現役コンビニオーナーに聞く!フランチャイズ加盟店のホントのところ 〜開業後の店舗運営のコツ〜

ポイント
  1. フランチャイズのコンビニ経営はどこまで自由にできる?
  2. 時には本部の求めていることをやってあげる覚悟も必要
  3. コンビニ経営成功の秘訣は地域で愛される店舗になることにあり!

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コンビニのフランチャイズ加盟店のオーナーとして成功するためには何が必要なのか?オーナーはどのような工夫をしていて、それはどこまで本部に許されるのか?など、店舗を運営するコツを大手コンビニチェーンを2店舗経営する壹岐聡さんに聞いてみました!

フランチャイズのコンビニ経営はどこまで自由にできる?

ーフランチャイズの加盟店って規則とかが厳しいイメージがあるのですが、その辺りはいかがですか?

もちろんやっちゃいけないことはありますよ。でも、そこを守っていれば基本、そんなに細かく言われることはないですね。うちは自治会とずっと一緒にやってきているので、お祭りにも参加しています。

例えば子供神輿が開催されるときに、うちはお菓子を用意しているんですが、その中にアイス券をいれておいて、あとでその券をうちのお店に持ってくるとアイスと交換できたりとか、そういうのもやらせてもらってます。

あとは、定期的に郵便局の中でおでんの販売をしたりとかもしていますよ。局長さんとすごい仲がいいので、郵便局も申請さえ出せばやらせてもらえます。

ー楽しそうですね!直営店よりも自由度が高いっていう感じですかね。

直営店の方が自由はないと思いますよ。 直営店今売りたい商品を置いておいて様子を見るとか、新しい機械を入れて運用してみて、不具合がないかと、直営店ってそういう役割なんですよ。今、直営店っていうのは80店舗に1店舗くらいしかないんじゃないですかね?

うちの地区でも90店舗中、直営店は2店舗しかないですね。それでも多いほうですよ。普通はひと地区に1店舗しかないので。

ーそんなに少ないんですね!他には何か他店とは違う取り組みをされていますか?

うちの店舗は近くの八百屋さんと提携しているので野菜なども置いています。なので、スーパーではなくうちで買い物をする人も結構多いですね。あと、うちに来るお客さんは、毎日会える人たちがいるのが嬉しいって言ってくれています。特にうちの店舗は老人が多い地区ではあるので、見回り活動とかもやってたりしています。

ー近くにそういう店舗があると、お年寄りの方も楽しでしょうし、ご家族の方も安心ですよね。

そうですね。いつも来るお客さんが2~3日来なかったらどうしたかなって思いますね。配達も昔からやっているので、結構地域に密着していますね。お年寄りの方も頼りにしてくれていますよ。

ーその辺っていうのは本部とお話をして、うちではこういうのをやりたいんですっていうのはお話をすればやらせてもらえるんですか?

配達ぐらいは普通に通りますね。基本的には自由にやらせてもらっていますよ。ブランドイメージを守るというのは前提にありますが、基本的に店舗の商品は自分たちのものだと思っていて、何を仕入れるかも自分たちで決めています。

時には本部の求めていることをやってあげる覚悟も必要

毎週、会議があって、そこで本部の推している商品の共有や、新しくCMをやりますよとか、芸能人使って宣伝とか、そういう案内はもちろん来ますけど、何をどう売っていくかは自分たちの判断ですね。

ただ、フランチャイズをするんだったら本部の求めていることをやってあげる覚悟って言うのも必要だとは思うんです。全ての加盟店が好き勝手なことをしちゃったら、収集がつかなくなってしまうじゃないですか。

売れる商品と売れにくい商品はちろんあるんですけど、 本当に売る気があれば売れるんですよ。絶対売れない商品も売ろうと思えば売れるんです。

「そこでやりたいんです」「こういうのどうですか?」「全国でこれ一斉にやるんですよ」と本部に言われた時に、その商品を売ってあげるって言うのも加盟店サイドとしての仕事の一つなんじゃないのかなと僕は思うんです。

売れないからやらないっていうのは違うんじゃないかなと思っています。

ー確かに、そうですよね。本部側にもその商品を売りたい理由があるわけで、そこに協力するのも必要ですよね。

コンビニって毎週たくさんの新製品が出るんですよ。毎週いろんなカテゴリーの新製品が出るので、そこから何を売るのか精査していかなければならないんです。

そこは結構神経を使う部分で、大変なんですけど、それに加えて本部から「あれ入れてくれ!」「これ入れてくれ!」って言われるのでイラつく部分ももちろんあるですが、でもそこもやんなきゃいけないと思うんですよね。

ーそうですよね。その辺りの覚悟ができるかできないかで本部との関わり方も変わりますね。 

コンビニ経営成功の秘訣は地域で愛される店舗になることにあり!

ーお客さんに対してのサービスで、心がけていることはありますか?

うちの従業員には常連さんのタバコの銘柄を全部覚えさてもらっています。名前まではさすがに覚えてないですけど(笑)あとはその人がよく購入するものを覚えるとか、来るお客さんに関しては毎回買うものを覚えておくとかはしていますね。

あのお客さんはシャケのおにぎりを毎日買うから、仕入れの量を増やそうっていうような指針にはなるので、その辺りは結構気にしています。そうすると欠品することもなってくるし、お客さんもやっぱり自分の好みを覚えてもらったら嬉しいじゃなくですか。

ーそうですよね。行きつけの店!みたいな感覚で通いますよね。

何も用事がなくても、朝とりあえず僕とスタッフのみんなに挨拶だけしに来てくれるおばあちゃんとかもいますよ。中には面倒なことを言ってくる人たちもいますけど、ちゃんと聞いてあげると納得してくれるし、一人一人のお客さんとしっかり向き合っていくことがやっぱり売上につながると思うんですよ。

どうしてもフランチャイズて言うと規模も大きいし、大手のコンビニチェーンっていうと世界にもあるわけで、すごい大きい会社なんですが、僕はあくまでも地元の商店をやっているんだと思っています。昔そういう意識はなくさないようにしていますね。

ーそんなお店が近くにあるといいですよね。お話を聞いていると本当にやりがいを感じていらっしゃるのを感じます。

そういった思いでフランチャイズの加盟店運営をするとうまくいくんじゃないかなと思います。コンビニ経営はレストランとかラーメン屋さんとかってちょっと違って、特別な技術は必要ないんです。必要なのは真心とかそういった部分だけだと思うんです。

フランチャイズの中でもコンビニを選ぶのであれば 、地元に必要とされるお店を作っていくことが大切だと思うんです。だってコンビニってたまたま通りかかって来る人もいるけど、お客さんのほとんどが近所の方なんですよね。だから大切なのは真心とお客さんへの愛なんだろうなと思いますよ。

ー結局リピートしてもらえるって言う事ですもんね。お客さんと地域を愛しているからこそ愛されるお店になれるって事なんですね。

1店目のお店はオープンして9年経つんですが、お昼にいるパートのおばちゃんたちが、一人も変わっていないんですよ。誰一人変わってない。

毎日同じ人たちがいることにお客さんは安心しますし、愛着も湧いてくる。あとはさっきもいったように、お店の外に出て自治会のお祭りの仕事をしたり、郵便局の仕事をしたりとか、いろんなところの触れ合いを大事にしている、愛されるお店になっていきますよね。

ーお話を聞いてて、うちの近くにもこんなコンビニがあればいいのに!と思いました。やっぱり何事も愛ですね!

あとは、やり方と意思だと思います。フランチャイズを始める人って、結構、本部におんぶにだっこが当たり前みたいな感じの人がいるんですよ。でも、フランチャイズってそういうことではないんです。あくまでも本部と加盟店はビジネスの関係であって、店舗や商品をそれをどう経営していくかは自分自身の問題なんです。

自店の売り上げが上がらないのは本部が悪いとか、全てを本部のせいにするのは違うと思います。 

ー確かにそうですよね。フランチャイズも経営者としてのマインドを持っていないとなかなかうまくいかねいですよね。そこがすべてなんでしょうね。

これからフランチャイズ加盟を考えている人に伝えたい事

ー最後に、今後コンビニの経営を考えている方にメッセージをいただけますか?

僕がいつも常に思っていることは、人の足を止めるのは絶望ではなく諦めで、人の足を進めるのは希望ではなく意思だということです。

常にどんな状況でも、自分が諦めなければ良い方向に好転していくんだろうなと思っているし、身動きが取れない状況でも 一歩動いてみたら、違う景色が見えているんだろうなと思うようにはしています。

フランチャイズの加盟の際はロイヤリティーとか、それに見合ったサポートとか色々考えることはありますが、そういう金銭的な部分以外でいうと、最終的にはそのお店の商品が好きかどうかじゃないと思いますよ。だって毎日食べることになるので(笑)僕はうちのコンビニのご飯が一番美味しいと思っていますよ。

ーとても勉強になりました!本日はありがとうございました。

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