従業員を雇ったら知っておきい!〜給与計算総まとめ~給与計算ルール編

ポイント
  1. 給与支払の5原則がある
  2. 社会保険、所得税の手続きをわすれずに!

目次 [非表示]

給与計算とは国に代わって税金を計算すること

給与計算というのは、給与を単に支払うことだけではありません。社会保険や税金を計算することでもあります。まず給与の構成から確認します。給与は、「支給額」から「控除項目」を差し引くことで計算します。

差し引き後支給額 = [支給額: 基本給と残業代] - [控除項目: 社会保険料・雇用保険料・所得税・住民税]

ここで分かるように、給与を計算するということは、社会保険料や雇用保険料、所得税、住民税を計算し納付する準備をするということでもあるのです。実際、ここで天引きしたものを会社が従業員一人一人に代わって役所に納付していきます。

給与計算の準備

給与の支払いにルールがあることを理解した上で、給与計算をすぐにしたいとおもいがちですが、その前にやることがあります。それが就業規則、賃金規定の整備です。就業規則とは、従業員が働く上で会社のルールとなります。就業規則は、従業員10 人以上の企業は必ず労基署まで届け出ることが必要です。10人未満の会社であれば届け出は義務ではありませんが、準備をしておくことで会社と従業員の間でスムーズにルールの確認ができるので、作成をすることをお勧めします。

そして、給与に関して記載しているのが給与規定(賃金規定)となります。

就業規則で記載しなければならない事項

就業規則(給与規定も含む)に必ず記載していないといけない事項は決められています。必ず記載しなければならない項目は次となります。(参考:厚生労働省)

始業・終業時刻や休憩時間、休日など労働時間に関する情報
給与の決定、計算・支払方法、締め日や支払日、昇給などに関する情報
退職に関する情報

これらは就業規則に絶対に記載しておかないといけない事項となります。特に給与に関しては細かく記載をする必要があります。

記載しておくと給与計算上お勧めのポイント

就業規則には絶対的記載事項として給与の項目を記載しますが、意外と漏れがちの点があります。欠勤控除、遅刻控除の式についてです。控除する場合はどのような式になるのかあらかじめ明記しておくと、給与計算の際に悩むことがありません。また、従業員とも余計なトラブルになることがなくお勧めです。

欠勤・遅刻控除の式について

例えば月給20万の社員が1日欠勤をした場合、1日分の給与の控除をどのような式にするのか、という場合に問題となります。労働基準法では、欠勤控除や遅刻控除について特にルールを設けていません。ですので控除の式は会社で自由に設定が可能です。そしてよく問題になるのは20万の給与をどの日数で割り1日の欠勤の金額を算出するのかという点です。

控除の式の分母について

欠勤控除の際の分母は以下のいずれかが考えられます。

・1ヵ月平均所定労働日数
・その月の所定労働日数
・その月の暦日数

これらの定め方があります。どの方法をとっても法的には問題ありません。どれでもよいのですが、同じ会社内でルールが統一されていないことは問題です。あらかじめどの分母で計算をするのか決めておき給与規定に掲載しておくことがよいでしょう。そして1時間などの欠勤や遅刻の場合は、ここで決められた金額を1時間分に算出し直して計算します。

控除する場合にやってはいけないこと

遅刻や欠勤をした場合、その分の給与を差し引くことは問題ありません。労基法でノーワークノーペイの原則というものがあるからです。(働いていない分は支払わない)ですがこの際に注意点があります。

例えば、「1分でも遅刻したら30分を引く」などということは出来ない点です。例えばこのような場合です。1時間の欠勤控除による控除額は1,250円の方の場合、1分あたりの金額は「1,250÷60」の20.8333円が1分遅刻した場合の正確な控除額です。ですが、1分の遅刻にもかかわらず、30分に相当する金額を控除するということは出来ません。控除する場合にはこの点を注意して金額を算出するようにしましょう。

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