優れた起業家ほど体が強い!? なぜ気力よりも体力が大事なのか

ポイント
  1. 駆け出しのスタートアップ企業で必要なこと
  2. 体力を増強させるためのシンプルな方法
  3. 体力がなければ起業を成功させることはできない

目次 [非表示]

駆け出しのスタートアップ企業はとくにそうなのですが、仕事をしていくうえで、どうしても乗り越えなければならない壁があります。それは、安定的に売上を確保するための、仕組みを構築することです。とにかくそこまで到達しなければ、キャッシュフローが不安定のままです。

 

キャッシュフローが不安定だと、会社はどうなるでしょうか。つねに売上および利益を最優先に追求しなければなりません。そうなると、いつまで経っても自分たちが本当にやりたいことに着手できなくなってしまうのです。だからこそ最初のうちは、安定的に売上をあげる必要があります。

 

しかしご存知のとおり、ゼロからイチをつくるというのは、そう簡単なことではありません。どんなに綿密に事業計画を作成したとしても、計画どおりにいくとは限らない。むしろ、ほとんどの場合、計画から大きくはずれて事業が進んでいくことになる。それが起業の実情です。

 

では、起業家は、どうやって安定的な売上を確保するまでに至っているのでしょうか。そこまでの苦労を、どのようにして乗り越えているのでしょうか。答えはカンタンです。「ビジョンをもって」「ハードワークする」。シンプルにこれだけです。しかし、これが起業の根幹なのです。

起業家に必要な「VW」とは

ビジョンをもってハードワークするという言葉は、iPS細胞の生みの親で、ノーベル化学賞を受賞された京都大学の山中伸弥教授が、各所で話しているものです。いわゆる「VW(ビジョンとワークハード)」という言葉で語られています。講演やセミナーなどで、聞いたことがある方も多いことでしょう。

 

ビジョンとは、自分が理想と考える未来を想像し、その実現のために邁進すること。ハードワークとは、一生懸命がむしゃらになって働くことです。この2つが備わっていなければ、起業を成功させることは難しい。なぜなら起業は、苦労の連続だからです。苦労を乗り越えてこそ、安定的な売上を確保することができるのです。

待っているのはハードワーク

通常、創業したての会社には、安定的に売上をあげる仕組みがありません。あるものと言えば、商材のプロトタイプと情熱ぐらいなものです。そこからいかに、初期段階の売上をあげていくか。その壁を乗り越えていくために、ビジョンとハードワークが欠かせません。その2つを武器に、突き進んでいくのです。

 

しかし、とくに頭でっかちになってしまっている方は、ついビジョンにばかり気を取られてしまいがちです。Googleが掲げている企業理念「10の事実」を見て、「自分たちも立派な理念・ビジョンをもつぞ!」と意気込んでしまう。その先にあるのは、地獄のようなハードワークであると知らずに……。

 

いざというときにどれだけ働けるか

成功した起業家の多くは、苦労話を武勇伝のように語っています。それを聞いて、「やっぱり起業は大変なんだな」とだけ思ってしまうのはもったいない。そこで、「頑張れば結果がついてくるところに起業の醍醐味がある!」と思わなければなりません。そう、失敗の確立を下げるには、ハードワークをして、くり返し挑戦するしかないのです。

 

「プレゼンの準備をしなければならない」「納期に間に合わせなければならない」「早急にクレームに対処する必要がある」。起業というものは、そのような緊急事態の連続です。ルーチンワークではなく、イレギュラーが日常茶飯事です。だからこそ、気力だけでなく、本質的な体力が備わっていなければならない世界なのです。

体力を増強させるためのシンプルな方法

では、体力を増強させるには、どうすればいいのでしょうか。トリンプ・インターナショナル・ジャパンの社長を務め、在任中、19期連続で増収増益を達成した吉越浩一郎さんの著書『気力より体力』には、次のような方法論が記載されています。いずれの方法も、とてもシンプルです。

 

まず、8時間しっかりと寝ること。日々、体力を維持するためには、睡眠が欠かせません。そのぶん、起きている間はハードワークに勤しむのです。次に、赤身肉を食べること。肉が苦手な方は、自分が食べていて元気になる食材を食べる、でもいいと思います。3つ目は、毎日1万歩あるくこと。つまり、定期的な運動を継続するということです。

根性で働き続けることから脱却するために

吉越さんが提唱している体力増強の手法は、どれも、すぐに取り組めるものばかりです。誰でもカンタンに取り組めるからこそ、継続できる。その結果、いざというときに働き続ける体力がもたらされるのです。「そんなに寝ている時間はない」という人は、時間の使い方をあらためてみる必要があるかもしれません。

 

いずれにしても、自分に合った方法を探してみることです。そして、「体力がなければ起業を成功させることはできない」ということを忘れないように。体のことを考えていなかったばっかりに、病気をしてしまったり、ケガをしてしまったりすれば本末転倒です。体を整えることもまた、仕事の一環なのです。

 

ビジョンをもって、ハードワークを続けていくこと。その土台にあるのが、起業家本人の体力です。今のところ、体にいい習慣を身につける以外に、体力をつける方法はありません。気力だけではいずれ倒れてしまいます。まずは、現在の生活をあらためるところから、はじめてみてはいかがでしょうか。

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