従業員を雇ったら必ず押さえる就業規則のポイント③記載内容編

ポイント
  1. 特に懲戒や解雇についてはよく確認しましょう

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残業について

時間外労働、休日労働、深夜業(午後10時から午前5時まで)をさせたときには、その労働時間について、所定の割増率(時間外労働:2割5分以上、休日労働:3割5分以上、深夜業:2割5分以上)で計算した賃金を、残業手当、休日出勤手当、深夜手当として支払う必要があります。また、規定を定める場合には、 給与計算等実務上の面からも、それぞれの手当について具体的な計算式を記載しておきましょう。

割増賃金が発生するのはどんなときでしょうか

労働基準法上、割増賃金の支払義務が生じるのは法定労働時間(原則:1週40時間、1日8時間)を超えて労働させた場合と、法定休日(週1回)に労働させた場合又は深夜業に労働させた場合です。この点の理解も大切です。

定額残業代の場合

残業を防止する意味と残業手当の削減等を目的として、割増賃金(残業手当)の定額支給をしている企業もあります。残業手当を定額で支給することは問題ありません。ですが一点注意点があります。実際に残業した時間に基づいて計算した割増賃金が、定額で支給されている残業手当を超えた場合は、その差額を支払う必要があるのです。また、営業手当などの名目で一定時間数の残業手当をその手当に含めて定額支給する場合もあるでしょう。この場合には、その金額のうちのいくらが残業手当であり、かつ何時間分に相当する額が含まれているのかを明確に区分しなければなりません。

これらの条件を満たさないと「賃金不払い残業」となってしまいます。定額残業代の規定を設ける場合には、定額残業代は何時間相当分なのかを明確に規定し、かつ、 その時間を超えた時間外労働については実態に応じて支払いを行うことも明記しておきましょう。

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休職と復職について

休職期間が満了して、復帰が出来る状態にある場合には、当然復職させることになります。ですが、退職に関する規程との関係もありますが、私傷病による長期療養などにより、休職期間満了時においても直っていない場合には、労務提供不能として労働関係を終了させることになります。

この場合、当然退職となるのか、解雇として解雇手続を要することになるのかは、就業規則の定め方によります。「休職期間の満了をもって退職とする」と定められているときは当然に退職となりますが、特にその旨の定めがない又は解雇する旨の規定となっていれば、普通解雇の手続(休職期間満了日の30日前の予告又は予告 手当の支払い)が必要となります。復職の際の手続きについて主治医の診断書だけではなく、会社指定の医師の判断も受けるなど復職手続についても記載しておきましょう。

解雇と懲戒について

解雇というのは、会社の一方的な意思表示によって将来的な労働契約を解消するものです。 ですので、従業員の地位の安全を確保するためにも、就業規則においては解雇事由を具体的に定めておくことが求められます
また、懲戒の種類には、その軽い順から「けん責」、「減給」、「出勤停止」、「昇給の一時停止」、「降格・降給」、「諭旨解雇」、「懲戒解雇」などがあります。その種類及び程度に応じて、懲戒事由を具体的に定めておく必要があります。規定に定めのない懲戒処分は行うことが出来ません。ですので慎重に記載内容を検討しましょう。

まとめ

このように就業規則には見るべきポイントが沢山あります。特に解雇や懲戒については規定に定めのない懲戒処分は行うことが出来ません。ですので慎重に記載について検討をしましょう。このようなトラブルがないことが一番ですが、起こってから慌てて就業規則を整備しても遅い場合が多いです。予めきちんと整備を進めましょう。

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