脱サラして柔道整復師へ!地域で愛される秘訣は患者さんの不調に徹底的に向き合うこと
- 開業当初から現在の料金形態にいたるまで
- 料金があがってもお客さんが離れていかない秘訣
- 信頼して任せることで人は成長できる
桃井)値段を上げても顧客を定着させる秘訣ってあるんですか?
高山)そうですね。料金が高くてもそれだけの価値があると思ってもらえるようにしています。病院でレントゲンやMRI撮ってもそのデータから原因を見つけられないことって結構多いんですよ。患者さんは痛みを感じているのに、データ上は問題がないという判断をされてしまうんです。
うちの接骨院では、データからはわからない不調に徹底的に向き合って、「こうすれば痛く無くなる」とか、「他にこんな原因も考えられるかもしれない」とか、不調の原因を徹底的に解明していきます。そういった、安心感や信頼を地道に勝ち取ることで料金が高くても患者さんは納得してくれるんですよ!
桃井)地域で開業することの難しさってありますか?
高山)そうですね。うちの接骨院の周りは田舎なので、周囲に病院がかなり多いんですよ。ただ、接骨院を開業して頑張っているひとがあまりいなかったので、ライバルが少なかった気がします。そこは運が良かったですね。
桃井)リピーターを増やすために気をつけていることはありますか?
高山)患者さん自身、自分の体に良い変化が訪れると自然とまた来ようってなると思うんです。ある時、患者さんに「なんでいつも来てくれるの?」って聞いたことがあるんですけど、やっぱり身体の変化を感じられるからと言ってくれたんです。「他のお医者さんは原因がよくわからないとか、とりあえず様子見てねとか言うけれど、ここにくれば、ちゃんと身体に変化が起こるから」と言ってくれたんです。そういうことがリピーターの獲得につながるのかなって思います。僕自身、患者さんの身体が変わって行くことに非常に興味があって、どうすればこの人の身体をよくできるのかを考えて行くのが楽しかったんです。
桃井)治療についてはもちろんですけど、それ以外で何か他の接骨院にはない取り組みはされていますか?
高山)最初はとにかく患者さんの悪いところを治すことだけを考えていたんです。でも、治療で一時的に症状が緩和されても、それが持続されなければ意味がないと思うようになりました。色々な患者さんを診て、勉強をして行くと、結局大事なのは「運動」と「食事」と「睡眠」というところにたどり着くんですよね。もっというと思考や感情など内面的な部分も身体に影響を与えることがあるので、この「運動」「食事」「睡眠」と「思考」「感情」のバランスが大切だということを患者さんにお伝えしています。そして、患部の治療と合わせてどこに不調の原因があるのかをカウンセリングを行ってしっかりと解決するということをしています。なので、内臓を触ったりとか頭蓋骨を触ったりとか、他の整骨院ではやらないようなことまで幅広くやっています。
桃井)トータルサポートされているんですね!お一人にどれくらい時間をかけられるんですか?
高山)初診は1時間くらいですかね。結構じっくりやっています。ご本人の生活習慣の中に不調の原因は潜んでいるので、永続的に調子のいい状態をキープできるように導くことをしていかなければいけないと思うので、最初はそれくらいお時間をいただいています。
桃井)先生業の方って、代表の方からスタッフさんに業務をスライドしていくのがすごく難しいという話を聞くのですが、高山さんはどのようにされていますか?
高山)僕はバスケットチームのコーチもしているのですが、その経験からコーチが頑張りすぎると選手は育たないと感じていて、いい意味でも悪い意味でも信用して任せるといところがとても大事だと思います。スタッフに業務を任せることもそれと同じだと思うんです。
もちろん誰にでも任せられるということではないので、採用の段階でしっかりと人を見極めています。ある程度、信頼できるようになったら、どんどん仕事を任せて行くことが大事だと思うし、あれこれ口出ししないことが重要だと思います。親子関係でもそうですけど過干渉だったり過保護だったりすると子供は育たないと思うので、信頼したら、任せてっていうことを意識していますね。
桃井)高山さんは現在どれくらい現場に関わられているんですか?
高山)そうですね。現場には出ていますけど、僕自身今新しいことを始めようと思っているので、接骨院の仕事はスタッフに任せている状況です。この先どの程度関わっていくのかはまだ決めていませんが、「自分は離れていくからあとは任せるよ」ということは伝えています。任せることで成長できると思うし、むしろそうじゃないと、なかなか成長ってしないと思うので。「僕がいなくても自分たちで責任をもってやっていけるようにしてね!」とはいつも言っています。
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桃井)今後の目標や展望がありましたら教えてください。
高山)接骨院の話とは少し離れてしまうのですが、僕がこれからやっていきたいと考えているのは教育の分野ですね。人が人に何かを教えるということ自体がすでに学びの邪魔をしているような気がしているんです。さきほどの引き継ぎの話もそうですけど、何かを任せることによって生まれた多くの経験から学びは生まれると思うんですよ。学びって答えがないんですよね。失敗さえも学びになるじゃないですか。なので「学ぶ」ということは「教わる」ということとイコールではないと思っているんです。
小・中学生のうちから自分で意思をもって自分で行動していく力をつけてほしいと思っています。既存の概念にとらわれず、自分の人生を積極的に考えてどう変えていくのかを子どもの頃から考えることができたらより豊かな人生になると思うんです。
なので、年齢にかかわらず「生きるということを学ぶ場」を作れたらと思っています。もっともっとみんなが自分の人生を見つめ直して、人生を豊かにしていけたらとてもいいと思うんです。まだどういう形になっていくのか決まってはいないんですけど、そういう「学びの場」を作っていけたらと思っています。
桃井)先生業の方への何かメッセージがあればお願いします!
高山)資産や権利、地位、名誉など、何に価値を感じるのかは人それぞれですが、僕は無形資産の方が価値があるんじゃないかなと思っているんです。その一つが感情だったり、価値を創造する力だったりとかだと思うんですよ。自分のためというよりも人のために何かができるとすごくいいのではないかと思っています。
そして、常識にとらわれずに、自分がどうしたいのかをしっかりと知っていくことが大事だと思っています。どうすると自分が嬉しいのかよく考えてそれをエネルギーに変えて行動していくことが大切だと思います。
先生業の方は、みなさん自分の資格があると思うんですけど、その資格にとらわれすぎず、自分が本当にやりたいことが見つかると自分も楽しいですし、人を喜ばせることもできると思います。
桃井)本日はありがとうございました。
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