4倍で成長する組織の作り方〜【第2回】自分で限界を作らない!挑戦的で野心的目標を立てる

ポイント
  1. ムーンショットを目指す
  2. OKRは挑戦的、野心的でなければならない
  3. ゲームチェンジャーになるためには

OKR(Objectives and Key Resultsは、Google、facebook、Twitter、Airbnb、そして、日本でもメルカリ、サンサンなど、多くの成長企業で採用されている目標管理の手法です。起業からわずかな期間で急成長を果たしたこれらの企業の共通項であるOKRは、どのようにして彼らの成功を支えているのでしょうか。

ムーンショット


第二次大戦以降、宇宙開発競争がアメリカと当時のソビエト連邦との間で激化していました。しかしながら、有人月面着陸を先に成功させたのは、ご存知の通りこの競争で後れを取っていたアメリカでした。なぜ、アメリカはこの開発競争に勝ち、先に月面着陸を成功させることができたのでしょうか?

実は、この最大の要因は目標設定にあると言われています。1961年5月、ジョン・F・ケネディ大統領が宣言した内容は、当時の常識からすると到底達成できないと思えるものでした。“10年以内に月面に人類を着陸させ無事に地球に帰還させる”この宣言は、当時の常識、技術レベルから非常にかけ離れた、壮大で困難な目標でした。しかしながら、この目標を立てたことで、実現に向けて努力と英知が結集され、宣言から8年後の1969年7月、アポロ11号によって人類初の月面着陸が成し遂げられました。

月面着陸の成功にちなんで、実現は困難でも成功すれば大きなインパクトをもたらす壮大な課題、挑戦のことを「ムーンショット」と呼ぶようになりました。成功、成長の要因として具体的な目標設定が挙げられます。なぜなら、具体的な目標があることで意識が集中するからです。その反面、誤った目標や低い目標であっても一度立てるとそこに視点が固定されてしまう危険性もはらんでいます。

また、たとえば売上予算が期限の前に達成できたときに、来年の予算が上がるのを嫌い、残りの売上は追わずに翌月に回すといったこともよく起こります。そこで必要になる考え方が、もっともっと上を目指すムーンショットです。実現性は低くても未来から逆算された高い目標を掲げることで、つねに高い視点をキープすることができます。「原価3%ダウン」が目標だと今あるやり方のなかでの改善を図ろうとしますが、「原価30%ダウン」となると抜本的な見直しが起こるでしょう。

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OKRは挑戦的、野心的でなければならない


成長企業の目標の考え方はムーンショットに基づいていることが多いものです。そのため一般の企業では考えられないような急成長を遂げているわけです。つまり、低い目標で満足せず、つねにもっともっと上の目標を立てることで成長しつづけていると言えます。

急成長企業で用いられるOKRでは、「Objectives(目的)」の挑戦的、野心的であること、つまりムーンショットが求められます。そしてその達成基準である「Key Results(重要な結果指標)」は、簡単ではないが、達成可能で計測可能なものを設定する必要があります。このように急成長企業では、OKRを採用することで、つねに高い目標を掲げることがしくみ化されているのです。

そして忘れてはいけないのが「OKRは人事評価、査定と直接関係させない」ということです。いくら「高い目標を掲げよ」としくみ化しても、人事評価に直結するのであれば誰も自ら高い目標を掲げようとはしません。

たとえば今まで通りのやり方で売上5%アップを目標とした人が、売上5%アップを達成したとします。一方、抜本的な改革を試み売上50%アップを目標とした人が、売上10%アップに終わったとします。当然ながら後者が会社にとっては有益なはずですが、多くの会社で後者は目標未達成と評価され、人事評価で低い扱いを受けてしまいます。このようなことを避けるために、もっともっと上を目指す組織ではOKRと人事評価と切り離して考えるのです。

ゲームチェンジャーになるためには

多くの急成長企業では、これまでの業界、市場の競争原理を覆したことが成功要因となっています。つまり、彼らはこれまでのゲームのルールを変えた、ゲームチェンジャーなのです。過去の成功事例や競合を参考にしていては、ゲームチェンジャーになることはできません。ゲームチェンジャーになるためには、未来視点と顧客視点を持つことが必要です。

つまり、顧客や市場の未来から逆算して今何をすべきかを考えられる企業だけがゲームチェンジャーになれるのです。そして、その時点で立てる目標は今の常識の範囲で設定するのではなく、斬新で高い目標を立てるムーンショットが必要になります。

ただし、ただ高い目標を掲げるだけでは組織は動きません。その先の未来が「目指したい」と思えるものであることが必要です。多くの企業が経営理念やビジョンとしてその姿を描いていますが、それだけではなく遠くの未来の目的を手前に引き寄せることが必要なのです。近くの目的を見せることで、遠くの未来をよりリアルに感じることができるのです。

OKRは高い目標としてKRを決めると同時に、その期間の目的Objectivesを魅力的なメッセージとして定めるため、ゲームチェンジをする企業の目標管理としても優れていると言えます。

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著者プロフィール

奥田和広

奥田和広

株式会社タバネル 代表取締役 1975年生まれ。1998年一橋大学商学部卒業。 幼少期より父がアパレル卸業を経営していたため、大学卒業後は勉強のために上場アパレル企業の株式会社ワールド、銀行系コンサルティングの株式UFJ総合研究所を経験。父の会社に戻り、1からアクセサリー事業を開始。8年で40店舗170人を超える規模にまで成長させるが、既存アパレル卸業の苦戦、アクセサリー事業の無理な成長で低迷し、東日本大震災後に倒産。その後、株式会社ピアスにて百貨店化粧品ブランドのマーケティング責任者、美容サービスの新規事業責任者を経て、組織マネジメントのコンサルティング企業株式会社識学にて、コンサルティングおよび育成、メニュー開発を担当。Googleなどで使用されている目標管理手法OKRを用いた組織強化のコンサルティングとソフトウエア販売を行うため、タバネルを創業。