社員に仕事をしてもらうには、仕事の役割や仕事の範囲、仕事に対する方針と方針を判断する基準について浸透させておくことが大事です。浸透させるには、定期的な教育と指導を行います。
この教育と指導を行うときに、相手が上手くできない事や不明点に関して、相手が自ら気が付くような情報を提供することがアドバイスです。
例えば、社員が契約書の作り方が分からないとします。この時に「〇〇を記入したのか?」「××は確認したのか?」と、経営者が思いつくことを一方的に話すのではなく、どこまで作成できているのか?何処がつまずいているのか?何が分からないのかを?社員から言わせます。
その上で、対処することの助言をします。助言は言いすぎず、社員が行動できるような情報を提供します。
アドバイスとは、社員が行動し経験を増やして、成長に至れることです。
社員が委縮し、行動ができなくなるような情報の提供の仕方がダメ出しです。
社員のすることに対して「なんで、〇〇しないの!だからダメなんだよ。」「なんで、××と考えてんの?考えが甘いんじゃないの!」というような情報の提供の仕方だと社員は委縮し、行動ができなくなります。
行動をしなければ、経験は高まらず全く改善されません。ダメ出しは、社員の成長を止めてしまいます。
さらに、ダメ出しは経営者と社員との信頼関係を壊してしまう可能性もあるのです。
社内方針に関する判断基準が明確ではない時、それぞれの解釈で仕事をしています。その解釈の違いで、状況を判断し「なんで、〇〇しないの!だからダメなんだよ。」「なんで、××と考えてんの? 考えが甘いんじゃないの!」と言ったとします。
しかし、社員からしてみれば「そうなら、初めからそう言ってよ。」とか「え、そういうことなの?好きに考えて良いっていうから、××だって考えたのに。全然好きに考えて良いわけじゃないじゃん。」と、経営者に対して不信感を募らせてしまいます。
これは、経営にとって非常にマイナスな状況です。経営者にしてみれば、社員の成長を考えて話したことでもダメ出しになると、効果がマイナスになります。
まずは、経営者が社員に対して、どうなって欲しいと思っているのか、仕事の役割や範囲、方針に関する判断基準を明確に示す。その上で、社員自身が自ら行動して成長に至れるような情報を示すアドバイスをしていきましょう。