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人材育成で会社が強くなり業績アップする話

ポイント
  1. 「教育」に関する様々な言葉の意味を整理し、取り組みの違いを確認
  2. 人材育成は経営者だけ社員だけの取組みではなく、全社的なゴールとプロセス設計が大事
  3. 育成のゴールは経営戦略とリンクし可視化(見える化)する

目次 [非表示]

ここでは人材育成とは、そもそもどのような事か、なぜ人材教育は難しいと感じるのか、など人材育成の基本とメカニズムについて説明します。
人材育成は会社規模に関係なく、創業期の1人会社でも、社員が1人から3人の会社でも、100人の会社でも、全ての会社で必要なことです。
何故、経営するのに人材育成が必要なのか、なぜ人材育成で会社が強くなり業績アップが出来るのかも併せて、ご紹介します。

教育に関する用語の整理

この後、人材育成について説明をします。
その際、人材育成という言葉の他に「教育」「学習」「訓練」など同類の言葉が様々あります。
まずは、その言葉の意味を整理します。

教育:教えて育てること。望ましい知識。技能、規範などの学習を促進する、意図的な働きかけの諸活動
教える:知識・学問・技能などを相手に身につけさせるよう導く。 ・育てる:おいたつ(次第に育つ)ようにする。成長させる。養                  育する。大きくなるようにする
              教え導く。しこむ。しつける
育成:やしないそだてること。立派に育て上げること
習う:繰り返して修め行う。教えられて自分の身につける(まなぶ)
学ぶ:まねてする。ならって行う。
              教えを受けて身に付ける。習得する。
              学問をする。勉強する。経験を通して見に付ける。わかる。
研修:学問や技芸などを磨きおさめること。現職教育
訓練:実際にあることを行って習熟させること。
             一定の目標に到達させるための実践的教育活動。
学習:学び、ならうこと。経験によって新しい知識、技能、態度、行動傾向、認知様式を習得すること、およびそのための活動
勉強:精を出して務めること。学問や技術を学ぶこと。様々な経験を積んで学ぶこと

覚える:自ずとそう思われる。感じる。意識する。心に思い浮かべられる。似る。
                  学んで知る。教えられて習得する。
                  忘れずに心にとどめる。記憶する。

※言葉の意味は広辞苑より引用

人材育成のメカニズム


人材育成のメカニズムを説明するにあたり、皆さんの先入観を一度クリアにして頂きます。

そこで人として一切のスキルを持っていない、生まれたての赤ちゃんを事例に人材育成の説明をします。

生まれたての赤ちゃんは自分自身で話すことも、歩くことも、食事をすることも出来ていない、真っ白な状態です。
この赤ちゃんに、スプーンを持って食事が出来るようにするには「教育」が必要です。
この教育は、赤ちゃん自身がするのではなく、お母さん(指導者)が行います。
お母さんが、赤ちゃんにして欲しい動作をして見せることで、赤ちゃんが真似を始めます。
これが「学ぶ」の始まりです。
赤ちゃんは「学ぶ」を繰り返した結果「習う」になります。
つまり「習う」には、相手にとって真似ができるようなお手本(指導者)が居て、継続的に繰り返し取り組める時間と、環境が必要になります。
この学んだことを、赤ちゃん自身が意欲的に更に知識を深めようと自主的に行う学びが「学習」で、本意ではないが学ばないといけない(いやいや感)で取り組むのが「勉強」です。

「学習」も「勉強」も赤ちゃん本人による取り組みです。

「研修」、「訓練」はお母さん(指導者)の目的が伴った取組みです。
例えば、まだ「ハイハイ」が上手に出来ないと思ったお母さんは、「幼児体操クラブ」なる「研修」に参加させます。
ここでは短時間で、講師による「ハイハイ」の仕方がレクチャーされ、赤ちゃんは「ハイハイ」できるコツを学びます。

「研修」は「○○できるようにしたい」という指導者の目的を達成する、短期集中の勉強会です。

ただ、「研修」はあくまでも、短期間でコツを学ぶものなので、その後自宅に帰って、継続的に「ハイハイ」が出来るような取り組みをさせないと、赤ちゃんはまた「ハイハイ」が出来なくなるかもしれません。

「研修」の場合、短期間で勉強させても、もとに戻ることが起きる可能性があります。
それに対して「訓練」は確実に身に付くまで取り組ませることが目的です。

どのような状況でも「ハイハイ」が出来続ける状況。
一人でトイレが出来るように…
一人でスプーンが使えるように…

継続的に繰り返し、繰り返し取り組み、身に付けるまで行うのが「訓練」です。

人の教育は「何となく取り組ませる」ものではなく、指導者の目的と学ぶ環境や取り組み時間を明確に決めて取り組むものです。

 

会社経営に人材育成はなぜ必要か

「経営理念を徹底活用で会社が強くなり業績アップする話」の中に
 『経営理念は会社・社員個人の進む方向性を示す「羅針盤」』という言葉があります。
詳しくはこちらをお読みください。

経営理念を徹底活用で会社が強くなり業績アップする話

この説明の通り、経営理念は会社(=1人1人の個人)の進むべき方向性を示すものであり、社員が仕事で目指すゴールでもあります。

経営者は自身の経験や学習を土台に、自分の現在地や、visionやmissionを成しえるために、何をすべきか自明です。
しかし、社員は経験してきたこと、仕事の中で活用できる知識も、技術も統一されておらずバラバラです。
ましてや事業に対するvisionやmissionは、経営者ほどの思いはないでしょう。

社員のバラバラな知識や技術、経営に対するvisionやmissionを、経営者と少しでも同じレベルにしていくことが社内教育です。

面接した時の感触のままで、個人の感性に任せて仕事をさせても、経営者が思い描いてる能力には到達しません。

新人でも、中途採用でも、20代でも50代でも、初めてあなたの会社に入り、あなたの望む成果を生み出す人材として活用を望むのであれば、あなた自身が「教育」する必要があります。

OJT研修の誤解

まず、2019年10月に厚生労働省が調査した「人材開発政策関係資料集」から、OJT研修の現状をご紹介します。
https://www.mhlw.go.jp/content/11801000/000554151.pdf
企業内研修の実施率を調査 「企業調査」が7,345企業、「事業所調査」が7,176事業所、「個人調査」が23,016人で、有効回答率は、「企業調査」が57.6%、「事業所調査」が65.5%、「個人調査」が54.1%です。
この資料内P23より 
OJT研修を重視する割合が73%を占めています。
 

P26の産業別実施譲許意を見ると、技能を用いる業種のOJT実施率が高い状況です。

反面、人材育成に関して問題意識を持っている企業も多いです。

ここで挙げられている、「指導する人が不足している」や「人材育成をしても辞めてしまう」という課題は、OJT研修について誤った認識から生じています。
OJT (On The Job Training)は、「職場内訓練」や「企業内教育」と呼ばれている社員の育成方法の1つです。
職場の上司や先輩が部下や後輩に対し具体的な仕事を与え、その仕事を通して仕事に必要な知識・技術・技能・態度などを意図的・計画的・継続的に指導し修得させることによって全体的な業務処理能力や力量を育成する活動です。(出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 OJTより)
つまりOJT研修は、業務処理能力や力量を育成すべく、「意図的・計画的・継続的に指導」することで、指導者の思い付きや、その時々の感覚で指導することではないのです。
OJT研修が計画的に行われていないことは、この資料のP29に「事業内職業能力開発計画作成の有無と作成方法」に関する調査でも明らかです。
 
「事業内職業能力開発計画」は75.4%の企業が作成していません。

この資料からもOJT研修は、先輩社員の采配で仕事をしながら後輩が指導を受ける様子が、伺えます。

「事業内職業能力開発計画」が無いと、指導者も指導を受ける社員も、「どこまで」というゴールが不鮮明です。

ゴールが見えないと、指導者の采配になります。
その指導者が「上手くいかない」と感じた事は、叱られ、なじられ、などの言動に繋がります。

しかし、指導を受ける社員としては、「何が」異なるのか理解が出来ませんので、叱責されることで、モチベーションが低下し、仕事する意識が減少する事があります。

何度教えても結果を出さない後輩に対して、先輩社員も教えることを嫌がるようになります。

このような状況では、効果的なOJT研修とは言えません。

OJT研修とはそもそも何か

改めてOJT研修とは、どのような事なのか、歴史を含め取り組み内容を説明します。

OJT研修は、1919年 第一次世界大戦時代に、米国の造船所で訓練責任者だった、チャールズ・R・アレンが、短期間で造船技術を習得できるように「4段階職業指導法」を開発しました。
これが、OJTの原点と言われています。

(出典:内田 恵里子、2016年、Off-JTと有機的に連環させたOJT学習モデルの提案 ―学習理論に基づいたOJT学習モデルの3類型―、北九州市立大学大学院社会システム研究科 博士(学術)学位請求論文より)

チャールズ・R・アレンが考えた「4段階職業指導法」

1.新人を配置


  安心して行うこと。彼らが仕事に関し、事前に何かを知っているかどうかを調べること。
  彼らに学習に対する興味を持たせること。適切な持ち場を与えること。
 

2.作業をして見せる


  注意深く、根気よく、説明し、見せ、図示し、そして質問する。
  キーポイントを強調すること。一度に1点ずつ、はっきりと完全に教えること。
  しかし彼らがマスターできる限度を、超えてはいけない。

 

3.効果を確認する


  彼ら自身に仕事をやらせてみる。彼らに説明させながらやらせること。
  彼らにキーポイントを説明させて示させてみること。質問し、正解をたずねること。
  彼らが理解したと判断できるまで、続けること。

4.フォローする


  彼らに、彼ら自身が必要なときにだれに質問したらよいか、質問の相手を判断させる。
  頻繁にチェックすること。積極的に質問するよう促すこと。
  彼ら自身に、その進歩に応じたキーポイントを見つけさせること。
  特別指導や直接のフォローアップを段々減らしていくこと

(出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 OJTより)

このように本来のOJT研修は、「指導の仕方」がシステム化されているのです。

学びがシステム化されない社内教育

チャールズ・R・アレンが考えた「4段階職業指導法」は、その後、第二次世界大戦中に、米国戦時人事委員会によって,企業の外で訓練するのではなく直接企業内の職場に入れて素人工を教育訓練する監督者向けのTWI(Training With in Industry)のプログラムに発展しました。

(出典:内田 恵里子、2016年、Off-JTと有機的に連環させたOJT学習モデルの提案 ―学習理論に基づいたOJT学習モデルの3類型―、北九州市立大学大学院社会システム研究科 博士(学術)学位請求論文より)

この訓練は戦時中人手不足になり、多国籍の人々、女性、若年者、年配者などの「素人工」でも、短時間で生産効率と品質を確保する為の現場の管理、教育方法として作られました。

日本では1950年に,労働省(現在の厚生労働省)によって製造業を中心に敷延されました。日本の製造業を代表されるトヨタもTWIを取り入れ、人材育成の成功に大きいな役割を果しました。「TPS-トヨタ生産方式」の基礎になった教育方でもあります。

更に、QCサークル活動などの指導法が日本に伝わってきていますが、その指導法が伝わったのは主に製造業です。

その他の産業でも、TWIやQCサークルなどの指導法が用いられたり、近年であれば、社員の意欲や行動を促進する、コーチングや、マネジメントなどの指導法が取り入れられています。

しかし多くの企業は、未だに江戸時代前からの「徒弟制度」のように、後輩が、先輩の仕事を「見まね」して、後輩自身で仕事を覚えるように促す指導法を用いています。

これが日本の「OJT研修」の現状です。

「徒弟制度」を用いた仕事の覚え方は、時間が掛かります。

 

学びがシステム化されて飛躍的成長を実現した例

この「徒弟制度」を用いた指導を廃止し、理論を用いた指導法で、劇的に指導時間を短縮し、成長を促した事例をご紹介します。

2002年 寿司職人になるための専門学校「東京すしアカデミー」が誕生しました。

一般的には、寿司職人になるには10年以上の修行が必要と言われています。

その10年の修行期間を半年で一人前の寿司職人に出来るとして、当時非常に話題になり、多くのマスコミで取り上げられていました。

あるニュースで「東京すしアカデミー」の開校にあたり、講師インタビューが流れました。

レポーターの方が
「本来寿司職人は10年ほどの修行期間が掛かると思うのですが、なぜ半年で一人前の寿司職人になれるのですか?」

講師 
「これまで、寿司職人になるには、学びの理論が存在しなかったので、先輩の動きを盗み、見よう見まねで習得するしか方法がありませんでした。それゆえ、膨大な時間が必要としました。今回その寿司職人になるための学びをシステム化し、理論化することで半年の訓練でも一人前の寿司職人になることが出来るのです。」

と、お話をされていました。

正に理論の無い「徒弟制度式OJT研修」からシステム化教育に変えることで、習得時間を短縮化した事例です。

※参考サイト:https://sushiacademy.lpf.jp/introduction

「徒弟制度式OJT研修」では、指導内容は、指導者の経験や人格に左右されることが多く、新人社員に対して、効果的に知識や技術の習得を行わせることが難しいです。

もし、皆さんの会社で「OJT研修」が上手くいっていないと感じているのであれば、それは「4段階職業指導法」が含まれていない、「徒弟制度式OJT研修」になっている可能性があります。
 

「徒弟制度式OJT研修」を卒業し新たな「OJT研修」へ

「OJT研修」を効果的に行うのであれば、「徒弟制度式OJT研修」を卒業することです。

もし「OJT研修」を、指導がシステム化されている「4段階職業指導法」へ切り替えとしたら、ポイントをまとめると、次のような内容になります。

1.新人を配置
(相手を知ること)

2.作業をして見せる
(自社の仕事を分解し、仕事を教える順位や難易度を決めておく)

3.効果を確認する
 (どこまでするか、どんな状況になるかを予め決める)

4.フォローする
 (3で決めた状況に対して、できたこと出来なかったことを確認し、アドバイスをする)

この内容に沿って教育内容を整理するだけでも、「OJT研修」は劇的に変わります。

 

「OJT研修」のカギを握るのは管理職

社内教育を考える場合、役職によって取り組むことが異なります。

経営者の役割

経営理念(vision、mission)を明確決める。
その経営理念を実現するには、どの様な知識と能力が必要なのかを決める。

経営者の役割は、育成の方向性や求める人物像などを「決める」ことです。

管理職の役割

経営理念を実現するには、いつまでに、どの程度の仕事を割り振り、経験させるかを考えます。
いわゆる「人材採用・育成計画書」を作成することです。

人材の採用・育成は事業計画に沿って考えます。
これは、経営者に継ぎ、会社の事業全般を見渡せる管理職でないと作成できません。

あなたの会社は「事業計画」に沿って、「人材採用・育成計画書」を作られていますか?「事業計画」を作成されても、その計画を実行する「人の動きに関する計画書」は作られていないのではないでしょうか?

本来、人の採用は、繁忙期に人手が足りなくなることを予測し、新たな人手を確保することが目的で行われていました。

繁忙期に人を入れても教える暇はありませんので、その1ヵ月から2ヵ月前の、閑散期に人を入れ、仕事を覚えさせてから繁忙期を迎えます。繁忙期前に「仕事を覚える」時間をつくることで、作業効率は高まりました。このように仕事の量と人の動きを計画的に考えることで、生産性が上がり増収にいたるのです。

あなたの会社のOJT研修も「事業計画書」を考慮しながら、採用のタイミング、育成の時期と教える内容が計画的に作成されていれば、人件費などのコスト計算や、増収予測も行いやすく「事業の実現率」も確実に高まります。

このような、プランニングは先を予測する経営者より、仕事の全体像が見え、ある程度業務経験が培われている管理者が適任なのです。

 

中間管理職

管理職が決めた「人材採用・育成計画書」の実行者です。いわゆる「OJT研修」の指導者です。

管理職が決めた「人材採用・育成計画書」が無ければ、この中間管理職の采配による指導になります。それにより、教えても育たない、人が定着しないという、「育成矛盾(育てているが結果が出ない)」状況が生まれます。
人材育成を効果的に行うには、中間管理職が誰であっても同じ時期に、同じ内容の指導をすることが必要です。

指導者による指導内容のばらつきを抑えるためにも、「人材採用・育成計画書」は非常に重要なのです。

このように、社内教育は階層ごとに役割と取り組みがあります。

経営規模が小さな会社は、まだ階層が出来にくいので、経営者が管理職の仕事や中間管理職の仕事を兼務するでしょう。しかし、社員が増え階層が出来てきたのに、経営者が「人材採用・育成計画書」を作成し、現場の指導をし続けると、管理職や中間管理職は自分たちの役割を放棄します。

「どうせ、自分たちがしても社長がするでしょう。」

と、考えるからです。

これも、社内教育が上手くいかない要因です。

それぞれの、役割を持たせ効果的に育成を実施するのであれば、階層を超えて他の役割には手を出さないようにすることも大事です。そのようなことを抑止するためにも、誰が、いつ、何をするかを「人材採用・育成計画書」に記入しておくと良いです。

人材育成の結果は可視化する

「4段階職業指導法」4番目の項目

4.フォローする
 (3で決めた状況に対して、できたこと出来なかったことを確認し、アドバイスをする)

と、あります。これは、仕事に対する評価にもなります。
「4段階職業指導法」では、単に1つの仕事に対してフォローすることを意味していますが、人材の育成は中・長期的な視点の評価が必要です。

デイビッド・マクレランドのコンピテンシー理論の職務遂行能力の構造 氷山モデル (Iceberg Model)というのがあります。この「氷山モデル」は、多くのモチベーション研修で用いられています。様々な説明がありますが、今回は次のような構造で説明をします。

行動は個人の性質や考え方、知識、能力の積み重ねによって、表面化されます。

人の土台ともいえる性格・資質は、比較的変化しにくく、開発が困難と言われています。
その社員の生まれた地域、育てた人たちの影響を受けて長年育まれるものです。

入社してからというよりは、採用時の適正検査などで把握し、自社の社風に合うのか、既存社員の方々のバランスを見ながら考慮する要素です。

その次に育まれるのが、意欲、考え方、態度、熱心さ、謙虚さ、公平さ、責任感などです。これらの要素は仕事の取り組ませ方などによって、入社後育むことが出来ます。

但し指導の仕方によって、変わることでもあります。特に「意欲」は「いつまでに」「何をする」という目標によっても大きく変わります。

この目標を人事の評価と考え、ある程度に目標が達成できたら、承認をされたり、場合によっては昇級、給与アップなどが与えられると「意欲」は持続しやすいです。

反面、指導者から「いつまでに」「何をする」と指示を受け、その通りに実行しても、「そこまで出来たら、ここまでもしなさい。」と、行動が承認されず目標がグレードアップすると「意欲」が減少します。

大事なことは、指導者と当事者社員と、「いつまでに」「何をする」を明確にし、双方の確認後、目標のグレードアップをするという、ステップを踏むことです。

このような、「いつまでに」「何をする」作業目標を指導者と当事者社員、双方で可視化(見える化)することが、非常に重要です。

例えば、定期的な管理職との面談や、経営者との面談の際に双方で「いつまでに」「何をする」を確認し、「人材採用・育成計画書」に織り込むと、より行動がしやすく、結果が把握しやすいです。

これを基に社員の成長を測っていくと、仕事の評価とも連動します。

この様な取り組みをすれば、知識や技術などのスキルは、日々の業務を通して習得がしやすくなり、行動ベースで社員の成長が測りやすくなります。

私個人としては、社員の評価は「いつまでに」「何をする」という作業目標を指導者と当事者社員、双方で決め期限までに現れたか否かで決まるものだと考えています。

難しい評価項目を作成し、管理職が悩みながら〇×を付け、当事者との認識の差によってお互いモヤモヤするような評価より、「いつまでに」「何をする」を決め、期日までに出来たか、出来なかったかで評価をした方が、シンプルで分かりやすいです。

人の「意欲」は行動の原動力です。

その原動力を左右する行動目標は指導者が一方的に決めるより、指導者と当事者の双方で決め可視化しておくことが重要です。

人材育成で会社が強くなり業績アップする話のまとめ

「人材育成で会社が強くなり業績アップする話」をまとめます。

・社内教育は、短期的に知識や技術の習得を目指す「研修」か、確実に知識や技術の習得を目指す「訓練」であること。

・社内で用いられている「OJT研修」は多くの場合、指導者の経験値によって指導内容が左右される「徒弟制度式OJT研修」になっている。

・社内教育を効果的に行うのであれば、「4段階職業指導法」を用いたOJT研修に切り替える。

・社内教育は階層ごとに、役割と取り組みがある。
 階層を超えて、役割と取り組みをすると、指導体系が崩壊し人材育成が上手くいかない。

・社内教育に取り組んだ結果は、当事者社員の行動で表れる。
 「いつまでに」「何をする」という目標を予め決めることが、社員の「意欲」に繋がり評価としても活用できる。

社員が経営者の望むような行動をしないのは、教え方だけでなく、「いつまでに」「何をする」という目標が決まっていないことが多いです。

更に、その目標が経営理念の実現とは、あまり関係のない目標になっていることも多いです。それでは、社員がいくら行動しても、増収に結びつかず、承認することも出来ない状況になります。

社内の行動目標は全て経営理念の実現として設定し、その目標に到達するよう指導、教育をしていきます。この様な教育活動に取り組めば、あなたの会社は、人材育成で会社が強くなり業績アップしていきます。

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著者プロフィール

権堂 千栄実

権堂 千栄実

中小企業サポートネットワーク(略称スモールサン)キャリア構築プロデューサー

1964年4月 宮城県石巻市生まれ 高校を卒業後、事務職から数回の転職後

1989年7月 日本ソフトバンク(現ソフトバンク株式会社)入社 営業事務で勤務

1993年10月 日本ソフトバンク退社後 OAインストラクターとして活動

1998年10月 結婚を機に福岡へ転居 翌年 長女 出産

2000年1月 派遣スタッフとしてOAインストラクターの仕事復帰

2003年3月 J-PHONE⇒Vodafone⇒SoftBankMobileのブランド移行時の研修プロジェクトに参加。本部研修開発チームのメンバーとして、研修カリキュラムの開発、資格試験の構築、評価試験の運営を5年間担当。

2008年2月 株式会社Campanula 設立
人材開発コンサルタントとして活動開始

社会人でも仕事の中で「初めて」なことがあります。
その「初めて」のことを「自分で出来る」ように、経験の積み重ねるには設計が必要です。

人の「初めて」を出来るように設計することは、事業計画と並列で考え取り組んで行くことです。その人の育成と活用を経営戦略としてご提案します。