経営者のためのマネジメント講座  相手をより成長させるための関わり

経営者としては、自分の代わりにマネージャーが社内の事を見て部下の指導をして欲しいと考えるのではないでしょうか?

しかし、マネージャーにとっては、経営理念や、Vision、Missionだけで自分で決断をしていいのか、自信が持てなければ経営者が想定しているように積極的なマネジメントは行いません。

これまでのまとめになりますが、マネージャーに積極的に社内の管理をしてもらいたいと考えるのであれば、マネージャーが行う仕事は、どこまでなのかどのような事は、自己判断することでどのような事は、経営者に相談をすることなのかある程度の範囲を示すことが大事です。

営業で新規のお客様を獲得してくる成績が良くても経営の判断や、社員を管理する判断基準が経営者と同じとは限りません。

マネジメントの最大のPointは経営者と同じ判断で、同じ行動が行えるようになることだと思います。
これは、数カ月では身につかない事でしょう。

社員をマネージャーに任命したのであれば、直ぐに経営者と同じ判断を要求するのではなく、ジャン・ピアジェの発生的認識論のように成長するまでに必要な、4つの段階的な経験を積ませるようにしていきます。

そのためには、社員から状況が話せるように経営者は質問をしながら、社員の話をよく聞きましょう。

この時、経営者の考えと異なる話が出ても直ぐに批判的な話をするのではなく、なぜ、そう考えたのか、更にその先にある考え方を聞き出します。

その上で、会社の方針とその行動があっているか?
その行動で、売上にどのように繋がると考えているのか?
などの、質問をしてマネージャー自身に行動の仕方を考えさせます。

この時点で、マネージャーの力量が分かるはずです。

考えさせて行動が出来る人なのか?

経営者が、何かしらヒントのようなことを話さないと行動できないかが浮き彫りになるでしょう。

この状況は、ジャン・ピアジェの発生的認識論でいう、周囲のサポートを受けて五感を使って仕事を覚える段階なのか、自分なりに仕事のイメージが出来る段階なのか、段取りをして周囲と協同できる段階なのか、これまでの知識や経験を使って応用できる段階なのか見極めができます。

この段階と照らし合わせて、マネージャーにどのような仕事を割り振るとどのように成長して如何が見えてきます。

成長の4段階を理解しておくだけで成長させる仕事の割り振りが考えやすくなります。
これは社員を成長させるための基準になります。

経営者がマネジメントについて難しいと感じることは社員に対する仕事の役割と範囲、方針の判断基準が不明確なことが多いです。

このことを、明確にするだけでもマネジメントは行いやすくなります。

是非、取り組んでみてください。
 

 

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著者プロフィール

権堂 千栄実

権堂 千栄実

中小企業サポートネットワーク(略称スモールサン)キャリア構築プロデューサー

1964年4月 宮城県石巻市生まれ 高校を卒業後、事務職から数回の転職後

1989年7月 日本ソフトバンク(現ソフトバンク株式会社)入社 営業事務で勤務

1993年10月 日本ソフトバンク退社後 OAインストラクターとして活動

1998年10月 結婚を機に福岡へ転居 翌年 長女 出産

2000年1月 派遣スタッフとしてOAインストラクターの仕事復帰

2003年3月 J-PHONE⇒Vodafone⇒SoftBankMobileのブランド移行時の研修プロジェクトに参加。本部研修開発チームのメンバーとして、研修カリキュラムの開発、資格試験の構築、評価試験の運営を5年間担当。

2008年2月 株式会社Campanula 設立
人材開発コンサルタントとして活動開始

社会人でも仕事の中で「初めて」なことがあります。
その「初めて」のことを「自分で出来る」ように、経験の積み重ねるには設計が必要です。

人の「初めて」を出来るように設計することは、事業計画と並列で考え取り組んで行くことです。その人の育成と活用を経営戦略としてご提案します。