医療法人や病院、診療所の設立に関する許認可や開設について
- 病院や診療所の許認可について
- 病院や診療所等の開設に必要な手数料や、申請書等について
- 病院、診療所を開設する為に必要な資格
- 病院や診療所の開設に関する失敗について
皆さんのお近くにも、病院や診療所と言う施設は当たり前ですが沢山ありますよね?また、何か身体に不調が出た場合等においても、病院や診療所に出向き、診察や検査等、様々な診療を受け、診断をして貰ったり、薬を処方して貰うという事は、人間が生きていく上で欠かせないものでもあります。
そんな、病院や診療所についてですが、それらを開設して実際に運営するまでに至るまでには、どのような手続きや、必要となる書類、許可等が必要なのでしょうか?今回は、その病院と診療所について、総合的に解説を行っていきたいと思います。
まずは、一概に「病院」や「診療所」と言っても、名称が違うわけですから、同じではないのかな?と思われている方も沢山いらっしゃると思いますので、そちらから解説をしていきたいと思います!
答えから申し上げますと、皆さんが推測される通り、病院と診療所には少し違いがあるのです。
実は、日本で医療を受ける場合、フリーアクセス制と言うのですが、健康保険証があれば、病院等と言う医療機関では、規模に係る事なく、原則どこでも診察を受けたり、利用する事が出来るようになっています。その為、病院や診療所と言っても、私達にとっては、同じ医療機関や病院と言った概念で考えられている事が多いのではないでしょうか。しかし、実際の所では、病院と診療所には、しっかりとした区別が存在しており、どちらで診察や診療を受けたかどうかによっても、何かしらの差が出るのです。
では、具体的に、病院と診療所では、どのような違いがあるのでしょうか。まず、具体的に違う点としては、ベッド数が上げられます。医療法と言う法律によると、ベットの数が20床以上の場合は「病院」となっており、19床以下の場合や、ベットがない施設の場合を「診療所」と言うように定めがあるのです。ただし、その病院の中でも、400~500床以上にもなる大きな大病院と呼ばれる病院については、特別料金の対象となってきます。皆さんの中にも経験をされた方がいらっしゃるのではないでしょうか?
地元の個人病院や診療所から、大きな病院で検査を受けて下さいと言われ、紹介状を渡されたと言う経験をお持ちの方。この紹介状がある場合は、初診時としての特別料金と言う別途支払わなければならないお金は不要となりますが、紹介状がない場合に関しては、特別料金として、別途で初診の場合5000円以上のお金を請求されたと言う方や、再診をする場合でも2500円以上の請求をされたと言う方もいらっしゃると思います。
更に、その中でも、特定機能病院と言って、高度医療を提供しているような大病院も存在します。その具体的な病院とは、例えば大学病院であったり、国立の病院等が上げられます。このクラスの大きな病院では、病床の数はおおむね400床以上となります。その他にも、救急医療を提供する診療所等と連携して地域の医療を担う支援病院等もあり、ただ病院と言っても、その中には小さな病院から大きな病院まで様々なのです。話を戻しますが、まずは、病院と診療所との違いとして、ベッドの数が20床以上であるか、以下であるかと言う点を覚えておいて頂ければと思います。
では次に、病院や診療所を開設する際には、どのような許認可が必要なのかについて解説させて頂きます!病院や診療所の許認可は、許認可区分の内、「許可」に該当します。また、届出る先については、窓口が保健所となっており、許可は最終的に都道府県知事から受ける事になっております。
病院や診療所の許認可につきましては、各都道府県によって、多少の違いがある可能性がありますので、実際に許可を受ける際には病院を開設しようと考える場所を管轄する保健所の窓口に事前に問い合わせを行い、詳しく内容を確認しておきましょう。
では、詳しい解説に戻らせて頂きますが、まず、医療法8条と言う法律によると、以下のようになっています。
「臨床研修等修了医師、臨床研修等修了歯科医師、または助産師が診療所、または助産所を開設した時は、開設後10日以内に、診療所、または助産所の所在地を都道府県知事に届け出なければならない」とされております。
この事からもお分かりのように、病院として開業する為には、必ず許可を受ける必要があるのだと言う事が、ご理解頂けると思います。更に、届け出をして終わりと言う事ではなく所轄の地方厚生局長、若しくは、地方厚生局都道府県事務所のどちらかに、健康保険法と言う法律と、国民健康保険法に基づいた保健医療機関として、指定を受ける為の申請が必要となっております。
この申請をし、指定を受けて始めて、実際に診察を受けられる患者様に対し、保険請求が出来ると言う事になっております。更に、指定を受けた後、平均的に1年以内に、その病院や診療所の責任者に対して、新規指定時講習と言う講習が開催されておりますので、忘れずに受講するようにしましょう。
こちらもあわせてお読みください。
医薬品・医薬部外品・化粧品等に関する製造や開業について
では次に、実際に開設するのに必要となる物について、総合的に見ていきたいと思います。こちらも、都道府県の中の一例として解説させて頂きますので、必ず事前の確認は忘れないようにしてください。
1.病院の場合
解説許可申請書:41,000円
使用許可申請書(実施検査):43,000円
使用許可申請書(自主検査):13,000円
2.診療所(法人開設等の場合)
解説許可申請書:18,000円
使用許可申請書(実施検査):22,000円
使用許可申請書(自主検査):7,000円
・病院開設許可申請書:病院開設の許可を受けたい時に申請する物となっております。
・病院開設届出書:病院開設をした後に10日以内に届出を出す物です。
・病院開設許可事項変更許可申請書:病院開設許可に係る事項の変更の許可を受けたい場合に申請する物です。
・病院開設許可(届出)事項変更届出書:病院開設許可(届出)に係る事項を変更した場合に届出る物です。
・使用許可申請書:病院の構造設備の使用許可を受けたい場合に申請する物です。
診療所に場合、「医師・歯科医師が個人開設する場合」と、「医療法人等が開設する場合によって手続きの方法には違いがあります。
◆医師・歯科医師が個人開設する場合について
・診療所の開設届出書:医師や歯科医師が診療所を開設した場合に10日以内に届出る物です。
・診療所開設届出事項変更届出書:診療所の開設届出に係る事項を変更した場合に届出る物です。
・使用許可申請書:有床診療所の構造設備の使用許可を受けたい場合に申請する物です(※ちなみに、無床の場合は不要となっております)
◆医療法人等が診療所を開設する場合について
・診療所開設許可申請書:医療法人等が診療所の開設に関する許可を受けたい場合に申請する物です。
・診療所の開設届出書:診療所の開設後10日以内に届出をする物です。
・診療所開設許可事項変更許可申請書:診療所の開設許可に係る事項の変更を受けたい場合に申請する物です。
・診療所開設許可(届出)事項変更届出書:診療所の開設許可(届出)に係る事項を変更した場合に届出る物です。
・使用許可申請書:有床診療所の構造設備の使用許可を受けたい場合に申請する物です(※ちなみに無床の場合は不要となっております)
こちらもあわせてお読みください。
薬局の開業における解説について総合的にまとめてみました!