事業相続・承継!【親族内承継】って何?納税猶予も含めて解説!
- 事業相続・承継「親族内承継」について
- 事業承継に関する注意点や流れについて
- 納税猶予制度を利用する
一般的な相続とは、誰かが亡くなり、その方が残した財産を受け継ぐ(相続)場合に使用される言葉です。
この相続が、「事業を相続する」という場合には、一体どのような内容となるのでしょうか?
事業の相続については、他にも「事業承継」という言葉が使われますので、こちらも念のため覚えておきましょう。
また、その他にも、事業相続をした場合、税金面ではどのような制度があるのか?についても、少しご紹介をさせて頂きたいと思います。
想像しやすいのは、先祖代々続く事業を、子供へ、そして孫へ・・・と相続していくということが、事業相続でイメージしやすいのではないかと思います。
昔の日本では、事業を子供に相続させるということは身近な話だったと思われます。
ただ、現代社会では、一代で事業を大きくし、そのあと、自分の子供や血縁者ではない、第三者に事業を引き継がせるという話も当たり前の時代となりました。
例えば、自分が築き上げた会社を、子供に引き継がせたいと考える方もいます。
しかし、逆に子供には自分の人生を好きに選択して生きて欲しいと、継がせない場合もあるわけです。
そのような場合は、他の企業に会社を買収してもらったり、会社としてそのまま従業員を雇用し、事業相続は会社の役員や従業員の中から選抜するという方法もあります。
今回は、より理解して頂きやすくする為、親族内で事業を相続する場合に着目し、事業相続を考えていきたいと思います。
親族内の相続、親族内承継というのは、事業を承継する際に、子供や親族に会社を継がせる場合を表します。
日本では、ごく一般的であり、多くの事業承継となる方法の中でも、一番利用される方法として用いられます。
ちなみに、承継というのは、相続と同じような意味となり、受け継ぐことを表します。
ですから、事業承継=事業を受け継ぐことを意味する為、親族内で事業を相続する場合には、「親族内承継」と呼ばれています。
一般的な相続であれば、よほどの揉め事がない限り、決着までに何年も必要ということはありません。
被相続人という、相続をさせる側の方が亡くなることによって相続が発生します。
遺言書があれば、そこに記載されている相続人が相続し、相続の権利がある方はそれぞれ法律の定めで分配されます。
遺言書がない場合は、法律で定められている法定相続人がそれぞれの決められたルールで相続をすることになるのです。
しかし、事業を相続する場合の事業承継については、少し話が違ってきます。
事業を相続・承継するということは、その事業内容を引き継ぐわけです。
ですから、いきなり「引退しよう」と思って事業承継をするには、難しい点があります。
これはもしも、それまでに会社の事業について携わって来なかった方の場合、何も知らない状態でいきなり事業を承継しても失敗することが予想されます。
このような場合には、ある程度の年月をかけて、事業承継させたい会社でノウハウや知識、そして経営に関する能力についても備えていく必要があります。
また、事業に関することだけではなく、他の従業員や、会社が取引をしている会社などにも存在を知って頂き、受け入れてもらうことが大切です。
いずれ相続として、事業承継を考えられているのであれば、早い段階から行動に移す必要があるといえるでしょう。
相続をする場合には、一定のルールがあります。
相続財産には、土地建物の不動産や、お金、そして貴金属など、プラスの財産もあれば、借金などのマイナスの財産も含まれます。
その中に、事業承継という、事業を相続する場合が加わるわけです。
中小企業においては、事業に必要となる資産などを経営者自身が個人で所有している場合や、会社の株を保有していることが多くあります。
この為、相続をする方が子供だけだとした場合、兄弟姉妹がいる時には、事業承継を全員ですることは無いでしょうから、揉め事に発展しやすくなるのです。
あくまでも一例ですが、「事業承継をする兄は、会社を相続できるのだから、その分の財産は沢山ある。だから弟である自分は会社を相続できない分、見返りに他の財産を全部くれ」など。
勿論会社の規模や、資産・株などにもよりますが、相続はお金や価値のあるものが絡むことが多い為、血が繋がった兄弟であっても揉めるケースが多々あります。
更に、事前に承継をさせる側が、予め様々な対策を取らずに亡くなってしまった場合でも、残された資産については法律の定めによって分配されることになります。
この場合についても、実際に相続として事業を承継する人と、そうではない親族などが一緒に会社を相続することになってしまうため、会社の経営が上手くいかなくなる場合が考えられます。
このように、事業承継については、相続人の間で揉め事になるケースがある為、早い段階で事業承継を誰に、どのようにするのか?については、経営している方が考えて対策を取っておく必要があるといえるでしょう。