学校法人や幼稚園の創設・許認可等についての手続き等に関して
- 学校法人って何?
- 学校法人創設までの流れについて
- 幼稚園や保育所に関する内容について
では次に、具体的な幼稚園や、保育所の創設について、細かく見ていきたいと思います。
まずは、幼稚園から解説していきたいと思います。(都道府県によって違いがある可能性があるため、創設するときには、必ず事前確認を行って下さい。ここでは一例をあげています)幼稚園の所管省庁となるのは、「文部科学省」となっています。
根拠法令は、「学校教育法」と言う法律となります。幼稚園の目的は「幼児を保育し、適当な環境を与えて、その心身の発達を助長するものとされており、対象児は「満3歳~就学前の幼児」です。
開設の日数については、39週以上となっており、春・夏・冬休みが設けられております。保育時間は、4時間を標準としており、預かり保育を実施しています。地域に対する子育て支援に関しては、任意となっており、子育て相談や、園舎・園庭の開放を行います。
保育、教育内容は、幼稚園教育要領を元とし、設置主体は国、地方公共団体、学校法人などが上げられます。また、施設の設置認可などにつきましては、公立が県教育委員会、私立は県となっています。
入所の契約については、保護者と施設が直接契約をする事で成り立ちます。保育量は、施設が保育料を設定し、徴収を行います。
では次に、幼稚園の様々な基準を解説しておきます。
職員配置基準:1学級(原則35人以下)ごとに少なくとも専任の教諭1人。
職員資格基準:幼稚園教諭(普通免許状)※特別の事情がある場合は、学級数の3分の1の範囲内で、専任の幼稚園助教諭(臨時免許状)で代替えが可能です。
施設基準:保育室・遊戯室(兼用可能)、職員室・保健室(兼用可能)、便所、手洗い用設備、足洗用設備、飲料水用設備、運動場(同一敷地内、または隣接する位置に設ける事)
園舎:1学級「180平方メートル」、2学級~「320+100*(学級数-2)平方メートル以上」
保育室等:保育室の数は学級の数を下回ってはいけない
屋外遊戯場:~2級「330+30*(学級数-1)平方メートル」3学級~「400+80*(学級数-3)平方メートル以上」
給食:外部搬入や、弁当の持参可能
まず、所管省庁は「厚生労働省」となっています。ここは、幼稚園の所管省庁が文部科学省名に対して違いがあると言う大きな点ではないでしょうか。次に、根拠法令は、児童福祉法となり、施設の区分についても児童福祉施設(保育所)となっています。
目的については、日々の保護者の委託を受けて、保育に欠ける乳児または、幼児を保育するとされております。対象児は、0歳~就学前の保育に欠ける児童とされ、開設日数は約300日(月~土)です。保育時間については、8時間を原則としており、延長保育を実施します。
地域に対する子育ての支援は、任意となり、地域子育て支援センター(育児相談、子育てサークルの支援等)一時保育です。保育、教育内容は、保育所保育指針となります。設置の主体については制限が設けられておりません。
施設設置認可等は、公立(届出):県、私立(認可):県となります。入所は、保護者と市町村が契約を行いますが、入所希望には配慮が行われます。保育料は、市町村が保育料を設定し、徴収所得に応じて負担する事となります。
児童福祉施設最低基準と言います。
職員配置基準:「0歳児」概ね3:1、「満1.2歳」概ね6:1、「満3歳児」概ね20:1、「満4歳児」概ね30:1以上
職員資格基準:保育士
施設基準:保育室、または遊戯室(満2歳以上児)乳児室、または、ほふく室(満2歳未満児)、便所、調理室、医務室(満2歳未満児)、屋外遊戯場(満2歳以上児・付近にある代替え地含む)
園舎:規定なし
保育室等:「満2歳以上児」保育室又は、ほふく室1.98平方メートル/人。「0・満1歳児」乳児室1.65平方メートル/人、ほふく室3.3平方メートル/人以上
屋外遊戯場:満2歳以上児 3.3平方メートル/人以上
給食:調理室を設ける事(※調理業務の委託は可能、※満3歳以上児については外部搬入可能
おそらく、ここまで記事を閲覧頂いた方の多くが、そう思われたと思うのですが、学校法人や、幼稚園、保育園を創設するには、様々な要件が必要であり、複雑です。
勿論の事ながら、ご自身ですべての手続きを行っても良いのですが、そこに不備があったり、要件を満たしていない場合には、創設までに時間がかかったりと、沢山の苦労が待ち構えていると考えても良いです。
その為、スムーズに創設にこぎ着ける為にも、一度は認可を受ける先に相談したり、許認可を専門で行っているプロにお願いすると言う手が一番安心かと思われます。
また、認可か、認可外かによっても、法律によって基準が設けられている他、それによっては助成金の対象とならないケースも発生します。どちらにしても、学校法人は、非営利目的ですから、お金儲けの為に創設しようと思われる方は居ないと思います。
特に、今の現代社会においては、待機児童問題等も深刻化しており、働きたくても子供を預けられずに待っている親御様も沢山いらっしゃいます。そんな中で、幼稚園や保育所等の創設を考えられるのは、素晴らしい事であり、人の役に立つだけではなく、立派な社会貢献としての活動だと言えるでしょう。
まずは、創設したいと思われる理由を、ご自身の中で明確にし、無事に創設できるように様々な知識も身に着けておきたいところです。
また、規模によっては、創設に多額の費用が最初に必要となる場合が多いため、ご自身が行いたい学校法人の形態を一度整理し、どうすれば創設できるのかを、まずは理解する事から始めていきましょう。
更に、保育園のケースを例にあげますが、保育園にも認可と認可外があるとお伝えしました。この場合、認可保育園であれば、助成金を貰う事ができる為、経営をしていく上でも安全性が高いと言えます。その代わり、認可を受けなければなりませんから、それなりの要件を満たす苦労が重なります。
どのような学校法人や、幼稚園、保育園を作るかのビジョンをしっかりとイメージし、無事に創設に向けて頑張りましょう!
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