地方発で成功するベンチャー起業家、スケールするための方法
- 起業家達のコミュニティに参加して繋がりを作ること
- ビジネスの時に何を問題設定するのか
- 彼らの頭の中の課題にどうやって訴求するかという課題設定をきちんとする
このパネルディスカッションでは、地元は出れないけど地元で起業して大きくスケールしたいとか、地方でスケールするためには、どのリソースを使ってどういうやり方をすればいいかということを中心に話をしていきます。
塚本>自己紹介と事業紹介を手短におねがいします。 彼ら三人は資金調達経験もあるし、受賞歴で言うとおそらくみんな片手以上色んなビジネスコンテストなどで受賞しています。Foebesでも、福岡と言えば、このベンチャーみたいなかんじで書かれています。
松尾>株式会社リーボの松尾龍馬と申します。1つ目はレンタカーのポータルサイトです。特徴としては、大手のレンタカー屋さんではなくて、中小のレンタカー屋さんや町のレンタカー屋さんをネットワークしています。2つ目は、「キテネ」自体がメディアですが、それと絡めて地元の人の「来てね」という声を集めて記事化する観光業のポータルサイトも運営しています。
春山>株式会社セフリの春山と申します。当社はYAMAPという事業を展開しています。携帯の電波が届かない山の中でも、スマートフォンで現在地がわかる地図アプリが特徴のサービスです。最近社会問題になっている「山での遭難・道迷い」の事故を解決したくて、作りました。
鹿野>株式会社ウェルモの鹿野と申します。弊社は、介護福祉向けのプラットフォーム業をやっております。
東京で仕事をしていましたが、福岡に引っ越しをしてきまして、2013年福岡市で起業をし、現在福岡市内でそのシステムのシェアがケアマネージャーの方に65%、行政の窓口で94%シェアがあります。
松尾>東京に月1は行っていました。六本木にIT系の起業家たちが集まるアワバーというバーがあって、そこには月1行っていました。ベンチャーキャピタルや起業家のコミュニティですね。
そこで起業家さんやVCさん投資家さんと話していました。その辺から横に広がっていったりしました。
春山>そもそもなんで福岡という地方で起業したのかを話します。18歳の頃まで福岡県の春日市というところで過ごして、その後、京都の大学に行って、アラスカの大学に行って、東京で働いていました。東京は住みにくい街だろうなと思っていたのですが、実際に住んでみると仕事も面白かったし、色んな人がいて、働くには東京の方がいいなーと率直に思いました。その反面、地元である福岡が、東京と比べてさびしい街に見えたことがあったんです。福岡に限らず、地方がさびれていくのに、やむにやまれぬ思いがありました。
生まれた場所や住んでいるところで、不利になる社会は嫌だなと思ったんです。
ベンチャーの定義は「挑戦」だと思っています。
だから、福岡であろうが、札幌であろうが、地方のどこに住んでいようと、勝負できるんだということを、ひとかけらでいいから、次の世代に残せたら本望と思っています。
たまたま福岡にゆかりがあったので、私は福岡を選びましたが、自分が住みたいと思った街であればどこでもよかったです。
仕事を通じて、次の世代に何かを引き継ぐ。それは何よりのモチベーションになっています。
地方起業のメリット・デメリットのまとめも合わせてお読みください。
鹿野>僕は元々出身が大阪で福岡には全然来たことがありませんでした。うちのビジネスモデルは行政さんと絡むことが大事なので、北は北海道から仙台、東京、大阪、福岡とぐるぐる回っているうちに、福岡でいい出会いがありました。福岡の市役所はとても熱くて、課長さんでとても熱意ある方で、そこで意気投合し、福岡で引っ越してきてここでやろうと思い、骨を埋める覚悟でやってきました。これが元々のきっかけです。
ただ、正直申し上げて、地方で起業することは不利だと思いました。
よく、東京と福岡どっちがいいですかと聞かれますが、明らかに福岡が不利です。それは、人もお金も情報も圧倒的な差がありますから。
でも、もっと踏み込んで考えると、東京よりもシリコンバレーやシンガポールの方が、人やお金、情報の量で言うと有利なはずですよね。
でも、質問してくる多くの方は、東京と福岡、この2択でしか考えていません。この考え方がそもそも間違っていて、本当であれば三角点で自分の位置やサービスの方向性を測るべきだと思います。
福岡・東京・シリコンバレー、もっと言えば、日本・アジア・西洋など。その三角点で測量して、自分たちのサービスをどう展開するかがより明確になると思います。
そういうことを考えるようになったのも、福岡で起業するのは不利だという認識があったからだと思ってます。
春山>外の風をちゃんと感じることが大切なように思います。東京でもいいし、シンガポールでもジャカルタでもいいと思います。
地方を拠点にはするけれども、そこから一旦離れて色んな風を自分に溜め込む。帰ってきて粛々と開発をするというその循環がとても大事だと思います。
正直申し上げて、私が東京で起業して続けていたら、YAMAPは続いてなかったとも思います。
塚本>情熱がもたないってこと?
春山>東京はノイズが多すぎるからです。YAMPをリリースした当時、ベンチャーキャピタルの方から散々言われました。
「登山・アウトドアはニッチだ。やる意味はあるのか」と。その当時、お見合い・街コンがとても流行っていて「純粋な登山・アウトドじゃお金にならないから、山でお見合いやれ!」と言われました。
情報が多すぎるがゆえのデメリットだと思うのですが、多くの人が今、流行っているサービスで起業家のサービスを計ろうとします。その圧力が強かったです。
福岡や地方にいると、東京でそういう圧力を経験しても、帰ってきて冷静に考えることができますよね。
今お見合いや街コンが流行っていたとしても、とってつけたように、山でお見合いをやるのは筋が違うよな(笑)と考え直すことができました。
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