地方ではどんな動きが起きている?地方起業の失敗と成功とは
- 地方で起こっている現状
- 地方起業の失敗につながる点とは?
- 地方起業のメリットと成功のポイント
近年、働き方改革やITの技術発展を進めていくため、国のさまざまな政策や動きが活発化しています。副業やパラレルワーク、テレワークといった言葉が誕生しているように、私たちのライフスタイルによって、働き方に多様性が生まれています。会社に所属しなくとも、プロジェクト単位で仕事が動いていく…そんな時代になってきました。私たちは今後ますます、多種多様な働き方の中よりよい選択をしていくことができるようになっていくでしょう。
こうした世の中の動きの中で、注目されているのは「地方での起業」。
人口減少、少子高齢化と叫ばれて久しい現状の中で、その課題解決に向けて地方自治体は、まちの活力となる人や企業を受け入れる体制づくりを着々と進めています。補助金などの経済的な支援だけではなく、学校の廃校を活用してコワーキングスペースを誕生させ働く場を創出したり…起業する人たちの後押しをと、さまざまな支援策を打ち出しています。働き方が多様化するこの時代の流れが後押しして、今、都心にこだわらず地方で働くことを選択する人たちが、じわりと増えているんです。
地方で起業というと、みなさんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?あえて地方で起業をするということには、どのようなメリットや課題点があるのか。今回は、地方の現状とともに、地方を選択するメリットや起業を成功させるポイントをお届けしていきます。
人口減少、少子高齢化…この言葉が叫ばれてから久しいですが、都心にいる人たちにとっては実感はあまり湧かないかもしれません。むしろ、地方から東京や大都市に人が集中する状態に息苦しささえ感じている人もいるでしょう。しかし、日本の特に地方の人口減少による諸課題は待ったなしのところまできています。
47都道府県のうち、総務省によると以下のように発表されています。
人口増加は東京圏の4都県と愛知、沖縄両県の計6都県のみ。他の41道府県は人口が減った。人口減少率は秋田県が全国一で1.34%。ワースト10には東北地方から宮城県を除く5県が入った。
都心に人口が集中し、地方における生産人口の減少が続いている現状。この状態が続くと地方では、経済が成り立たなくなっていき、最後は地域自体がなくなることにもつながっていきます。
また人口動態に応じた政策対応として、財務省は以下のような提唱をしています。
1. 2030年にかけては、大半の経済圏(228/237)において、人口が減少。小規模な経済圏ほど、減少幅が大きく、人口が3割以上減少する経済圏(11/237)も存在。
2. 地域経済を支える人材を確保し、その持続可能性を確保するため、そして、地域レベル・全国レベルの出生率の改善を図るためには、①地方部の経済圏からの若年者流出に歯止めをかけるとともに、②三大都市圏等の経済圏から、地方部の経済圏へのUターン・Iターンを増加させる必要があるのではないか。
出典:地域経済の現状と将来についてH27.1.20 片岡 隆一 財務省大臣官房参事官(主計局担当)
人口減少のうねりの中で、前向きな動きとして企業誘致、創業者、UIJターンをする人々を増加させるための、創業者への支援策が充実してきています。
例えば…
【沖縄県の支援一例】
「創業者支援金」・・・県が定めた融資の諸条件をクリアした企業は、設備、運転併せて2,000万円以内の補助を受けることができます。
「地域創造的起業補助金」・・・新たに創業する者に対して創業時に必要な一部の経費の補助を最大200万円支給されます。
支援はほんの一部の紹介ですが、沖縄県には10,200人もの起業家が活躍しているのだそうです。
沖縄県の詳細はこちら
沖縄県でIUJターン・移住・起業する方必見!押さえておくべき基礎知識!
【和歌山県の支援一例】
「わかやま中小企業元気ファンド」・・・県内中小企業者等が行う「地域資源(農林水産物、産地の技術、観光資源)」を活用した新商品や新サービスの開発、販路開拓などの支援をしています。
「移住者起業補助金・移住者農林水産就業補助金」・・・移住推進地域へ市町村の支援を受けて移住する 60歳未満の方で、 10年以上の定住する意思と「起業」もしくは「農林水産業に独立就業」する意思がある方を対象に審査。移住者起業補助金は最大100万円、移住者農林水産就業補助金は最大50万円の補助を受けることができます。
資金面だけではなく、開発や販路開拓といった支援もあるのは地域資源を活かした事業で起業したい人にとっては、ありがたい支援ですね。
和歌山県の詳細はこちら
和歌山県でIUJターン・移住・起業する方必見!押さえておくべき基礎知識!
ほかにも、移住がある場合には空き家改修の補助金制度や一時的に「暮らし」の体験をすることができる制度などを設けている自治体もあります。起業しようとする地域が取り組む支援策は、ぜひ調べてみてくださいね。
各都道府県の創業支援策も、参考にご覧ください。
〇〇県でIUJターン・移住・起業する方必見!押さえておくべき基礎知識!
また、地域にある建物を利活用する取組みによって、若い起業家や企業のサテライトオフィスとして地方進出をしているケースも増えています。例えば、日本で人口が最も少ない県である鳥取県の八頭郡八頭町にできた「隼Lab.」。廃校を活用してコワーキングスペースをつくり、都市部の企業やイノベーターが働ける場所として運営しています。カフェとコミュニティスペース、コワーキングスペース、企業のシェアオフィスといった環境が整えられています。この「隼Lab.」の誕生によって、主婦や会社員、起業家など、自分たちのライフスタイルに合わせて場を活用する光景が生まれているのだそう。
全国各地のさまざまな廃校を活用した事例が、政府広報オンラインに掲載されていますのでこちらも参考にしてみてはいかがでしょうか?
廃校Re活用案内