外国人を雇用する際のビザと在留資格について理解しよう

ポイント
  1. 外国人が日本にいるには在留資格が必要
  2. 在留資格やビザをプロが解説

目次 [非表示]

在留資格の種類とできることを理解しよう

ここからは無事に入国できた外国人の目的やスキルによって割り当てられることになる在留資格について見ていくことにしましょう。

現在、日本は在留資格が27個に分かれています。そして在留資格の中には日本で労働することが可能なものもあれば、労働することを禁止されている在留資格もありますので、外国人を労働者として雇用しようと考えている経営者であれば労働することができる在留資格と労働することのできない在留資格は最低限でも理解しておくことが、雇用後のトラブルを防ぐためには最低限必要なことであると言えるのではないでしょうか。

注意!!労働者として雇用してはいけない在留資格を把握しよう

まずは27個の在留資格の中で働くことができない5つの在留資格について理解しておきましょう。外国人労働者を雇用したいと考えている経営者は以下の5つの在留資格の外国人の方であれば雇用できないことを理解しておくようにしてください。

◆文化活動・・(例)日本文化の研究者など
収入を伴わない学術上若しくは芸術上の活動又は我が国特有の文化若しくは技芸について専門的な研究を行い若しくは専門家の指導を受けてこれを修得する活動が文化活動に当たります。(在留資格の中に含まれる留学・研修の項に掲げる活動は除かれます)

◆短期滞在・・(例)観光客や国際会議などで日本を訪れる人
本邦(日本のことです)に短期間滞在して行う観光、保養、スポーツ、親族の訪問、見学、講習又は会合への参加、業務連絡その他これらに類似する活動が短期滞在に当たります。

◆留学・・(例)大学・短大・高専などの学生
本邦の大学,高等専門学校,高等学校(中等教育学校の後期課程を含みます)若しくは特別支援学校の高等部,中学校(義務教育学校の後期過程及び中等教育学校の前期課程を含みます)若しくは特別支援学校の中学部,小学校(義務教育学校の前期過程を含みます)若しくは特別支援学校の小学部,専修学校若しくは各種学校又は設備及び編制に関してこれらに準ずる機関において教育を受ける活動が留学に当たります。

◆研修・・(例)研修生など
本邦の公私の機関により受け入れられて行う技能等の修得をする活動(この表の技能実習1号,留学の項に掲げる活動を除きます)

◆家族滞在・・(例)就労している外国人等が扶養する配偶者や子供
教授から文化活動までの在留資格をもって在留する者(技能実習を除きます)又は留学の在留資格をもって在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動が家族滞在に当たります。

就労可能な在留資格を把握して有能な外国人を雇用しよう

ここからは外国人を雇用する場合に必要となる在留資格を紹介していきます。外国人を雇用したいと考える場合には以下の在留資格があるかどうかを確認するようにしましょう。

※説明文に関しては入国管理局のホームページより引用しています。

◆外交・・(例)大使・公使・総領事などとその家族
日本国政府が接受する外国政府の外交使節団若しくは領事機関の構成員、条約若しくは国際慣行により外交使節と同様の特権及び免除を受ける者又はこれらの者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動が外交に当たります。

◆公用・・(例)外国政府の職員等とその家族
日本国政府の承認した外国政府若しくは国際機関の公務に従事する者又はその者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動(「外交」の項に掲げている活動は除かれます)が公用に当たります。」

◆教授・・(例)大学の教授や講師など
本邦の大学若しくはこれに準ずる機関又は高等専門学校において研究、研究の指導又は教育をする活動が教授に当たります。

◆芸術・・(例)画家・作曲家・作家など
収入を伴う音楽、美術、文学その他の芸術上の活動(「興行」の項に掲げる活動を除く)が芸術に当たります。

◆宗教・・(例)外国の宗教団体から派遣される宣教師など
外国の宗教団体により本邦に派遣された宗教家の行う布教その他の宗教上の活動が宗教に当たります。

◆報道・・(例)外国の報道機関の記者、カメラマンなど
外国の報道機関との契約に基づいて行う取材その他の報道上の活動が報道に当たります。

◆高度専門職・・(例)ポイント制による高度人材
1号

高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合する者が、行う次のイからハまでのいずれかに該当する活動であって,我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるもの

イ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導若しくは教育をする活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営し若しくは当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導若しくは教育をする活動

ロ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動

ハ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動

2号

1号に掲げる活動を行った者であって,その在留が我が国の利益に資するものとして法務省令で定める基準に適合するものが行う次に掲げる活動

イ 本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導又は教育をする活動

ロ 本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動

ハ 本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動

ニ 2号イからハまでのいずれかの活動と併せて行うこの表の教授,芸術,宗教,報道,法律・会計業務,医療,教育,技術・人文知識・国際業務,興行,技能の項に掲げる活動(2号のイからハまでのいずれかに該当する活動を除く。)

◆経営・管理・・(例)企業等の経営者や管理者など
本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除きます)が経営・管理に当たります。

◆法律・会計業務・・(例)弁護士や公認会計士など
外国法事務弁護士,外国公認会計士その他法律上資格を有する者が行うこととされている法律又は会計に係る業務に従事する活動が法律・会計業務に当たります。

◆医療・・(例)医師・歯科医師・看護師
医師,歯科医師その他法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務に従事する活動が医療に当たります。

◆研究・・(例)政府関係機関や私企業等の研究者
本邦の公私の機関との契約に基づいて研究を行う業務に従事する活動(この表の教授の項に掲げる活動を除きます)が研究に当たります。

◆教育・・(例)中学校・高等学校等の語学教師等
本邦の小学校,中学校,義務教育学校,高等学校,中等教育学校,特別支援学校,専修学校又は各種学校若しくは設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関において語学教育その他の教育をする活動が教育に当たります。

◆技術・人文知識・国際業務・・(例)機械工学等の技術者,通訳,デザイナーなど
本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学 その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(この表の 教授,芸術,報道,経営・管理,法律・会計業務,医療,研究,教育,企業内転勤,興行の項に掲げる活動を除きます)が技術・人文知識・国際業務に当たります。

◆企業内転勤・・(例)外国の事業所からの転勤者
本邦に本店,支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行うこの表の技術・人文知識・国際業務の項に掲げる活動が企業内転勤に当たります。

◆興行・・(例)俳優,歌手,ダンサー,プロスポーツ選手等
演劇,演芸,演奏,スポ―ツ等の興行に係る活動又はその他の芸能活動(この表の経営・管理の項に掲げる活動を除きます)が興行に当たります。

◆技能・・(例)外国料理の調理師,スポーツ指導者,航空機の操縦者など
本邦の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動が技能に当たります。

◆技能実習・・(例)技能実習生
1号

イ 本邦の公私の機関の外国にある事業所の職員又は本邦の公私の機関と法務省令で定める事業上の関係を有する外国の公私の機関の外国にある事業所の職員が これらの本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所の業務に従事して行う技能等の修得をする活動(これらの職員がこれらの本邦の 公私の機関の本邦にある事業所に受け入れられて行う当該活動に必要な知識の修得をする活動を含む。)

ロ 法務省令で定める要件に適合する営利を目的としない団体により受け入れられて行う知識の修得及び当該団体の策定した計画に基づき,当該団体の責任及び監理の下に本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関の業務に従事して行う技能等の修得をする活動

2号

イ 1号イに掲げる活動に従事して技能等を修得した者が,当該技能等に習熟するため,法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関において当該技能等を要する業務に従事する活動

ロ 1号ロに掲げる活動に従事して技能等を修得した者が,当該技能等に習熟するため,法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関 において当該技能等を要する業務に従事する活動(法務省令で定める要件に適合する営利を目的としない団体の責任及び監理の下に当該業務に従事するものに限ります)

◆特定活動・・(例)外交官等の家事使用人,ワーキング・ホリデーなど
法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動が特定活動に当たります。

◆永住者・・(例)法務大臣から永住の許可を受けた者(「特別永住者」は除きます)
法務大臣が永住を認める者が永住者に当たります。

◆日本人の配偶者等・・(例)日本人の配偶者・子・特別養子
日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者が日本人の配偶者等に当たります。

◆永住者の配偶者等・・(例)永住者・特別永住者の配偶者及び本邦で出生し引き続き在留している子
永住者等の配偶者又は永住者等の子として本邦で出生しその後引き続き本邦に在留している者が永住者の配偶者等に当たります。

◆定住者・・(例)第三国定住難民,日系3世,中国残留邦人等
法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者が定住者に当たります。

ーこちらも合わせてお読み下さいー
日本で働く外国人労働者の状況をデータから考えてみよう

まとめ

外国人を雇用するには在留資格には十分に注意をしなければいけません。滞在期間が過ぎて居たり、会社に申告した在留資格が異なっていたりして後になって問題にならないように十分に情報を収集して外国人を労働者として雇用するようにしてください。

おすすめの関連記事

ー外国人の雇用を考えている方ー
外国人を雇用する際のメリットとデメリットを理解して雇用を考えよう

ー社会保険も重要、情報を総まとめー
社会保険の対象者は誰になる?総まとめ編

関連記事