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新しく会社を立ち上げたり、事業を始めたりすることは必ずしも、大ギャンブルではない。
むしろ無理に大冒険することもなく、確実なところから攻めて、拡大していく成功例もある。
今回紹介する西尾さんもその一人。治療家として3店舗を抱える現在だが、最初、店で働いていたのは2人だけ。手堅く徐々に数を増やしていったのである。
そんな西尾氏に、経営のコツと出会った苦難について語ってもらった。
小顔矯正、不妊治療も。知られざる整体の世界
今日はよろしくお願いいたします。まずは、西尾さんのお仕事について教えてください。
助っ人編集部
西尾 正範
鍼灸整骨院と整体院をやっています。施術をして、肩こりや腰痛のサービスの他、不妊治療や小顔矯正をサービスもしています。6年前に独立しました。
西尾 正範 治療家として16年、4万人以上の施術実績。『悩みを希望に変える』という理念で腰痛、肩こり、不妊症改善サポートを整骨院、整体院3院で行う。リピート率90%の根本改善整体師のスタッフ育成も得意とする。
もともと専門学校などで学ばれていたんですか?
助っ人編集部
西尾 正範
はい。専門学校は3つ行きました。最初は整体。整体は国家資格ではないんです。そこで、もっと勉強したほうが良いと思って、柔道整復師とか鍼灸師とか国家資格のある施術の勉強もしました。
お客さんはどういう方が多いんですか?
助っ人編集部
西尾 正範
割と若い方が多いですね。30代くらいで、肩こり腰痛、その次の頭痛とか、自律神経症状、めまい、そういった内科的な症状の方が来ます。高齢者や若い学生は少ない。
どのようなプランがあるんでしょうか?
助っ人編集部
西尾 正範
西尾:メニュー構成はそんなに揃えてないです。「これを受けてください」という基本コースがひとつと、「不妊治療」「美容の小顔矯正」の3つです。
イ:基本コースというのは、どういうことをやるんですか?
助っ人編集部
西尾 正範
ゆがみの矯正、整体をします。脳脊髄液というものが脳と背骨の中に流れているんですが、その液体がちゃんと良い状態であれば良くなるんです。まずはその調整を行うためのコースです。
整体って、何回くらい通うと整うものなんでしょう?
助っ人編集部
西尾 正範
生理学的なサイクルとしては、3か月でいろいろなものが入れ替わるといわれています。
ある程度よくなってくると思うので、6か月くらいみてもらいますね。
整体って奥が深そうですね。美容や不妊にもつながるのを初めて知りました。
助っ人編集部
他店との差別化は、オンライン上での集客作戦
他の店舗との違いは何ですか?
助っ人編集部
西尾 正範
違いというか意識しているのは、お客さまにはなぜ必要なのかを説明することと、ビフォーアフターで検査をおこなって変化をわかりやすくお伝えることです。
そのほかに、集客やマーケティングも同じだけの重要度で考えています。
集客方法はどのようにしていますか?
助っ人編集部
西尾 正範
メインはオンラインなので、SEO対策(検索エンジン最適化)やPPC(クリック報酬型広告)もやっています。それから、口コミサイトも。前まではエキテンが強かったが、今はEPARKというのが強いですね。
皆さん結構それを見てこられる?
助っ人編集部
西尾 正範
多いですね。ポイントとかもあるので、そうするとEPARKに登録しているところで探して、という人もいますよ。月額2万円くらいで、予約が入ったら1件につき20%の手数料なんです。
WEBサイトのSEOはどんなことをやりましたか?
助っ人編集部
西尾 正範
6年前は知識もなかったので、ひたすらページ数を増やしたりするだけでしたね。治療院や整体院向けのWEBのコンサル講座があって、そこで勉強しました。
そうすると半年くらいで、すぐに効果は出ました。おそらく、周りがあまり力を入れていなかったので。
少人数だからこそ、課題は人材育成
会社は何人くらいいるんですか?
助っ人編集部
西尾 正範
11名です。社員は9名。お店には、施術できるのは僕ひとりで、もうひとりは電気を付けたりする、受付の方です。日替わりで2人入ってもらっています。
採用は店舗ごとに行っているんですか?
助っ人編集部
西尾 正範
もともと僕のいる朝霞の本院で採用して、育ててから他店舗に出すという形で行っています。
経営課題として人材問題があるというのをよく聞きますが、西尾さんにもそれはありますか?
助っ人編集部
西尾 正範
人材の課題は確かにあります。必要なときに採ろうとすると大変です。ちゃんと育てていけるように、窓口を広げておかないと。
優秀な人は残ってもらいたいですが、可能性にも挑戦してもらいたいので、卒業してまた新しい人を入れるというように、循環してもらいたいというのもある。葛藤ですね。
優秀な人ほど残ってもらいたいですもんね。
助っ人編集部
西尾 正範
はい、福利厚生の一環として、外部に研修で数十万円くらいするので行かせてあげたりします。それから、店舗内で同じポジションだと飽きてくるので、ポジション与えて成長してもらうというのもひとつです。
そういった意味でも新しいお店をだしていく必要があるということですね。今新しいお店は順調ですか?
助っ人編集部
西尾 正範
はい。ここから増えて行くのは、人さえ確保できれば、そんなに難しくないと感じています。
一番の苦難は立ち上げ当時
立ち上げのときの資金はどうされた?
助っ人編集部
西尾 正範
最初の立ち上げは100万しか手持ちがなかったので、1000万借り入れました。
それは自分で申請するんですか?
助っ人編集部
西尾 正範
開業支援をしてくれる団体があるので、そこに相談して信金に借りました。
運営を実際に始めて、失敗したことは何かありますか?
助っ人編集部
西尾 正範
僕はあまり挑戦するタイプじゃないので大きな失敗はないんですが、開業支援コンサルの選び方を失敗したのは大きかったですね。
その人が軸となって内装業者などを紹介してくれるんですが、あとで調べたら、金額がだいぶ高かったことがわかったんです。つまりその人に利益が入っていた。
情報の調べ方が甘かったなと反省しましたね。内装自体でいうと450万くらいはかかったので、少なくとも100万は落とせたなと思っています。
最初は金額感もわからないですよね。
助っ人編集部
西尾 正範
それから、営業の電話とかがすごく来ました。WEB関係に関しては少し勉強していたので、SEOのリンクなどの勧誘は断れましたが、他のはなかなか断れなくて……。
具体的に言うと、どういう営業だったんですか?
助っ人編集部
西尾 正範
「これだけ払ってもらえたら集客しますよ」とか「何人保障しますよ」というものです。でもこれでクレジット会社は通せないため、HPを作ったということで契約を通すんですよ。そしたらそのうち全然お客さんが来なくなって、その会社もなくなってしまったんです。
わあ、ひどいですね……。
助っ人編集部
西尾 正範
クレジット会社に連絡したところ、HPは納品されているので契約は成立していると。もともとそういうものだったみたいで、詐欺っぽい感じですよね。60万くらいの損失でした。
営業のものを安易に受けてしまうと痛い目にあうという教訓ですね。
助っ人編集部
■仕事を続けるコツは、自己犠牲なく仕事をすること
仕事をしていく上で、大事にしていることをあげるとしたら何ですか?
助っ人編集部
西尾 正範
さっきお伝えした、「人材」と「ウェブ周り」は仕事をする上で、特に大切なポイントだと主もいます。もうひとつ大切なのは、商売に限らず、「自己犠牲をしない」ことを考えています。
最初は自己犠牲をしていたことで家族から不満が出たりもしました。
そうすると、結果的に事業がうまくいかなくなる。 ですから「自己犠牲なく仕事をする」ことを意識しています。最初は仕事にウエイトを置きすぎましたが、今はけじめもついてきたと思います。
家族との時間も大切ですよね。3年後、5年後のプランは何かありますか?
助っ人編集部
西尾 正範
ずっと前からの課題なんですが、僕は遠いところのビジョンが出ないんですよ。やり始めたときもそうだし、今も数年後のビジョンなどは特にない。持ちたいなとは思っています。
それもあって、チャレンジャーズさんに関わらせてもらって、自分が熱を込めてできるものを探しているという感じですね。
そういうことで新たな出会いと発見があり、ビジョンが見つかってくるんですね。
今日はお話いただいてありがとうございました。
助っ人編集部