フランチャイズの種類別の特徴!

ポイント
  1. フランチャイズについて
  2. フランチャイズ店での事例
  3. フランチャイズ経営のノウハウ

目次 [非表示]

唐突ですが、1日の生活の中で、どのくらいの回数フランチャイズ店を利用していますか?お昼ごはん購入の為にコンビニに行く。晩御飯の食材を調達にスーパーに行く。コインランドリーで洗濯をするなど、私たちは生活の様々なシーンでフランチャイズ店を利用しており、その存在は欠かせないものとなっております。ですが、そもそもフランチャイズとは何でしょうか?フランチャイズにはどのような種類があるのでしょうか?
今回は、フランチャイズの基本的な説明からタイプ別の特徴、出店する際のリスクに関して、わかりやすく且つ簡潔に説明していきます。

そもそもフランチャイズとは?

事業を広げたい企業が、事業のノウハウを別の事業者に提供し、統一した看板を使って、事業を展開することをフランチャイズと呼びます。大元の企業をフランチャイザー(フランチャイズ本部)、その方針やノウハウから事業を行うフランチャイジー(加盟店)といいます。その両者が契約を結ぶことをフランチャイズ契約といいます。
高いリスクを伴う起業ですが、その中でもフランチャイズによる起業に関しては、比較的成功率が高いといわれています。

大きく分けてフランチャイズは3タイプ!

フランチャイズは大きく分けて以下の3タイプに分類されます。

ファミレスや定食屋などの飲食業タイプ

コンビニを代表とする小売業タイプ

塾や英会話教室などのサービス業タイプ

それぞれのタイプによって、開業する際の必要資金、お店の運営方法が異なってきます。自分がどのタイプでの開業が合うのか、絞ることでより検討しやすくなります。
ではそれぞれのタイプ別の特徴について、下記で説明していきます。

 

小売業タイプ

商品を生産者や卸業者から仕入れ、消費者に対して販売します。この小売業タイプで最も店舗数が多いのがコンビニです。それ以外には、スーパーや書店など、様々な商品を売るものから、金券ショップやゴルフショップなどの専門店まであります。

本部には、それぞれの店舗での売上データがあります。その為、売れ筋商品を簡単に知ることができます。また商品の仕入れに関しても、本部で多くの商品を仕入れている為、個人店よりも仕入れ価格を抑えることができます。また、運営に必要な設備に関しても、本部のサポートの基、揃えることができます。

デメリットとしては、店舗数が増えすぎ、飽和状態になっていることです。またネットショッピングの配送時間短縮化により、今後より小売店の経営は難しくなってくると予想されます。

小売業タイプの例

コンビニ

ローソン、セブンイレブン、ファミリーマート

買取・リサイクル

大黒屋、BOOK OFF、セカンドストリート

家電量販店

エディオン、joshin

100円ショップ

ダイソー、セリア、キャンドゥ

各種専門店

パリミキ、はんこ広場、ゴルフパートナー

 

飲食業タイプ

本部から食材を仕入れ、調理を行い提供します。現在身の周りに多くある、定食屋、カフェ、居酒屋などの多くはフランチャイズのチェーン店になっています。
食品はその場で消費されることから、収支計算がしやすいとも言われます。

有名店のブランド力のある看板を持てる事や経営ノウハウ、調理レシピを知る事ができます。必要な食材に関しても、本部が大量に購入している為、安価での調達が可能になります。また、テイクアウト専門店であれば、少ない坪数での開業ができる為、費用を抑えることができます。

一方デメリットとしては、飲食業界は様々な企業が参入している為、競争が激しいことが挙げられます。また、最近では中食の増加により、外食人口の減少も進んでいます。

飲食業タイプの例

ファストフード

マクドナルド、なか卯、ピザハット

居酒屋

浜焼太郎、赤から、一軒め酒場

レストラン

カプリチョーザ、CoCo壱番屋、ココス

カフェ

コメダ珈琲店、サンマルク、タリーズ

その他飲食

ほっともっと、ビアード・パパ、銀のさら

 

サービス業タイプ

上記の2タイプは消費者にモノや食品などの実体のあるものを提供しますが、このタイプでは形のないサービスを提供します。身近なものでは、学習塾や美容院、漫画喫茶などがあげられます。専門的な知識が無い未経験者でも加盟できる業種もある為、新しく学びながら開業することができます。

このタイプの最大のメリットは、在庫を持たない事です。その為、在庫リスクが発生せず、そもそも店舗を持たずに運営できる(ハウスクリーニングなど)業種もあります。
また、自宅をお店として使う(美容院など)業種もあります。3つのタイプの中で最も少ない資金で開業することができます。

デメリットというわけではありませんが、サービスの提供のみだからこそ、その品質を向上させていくことに力を入れる必要があります。売上が上がるかは、従業員の能力次第になります。

サービス業タイプの例

学習塾・家庭教師

明光義塾、KUMON、家庭教師のトライ

ハウスクリーニング

おそうじ本舗、ダスキン、おそうじ革命

リラクゼーション・美容・整体

ドクターネイル、JOYFIT、てもみ屋さん

介護・デイサービス・訪問看護

レコードブック、メディカルフレッシュ、だんらんの家

幼児教育・保育園

忍者ナイン、保育所ちびっこランド、WinBe

 

フランチャイズ経営の失敗リスクは?

実際にフランチャイズによる起業をし、経営することには、当然リスクが伴います。特に現在は、上記の全てのタイプにおいて競争が激化しています。また最近のニュースでは、コンビニ業界の国内年間出店数の大幅な減少が報じられました。この原因は、日本国内の都市部に限らず、あらゆる場所で出店しつくしてしまった為と考えられます。

これまでは、脱サラしてセカンドキャリアにフランチャイジーオーナーとなる方が多くいました。しかしこれからは、より慎重にどのタイプで出店するのか、競合はどこで、どんな差別化を図るのかなど、本部に頼りきりにならず、自ら深く考えなければならないです。

フランチャイズの失敗例としては、競合店の出店やネットショッピング人口の増加などの外部要因、従業員の教育や確保の難しさなどの内部要因に分かれます。また、そもそも自分は経営者としてふさわしい人物なのか、見つめ直す事も非常に重要です。そして出店を考えている地域ではどのようなニーズがあり、その上でどのような業種が好まれるのか、情報収集・分析を徹底的に行い、リスクを減らすことが重要です。また必要であれば、経営やリサーチの専門家に相談しましょう。

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各タイプのオーナーにインタビュー

実際に、各タイプのフランチャイズ店のオーナーにインタビューさせていただきました。どのオーナーも、もともとの仕事より苦労はあるものの、充実した生活をしているとのことでした。また快く取材を受けていただき、1時間以上お邪魔させていただきました(笑)

 

小売業タイプ:50代男性(100円均一コンビニのオーナー)

私は、このコンビニ企業の元社員で、当時から今経営している店舗の店長でした。だいたい8年前に、この店舗のフランチャイズ化の話があり、もともと独立志向だったこともあり、起業に踏み切りました。

見慣れた場所と店舗でそのまま開業できたので、他のフランチャイズとの比較はしていません。ただ、場所に関しては、自分で決めることができ、他の場所での開業でも可能だったのですが、今の店舗の立地が大学前ということもあり、この場所に決定しました。コンビニフランチャイズのメリットは、やはりブランド力だと思います。このコンビニの名前があるからこそお客さんは安心して買い物ができているのだと思います。

また、個人店と違い、1から仕入れをしなくてもいいというのもメリットですね。本部に月の粗利益から何パーセントと決められた額を納めれば、仕入れのコストはかからないというのはかなり大きいです。特に当店は広いので、商品を一通り置くことができ、本来ならば、仕入れで700万円くらいはかかりますので。また、賃貸であれば、賃料も本部が負担してくれます。

デメリットとしては、人を集めることが難しいということです。特に夜勤となると、より集まらないですね。最初の内は、自分が店頭に立って働くことの方が多かったです。
直営店であれば、決まった時間働いて、決まった給料がでるので、それの方が良いと感じる方にはフランチャイズは向かないです。
一方で、自分でどうすればお客さんが来るのか、どうすれば人が育つのかを考える事ができて、独立意欲が高い人にはおすすめです!

 

飲食業タイプ:30代女性(お弁当販売店オーナー)

私はもともとデパートの販売員をしていました。その後結婚してからも数年続けていたのですが、“なにか新しいことに挑戦したい!”とずっと考えていました。

そして、これまで培ってきた接客の能力が生かすことができ、自分がお店を育てることができるお弁当屋さんのフランチャイズを選びました。また、近年の中食市場が伸びているということから、他のフランチャイズよりも将来性を感じました。なにより、他のフランチャイズよりもかなり費用が少なかったのも決めての一つです。

夫には猛反対されましたが、「全部自分でお金を出すし、家事もこれまで通りやるから、やらせて!」と言ってなんとかやらせてもらうことできました(笑)
結局は、家事も分担してやる事になったのですが……。

私は、直営店の店舗をフランチャイズとして引き継ぐ契約をしました。なので、物件の費用、設備費用、内装・外装費用を全て本部側に出していただいたので、初期投資としては、フランチャイズの加盟金の200万円だけで始めることができました。また引き継ぎだからこそ、そのまま従業員の方に残ってもらい、求人の手間が不要でした。前の店長さんが教育熱心だったので、とても助かりました。

これは愚痴になりますが、本部に支払うロイヤリティが良い意味でも悪い意味でも計算が見事だなぁと思います。私の契約では粗利の額に応じて支払うロイヤリティが、300万円までは何%、300万~450万円までは何%、それ以上が何%のように決まっています。粗利の額が大きくなるほど、支払うロイヤリティが下がるので、多く売らないと儲からないです。さすがに何%かは話せませんが、その割合が見事に“生かさず、殺さず”だなぁと思いますね(笑)

 

サービス業タイプ(小売業タイプも含む):20代男性(自転車のリペア、販売店オーナー)

僕は自転車が学生時代から好きで、サイクリングサークルにも入っていて、日本一周もしたりしていました。ただ、就職活動になり、さすがに自転車で食べていくのは難しいと思い、自動車ディーラーで働いていました。

その職場は、給料も悪くなく、営業も性に合っていたので、苦に思う事無く働けました。そのまま2年間働いたのですが、“このまま自動車を販売して生きていくのかぁ”と考えると、違和感がありました。そこで自分の人生をなんとなく振り返ってみると、学生時代の自転車漬けの日々がとても楽しかったなと思いました。

自分が好きなものを仕事にして生きていくなんて理想論だと思って、就職活動していた時には諦めましたが、改めて本当にそうなのかなと思い、調べてみました。そうしたら、フランチャイズでの開業が出てきました。いくら自転車好きとはいえ、修理の技術がそこまであるわけではないし、経営ノウハウなんて全くないので、開業するにしてもフランチャイズがいいのかなと思いました。

開業する時のネックになったのは、やはり開業資金です。約500万円ほどなので、他のフランチャイズに比べると安いですが、大金に変わりはないので、かなり迷いました。
ただ若い内ならまだやり直せると思い、思い切ってやってみようと決断しました。幸いなことに、商店街の中という好立地での開業ができ、買い物帰りの主婦のみなさんが寄ってくれています。なにより、今までの仕事と違い、販売したら終わりではなく、販売してからがスタート。お客さんとの距離が近い為、いい関係を保つ努力はかかせないです。

特に僕はまだ社会経験が少ないからこそ、本部の方のアドバイスにとても助かっています。
なにかあったらすぐに連絡できるので、心強いです。

今の仕事でいいのか迷っている人は、一つの手段としてフランチャイズを考えてみるのもいいのかなと思います。若い人はとくに挑戦するなら今の内ですよ!

まとめ

フランチャイズについて、その種類やリスクについて説明させていただきました。今回の内容を下記にまとめましたので、確認としてご覧ください。

フランチャイザー(大元の企業)が、フランチャイジー(加盟店)を増やすことにより、事業を拡大することをフランチャイズといいます。フランチャイジーとしては、個人で起業するよりも、リスクを減らすことができます。

フランチャイズには、
・小売業タイプ(商品を仕入れ、消費者に販売)
例)コンビニ、スーパー、書店、金券ショップなど
・飲食業タイプ(食材を仕入れ、調理して提供)
例)ファミレス、ラーメン店、弁当屋、定食屋など
・サービス業タイプ(形のないサービスを提供)
例)学習塾、美容院、漫画喫茶、ハウスクリーニングなどの3つのタイプがあります。

フランチャイズ経営には様々なリスクがあります。主な失敗例として、競合店の出店やネットショッピング人口の増加などの外部要因、従業員の教育や確保の難しさなどの内部要因に分かれます。それらのリスクを回避する為には、入念な情報収集・分析を行いましょう。

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