一般労働者派遣事業の開業に係る、様々な事柄について総合的に解説

ポイント
  1. 一般労働者派遣事業の許可等について
  2. 請手続きや許可が下りるまでの期間等について
  3. 一般労働者派遣事業における有効期限や更新について

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5.監査証明について資産要件について

一般労働者派遣事業を行う場合、厚生労働大臣による許可が必要とされていると言う事は、これまでの解説でもお分かり頂けたと思いますが、新規で許可申請を行う場合や、更新手続きをする場合、監査法人や、公認会計士等による監査証明と言う物が必要になる場合があります。

ただし、不要となる場合がありますので、以下をご覧下さい。

◆資産要件
① 基準資産要件:1事業所当たりの基準資産が2000万円以上である場合
② 負債比率要件:基準資産が負債総額の7分の1以上である場合
③ 現金預金要件:1事業所当たり、自己名義の現金と預金額が1500万円以上の場合
以上の要件を満たす場合、監査証明は必要とされませんので、頭に入れておきましょう。

6.欠格事由について

次に、一般労働者派遣事業を行う場合でも、欠格事由に該当する場合は許可を受ける事ができないとされております。また、法人の場合と、個人の場合でも違いがあります。以下に参考となる欠格事由(pdf)を掲載しておきますので、該当しないかどうか確認をしておきましょう。

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7.有料職業紹介事業との違いについて

一般労働者派遣事業と、有料職業紹介事業には、根本的な違いがありますので解説しておきたいと思います。まず、雇い主が違うと言う点が、双方での大きな違いとなります。一般労働者派遣事業の場合、求職者が実際に勤務するのは、派遣先となりますが、雇用をしているのは、一般労働者派遣事業を行う派遣会社となります。

一方、有料職業紹介事業の場合、求職者と人材を求めている会社側の間に立ちますが、勤務する契約を交わすのは、求職者と働く先となる会社であり、雇用主も実際に勤務する先の会社と言う事になります。

あくまでも紹介をする為の事業となっており、雇用が決まれば成功報酬として勤務される方の予想される年収となる金額の30%程度のお金を貰う事で成り立っております(有料職業紹介事業の会社によって、パーセンテージには違いがあります)

根本的な違いとしては、雇い主の違いと覚えて頂ければと思います。

8.一般労働者派遣事業における派遣社員の社会保険について

派遣会社に登録して派遣先にて勤務するのは良いけれど、その働く方の社会保険ってどうなるの?と疑問が浮かばれる方もいらっしゃると思うので解説しておきます。まず、派遣社員として雇用された方は、社会保険の加入については派遣社員を雇用する派遣会社となっております。社会保険の構成としては、まず広義として社会保険があります。

その内、社会保険(狭義)と労働保険に分かれており、そこから更に、健康保険や介護保険、厚生年金保険、労災保険、雇用保険と分かれております。これらの社会保険に加入される場合、そのコストの部分もしっかりと考えておく必要があります。派遣社員の社会保険加入については、労働時間や、労働の日数による判定と、年齢や勤務をする期間によっても違いがありますし、適用を除外されるケースもあります。しかし、一般労働者派遣事業をするに当っては、社会保険の負担をしなければならないと言うコスト面でのリスクもしっかりと考えておく必要があると言えるでしょう。

9.特定労働者派遣事業について

派遣事業には、一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業と言う2種類で構成されておりました。しかし、現在は、平成27年の労働者派遣法と言う法律の改正により、労働派遣事業は全て統一される事になりました。以前までは、一般労働者派遣事業は許可制、特定労働者派遣事業は届出制となっていたのですが、全ての労働者派遣事業が許可制に統一される事になったのです。また、厚生労働省によると、平成29年10月10日付けにて、特定労働者派遣事業の廃止を命じており、今後は一般労働者派遣事業に一本化されております。

元々特定労働者派遣事業を営まれていた事業者は、経過措置として、3年間「その事業の派遣労働者が常時雇用される労働者のみである事業」を営む事が可能とされております。この記事では、新規での開業をされている方向けの内容となりますので、詳しい内容については割愛させて頂きますが、念のために厚生労働省の参考URLを添付しておきますので、お知りになりたい場合は<派遣元事業主の皆さまへ>を参照にして下さい。

10.小規模の派遣元事業主を対象とした資産要件の緩和について

平成27年9月30日に施行された「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び、派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律」によると、小規模の派遣事業を行う場合には、資産の要件が緩和される事になっています。その要件を少しご紹介しておきましょう。

① 1つの事業所のみを有しており、そこで常時雇用する派遣労働者が10人以下の場合
◆基準資産1000万円以上
◆基準資産が負債の総額の7分の1以上
◆現金・預金の金額が800万円以上

②1つの事業所のみを有しており、そこで常時雇用している派遣労働者が5人以下の場合
◆基準資産500万円以上
◆基準資産が負債の総額の7分の1以上
◆現金・預金の額が400万円以上

以上のように、小規模で派遣事業を行う場合には、資産要件が一部緩和される事になっておりますので、こちらもご自身が開業される際の規模に合わせて確認を取っておくと良いでしょう。

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11.まとめ

いかがでしたか?今の日本では一般的となっている、この派遣事業として開業したい場合には、このような要件や、必要書類、資金等が求められると言う事がお分かり頂けたと思います。是非、開業を検討されている方は参考にしてみて下さい。

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