【第29回】シニア起業で勝ち組になる秘訣〜潜在的ニーズへのアプローチ方法
- 入替需要を狙うには
- DMの送付方法とフォロー
- 添え状の書き方
本稿では、前回の「三つのマーケティング方法」のうち意外に成果の上がる「②潜在的ニーズへのアプローチ」方法の具体的展開を詳述します。
「この人なら会社を何とかしてくれるのでないか」「いっしょに働いてもいいのではないか」「よし会って見よう」と思わせるような履歴書・職務経歴書と面談を熱望する添え状、さらに顧問契約探索活動者においては「事業案内」をダイレクトに送付し、中小企業オーナーの気持ちを面接に向けさせなければならない。招聘する前に事前調査をしようという気持ちにさせること。
中小企業オーナーは、いつも社員のコスト(給与/年収)とパフォーマンス(貢献度)を比べており、今いる人材をもっと働いてくれる人材と取り替えたいという欲望につねに囚われている。ダイレクトメールの宛先は、新設会社や新規事業に乗り出す企業に限らない。発想の転換をすれば、隣の会社にDMすればよい。DM先は無限にある。
その会社で「何ができるか」「何をしたいか」を確認(自問自答)。自分のウリにつながる職種・仕事・新規事業があるかの調査。読ませたい相手を決め、手紙の送り先を決める。
誰に送り、誰に読ませるかが重要なポイントである。顧問契約についてのキーパーソンに読ませる工夫をしなければならない。前(現)職の延長上にて、採用は人事部、直接社長に送ったのでは組織を無視して失礼になるといったような謙虚さは必要ない。顕在したニーズ(求人広告)への応募ではないのである。
潜在的なニーズの掘り起こしを行なうのであるから中小企業の場合は代表取締役社長あてに氏名を明記、「顧問希望・履歴書在中・親展」と明記した上で送付する。そして一番読んでもらえるタイミングを選ぶ、すなわち、金曜日の夜に発送(そうすると翌週の始めには着いて、その週のうちに社長の目に留まるはず)し、翌々週の火曜日午前中(月曜日はその週の始めという事で、営業会議等があることが多く多忙につき社長と連絡がつかないことがある。たとえ連絡がついても、忙しいときはろくな応対をしてもらえないことがある)に社長にフォローの電話をいれる。ある程度以上の規模の会社に送付する場合は、直接社長に送付すると社長秘書の手で、社長の確認を経ずそのまま人事部に回されてしまい、社長の目に触れないことがある。かといって余り低い地位の社員に送付すると受け取った人は対応の仕方がわからず、単なる売込みとしてまじめに対応してもらえない、はなはだしい時は求職者が自分の地位を脅かすものだと考えて闇から闇に葬ってしまうことがあります。
社長に直接送らない場合には、潜在的な顧問採用についてのキーパーソンになりうる人、例えば取締役営業本部長、取締役事業本部長、取締役開発本部長、取締役人事部長に送ること。尚、会社調査には、各種会社要覧・ホームページ等を利用してください。
DMは送りっぱなしにしない。必ず事後のフォローアップ(面接申し入れ)をする。
DMはこちらから一方的に送ったものなのである。送り先にとっては、迷惑なものかもしれない。こちらは四六時中顧問契約先探索のことを考えているわけであるが、送り先は今現在、人の入替えなど考えていないかもしれない。
人の入替を考えていない中小企業のオーナーに対し、こちらに興味を持たせることが必要。一方的に送っただけでその後なにもしないと、一方的に送られてきた、迷惑なもの、ジャマなものとして一方的に捨てられるのが自然の成り行きです。事後のフォローアップなくして、DM発送はないと考えよう。
待っていても先方からの回答はこないのである。
自分で苦労して作成し、せっかく発送したDM、自分をPRしてくれている分身を大切にし、無駄にしないためにも面倒くさがらずに、謙虚に確認の電話を積極的に行なう。自分を買ってもらうのだから、これからの自分の(家族を含めた)生活がかかっているのだから,労を惜しんでは駄目。
しかし、世の中はそんなに甘いものではない。電話をしても断られる場合が圧倒的に多い。面接の機会が得られるのは、100通出して4件くらいである。DMを出さなければ、面接の機会はゼロなのだから、積極的にDMを送りフォローアップの電話をすべきなのです。
デパートや通信販売会社からDMを受け取った経験は誰にでもあるが、受け取った側から発送業者に御礼の電話をする人は皆無であろう。このことを考えれば、自身のDMは必ず自らでフォローしない限り絶対に送り先からの反応は無いと考えてください。
平均35通に1件は、面接が実現しています(但し送りっぱなしはだめ。電話で面接のお願いをした結果である)。面接に至れば85%の確率で契約内定となるものです。実際に契約するかしないかは契約内定通知をもらってから考えればよいことです。
同封物:①添え状(ダイレクトメール型)、②売れる履歴書、③売れる職務経歴書(主たる経験及び達成事項)、④事業案内
大型ゼムクリップで留める→クリアホルダー廉価版(A-4版 100円ショップにて購入。10~15枚入り)に入れる→クラフト紙・角2封筒に封入→表面に宛先、裏面に発信人の住所氏名を明記し、普通郵便にて発送。郵便代は120円~140円。必ず都度計量し、切手代不足にならないよう注意すること。
自分のウリの提示「何ができるか」「何をしてきたか」が最優先。顧問募集の有り無しの確認は二の次。
■こちらから話す内容
①自分の氏名
②DM送付についての確認
③突然DMを送りつけたこと非礼に対するお詫び
④また、突然確認の電話をかけている非礼に対するお詫び
⑤自分のウリ「何ができるか」「何をしてきたか」の提示
⑥顧問契約を熱望していることの表明
⑦直接会ってより詳しく話したい意思の表明
⑧面接の予約のお願い
こちらから話す内容は上記の通りであるが、忙しい相手への連絡であり、一から十まですべて話したい気持ちを抑えて、時と場合に応じて臨機応変に対応することも心がけよう。要は面接予約を取り付けるのが目的。
こちらが顧問契約の申し込みをしているのであるから、DMの送り先の担当者は顧問募集の有無を話します。とりあえず会ってもらうのが肝心であるが、今、まったく顧問募集の予定がない場合に面接予約まで進まないことがあります。その場合でも、次のことを確認し、潜在的なニーズを得る努力をしましょう。
①他社(取り引き先・関連子会社等)での顧問求人の可能性の確認
②電話応対者を人脈として活用の是非の確認(紹介者として名前を使いたい)
電話先への顧問契約を希望している熱意を表すためにも、再度連絡したいと話し、謝辞を述べて電話を切ります。とりあえず様子見で断るケースもあるし、先方からの連絡が後日舞込んで来る可能性もあります。
(例)「またお電話させていただき顧問求人についてのお考え等ご様子をお聞きしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします」
①製品見本市、製品/サービス展示会、創業支援フェアへの見学及び、就職情報誌の情報、日経新聞、日経産業新聞、日経流通新聞(MJ)ほか、イベント検索サイト「イベントナビ」より入手。出展会社リストをイベント事務局から入手し、DMリストとして利用。
②展示会に出展できる企業は景気のいい会社。日経、日経産業、日経流通新聞(MJ)に報道された新製品/新サービス発表会や、工場・営業所・研究所新設情報。同時に工場や営業所の閉鎖、撤退、統合情報。
・・・撤退後の商権やアフターフォローのサービスのため、自宅を営業所またはサービス拠点として提供するのでエリアマネージャ(顧問待遇)として契約、或いは業務委託をさせてもらえないかと提案(高齢化に伴いこのようなことは今後急増するので意外に効果的な提案です)。
③日経ベンチャー、月刊中小企業(ダイヤモンド社)ほか、中小企業オーナー向けビジネス誌に掲載された「伸びる企業」「元気な社長」情報。商工会議所や経営者協会、銀行や信用金庫、生損保会社から発行されるPR機関誌に掲載される「元気な企業」情報。
④東京商工会議所発行『商工経済団体名簿』に掲載された商工団体より会員企業名簿(300円~500円くらい)を入手し、探索する方法。
⑤商工会議所、経営者協会、ベンチャー企業団体に直接出向いて収集・入手できる情報
⑥上記①~⑤と類似のルートを自分で探し、そこから得ることのできる、自分だけの独自の企業情報。
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