄れていきます。また、経営者やマネージャーがビジョンを熱く語り、時にうれしそうに、楽しそうに話す姿を見て、「ここで働きたい!」と考えるようになります。
不安と感じている部分を取り除き、納得して入社してきてほしい会社は、ぜひ一度試してみてください。
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