フランチャイズ契約の難しさや問題点について知ろう!
- フランチャイズ契約は非常に複雑な契約である
- 大手のフランチャイズでも問題を起こしている
- トラブルになりそうであれば、すぐに弁護士などの専門家に相談しよう
フランチャイズ契約とは、一般的にフランチャイザーがフランチャイジーに対して、標章や経営ノウハウなどを提供することで、事業を行う権利を付与する契約となります。このフランチャイズ契約には、準委任契約や賃貸借契約、民法上の契約が混合しており、有償双務契約及び継続的供給契約といった性質もある非常に複雑な契約となっています。
この複雑な契約は、法律の専門家である弁護士でしか、正確に内容などを説明できないといわれるほどです。また、その高度さゆえに多数の問題をはらんだ契約となっています。では、どういった問題点があるのでしょうか。
フランチャイズ契約は非常に複雑な契約であり、また、フランチャイザーとフランチャイジーという関係性では明らかな上下関係があるにもかかわらず、準委任契約といった形でお互いの独立したものとしての性格を持っているという、内容を一言で説明するのが難しい契約となっています。そのため、5つの問題点が存在することが知られています。
フランチャイズ契約において、フランチャイザーとフランチャイジーはお互いに独立した存在として規定されるものの、その情報量や契約の強さという点では、圧倒的にフランチャイザーに偏っている契約といえます。
そのため、フランチャイジーは、必然的にフランチャイザーによってコントロールされてしまうという側面があるのです。つまり、フランチャイザーが重要な情報を秘匿した結果、フランチャイジーが大きな損害を被るといったことも起こりえます。
そのため、フランチャイザーには十分な説明義務が設定されています。もし、フランチャイザーが十分な説明をせずに、フランチャイジーに損害を与えた場合、裁判などで責任を追及することが出来るのです。
フランチャイズ契約は、基本的に通常の取引契約や売買契約と比べて、はるかに強い契約関係が築かれています。この強い契約関係が、場合によっては独占禁止法上の問題とぶつかることがありえるのです。
A.十分な情報開示 B.取引面でのバランスと説明 C.抱き合わせ販売等の制限などについて、特に独占禁止法との関連性は強いのです。そしていわゆるセブン・イレブン事件というものがあるほど、裁判でもたびたび問題となっています。
フランチャイザーが、フランチャイジーによって自由意思で行われている見切り販売(消費期限が近付いている商品を割引で販売すること)について、フランチャイザーが大きな制限をした際に、独立した契約関係を逸脱すると判断され、公正取引委員会から是正措置命令が出されたこともあるほどです。
フランチャイズ契約において、多くの場合、ロイヤリティという形で、フランチャイジーはフランチャイザーに毎月、売上から決められた金額を支払うことになります。この際、売り上げをどのタイミングで確定するかは、会計処理上なかなか難しいものです。
そこで、取引により生じた債権や債務に対して、記帳のみを行い、定められた締め切り日に定期的に清算する仕組みを導入しているフランチャイザーが多くあります。この仕組みをオープンアカウントといいます。
しかし、このオープンアカウントでは、決済後の残高を繰り越して、次の支払日に支払えるようにすることが常態化していますが、実質上の債務となってしまうため、利息負担が付与されることが多いのです。この利息負担がフランチャイジーの経営状況を圧迫するという問題が指摘されています。
フランチャイズ契約においては、フランチャイザーとフランチャイジーは、お互いに独立した存在でありながらも、実質ではフランチャイザーに圧倒的な力が発生します。そのため、フランチャイジーにとって重要な情報でも、フランチャイザーにとってあまり知られたくない情報がある場合、秘匿されてしまう危険性があります。
これでは、独立した関係とは言えず、問題がある契約といわざるを得ません。特に、仕入れという点は、フランチャイザーを利用することが当たり前になっているフランチャイジーにとっても、その具体的内容を知りたいと考えるのは当たり前といえるでしょう。
この仕入れ代金の支払いについての情報は、必ずフランチャイザーはフランチャイジーに公開しなければならないとされています。
フランチャイズという仕組みにおいて、フランチャイジーが契約終了後にすぐに同じような業態で独立したり、あるいは違うフランチャイザーと契約したりしてしまった場合、フランチャイザーにとってはノウハウの流出であり、ビジネスプランの根幹が崩れかねない問題となります。
そこで、フランチャイズ契約の多くは、契約が終了した後も、一定期間の秘密保持義務や同業他社として独立することを禁止する条項が加わっています。これを競業避止義務と呼びますが、この範囲が合理性を超えているもの(一生独立を禁止するといった条項)は、公序良俗や職業選択の自由に反するものと考えられ、無効となる場合もあるのです。