地方起業は、今どんな分野がおすすめ?

ポイント
  1. 地方・起業の現状を見る
  2. 地方×IT
  3. 地方×地方×地域特性・地域課題
  4. 地方×グローバル

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地方起業は、今どんな分野がおすすめ?

地方で起業した会社と聞いて、思い浮かぶ会社はどれくらいあるでしょうか?
昨今では、働き方改革によって「ワークライフバランス」という言葉をよく耳にしますが、副業やパラレルワークといった仕事の仕方にも多様化の動きが進んでいます。従来の終身雇用といった考えではなく、“自分らしく”だったり“好きなことを仕事に…”といった考えを持った働き方に、世の中が寛容的になってきたと感じている人もいるでしょう。都心では、多種多様な働き方を受け入れる環境が育まれてきています。

一方、地方では人口減少により消滅可能性都市が出てくるほど、人材不足に悩まされています。こうした中、課題解決に向けて各自治体で独自の支援を行ったり、地域おこし協力隊を募集するといった創業や移住希望者へのさまざまな支援策で、地方での営みを後押しする積極的な動きを見せています。

最近では、地方発のベンチャー企業や地方にフォーカスをしてビジネス展開をする企業も増えているのをご存知でしょうか?多様な働き方が生まれたことで、地方での起業も大きな選択肢のひとつになってきているのです。

今回は、「地方起業に向いている業種」をテーマにさまざまな事例をお伝えしていきます。

1.地方・起業の現状を見る

日本では、起業希望者や起業準備者数は1997年以降減少傾向にあるものの、起業希望者の起業家は1997年から2012年にかけて、13.1%、18.6%、19.9%、20.2%と増加しているので、起業を志す人たちは毎年一定して起業をしている現状となっています。さらに、全国各地の開業率は第一生命経済研レポートによると、

都道府県別の開業率(2016年度)をみてみると、上位には埼玉県、千葉県、神奈川県といった首都圏が並んでいますが、沖縄県が首都圏を抑えてトップとなっています。沖縄県は2016年以前から開業率上位に位置しており、その背景の一つには行政による制度面での後押しが挙げられます。例えば、経済特区に指定されており、他の都道府県にない税制優遇を受けられることや県による創業資金の融資制度があります。

都道府県別開業率

出典:第一生命経済研レポート 2018.06「FOCUS・都道府県の統計」

意外にも開業率トップは関東首都圏ではなく、沖縄県なのです。地銀が創業支援に力を入れたり、県内の全民間金融機関の連携によって起業家発掘から育成・資金供給まで行う「エコ・システム」を構築するなど、起業家には心強い支援を整えています。また、訪日外国人の増加も追い風となって、企業が進出してくるという動きも見られていて、起業に適した環境で効果を生んでいるようです。

一方、地方経済は課題山積。その問題点として、日本政策金融公庫の調査によると「人材不足」が最も高く、次いで「既存企業の減少」「経営環境の悪化」「新規企業が増えない」といった結果が出ています。

地方経済が抱える問題点

出典:日本公庫総研レポート2017 年 6 月 23 日「地方発ベンチャーの現状と課題」

地方では大都市と比べて、「経営環境の悪化」「雇用機会」を問題点とする割合が高く、これらの課題解決に向けては地方発のベンチャー企業が誕生することで、経営環境の改善が図れるといったところを期待されています。

今、開業率トップの沖縄県だけではなく、全国の各自治体で創業者への手厚い支援や独自のサポート体制などを整えています。支援を活用せずともしっかり自走できることが望ましいかもしれませんが、支援策については知識として持っておくことは必要でしょう。起業に対する資金面での不安なども解消されるかもしれません。
支援策について、ぜひこちらも参考にしてみてください。
起業・創業を助ける様々な助成金・補助金を徹底解説!
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そうはいっても、結局のところ地方での起業は、首都圏と比較してデメリットが多いのではと思っていませんか?移住して起業する人、地方に本社機能を置きながら活動拠点を複数持って事業展開をする人など、理想のライフスタイルに近づけるような働き方を選択する起業者が全国には増えています。

まずは地方で起きている面白い事例なども見ながら、さまざまな情報を吸収して起業への一歩を踏み出してみてください。

2.地方×IT

IT技術は常に進化をしています。フリーランスで活躍するITエンジニアも増え、人材需要は今後ますます高まっていくことが予想されます。通信環境が整っていれば、自身のライフスタイルに合わせて地方で活動することは可能です。また、地方発のITベンチャーともなると競合も少ないため、注目度も高まるメリットもあります。

そんなITを活用して、地方で起業した企業事例をご紹介していきます。

事例1:株式会社アラタナ(宮崎県宮崎市,2007年設立)
ECに特化したテクノロジーサービスの提供を続け、今までに開発したECサイトは800社以上。2017年には社員数は130名に、提供サービス年間流通総額は250億円を超えました。2015年にはZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイグループに参画し、 宮崎からクオリティの高いプロダクト・サービスを提供しています。
▼主なサービス
・ECサイト構築
・Webマーケティング

アラタナ

事例2:株式会社プラットイーズ(徳島県名西郡神山町,2001年設立)
CS多チャンネル放送における営放システム導入実績No.1の「線引屋」をはじめ、放送や配信に携わる企業様の立場に立ったシステムをご提供します。また、煩雑な業務をスムースに運用するアウトソーシングサービスを行っています。
▼主なサービス
・SENBIKIYA(線引屋/線引屋プラス)
・METAZO(メタ蔵)
・METASUKE(メタ助)
・KOALAER(こあらー/ADCoA)

プラットイーズ

3.地方×地域特性・地域課題

「地方創生」という言葉も、都市集中、少子高齢化、地場産業の衰退に歯止めをかけるため、国を挙げたさまざまな取り組みが行われています。各自治体が起業を後押しする支援策を打ち出すことによって、単独で事業を成功させるのが難しいベンチャー企業を後押しする形となります。地域課題や資源を活用した取り組みは、自治体にとっても地域経済に活力を与えるメリットがあり、今後も期待されている業種と言えるでしょう。

また、補助金といったものに頼らずに、地域課題の解決を担うようなまちづくり会社や団体も各地に増えています。ヒト・モノ・カネを上手く循環していくサイクルを生み出し成功している地域もあり、地方起業において自身の得意分野を生かすことができます。

ここでは、地域課題や特性を生かして事業を行う会社事例をいくつかご紹介します。

事例1:株式会社あわえ(徳島県美波町,2013年設立)
「日本の地域をもっと元気に!」をミッションとして掲げ、2013年に設立された会社です。地域にもともとある資源「ヒト(人の持つパワー)・コト(歴史や文化)・カネ(地域にもともとあった産業)」を磨き直し、ブランディングして地域を根幹から支援しています。行政や地域住民と共に企業・起業誘致や定住支援をはじめとした地域振興事業に取り組んでいます。
▼主なサービス
・あわえトレーニングプログラム
・地域文化資産保護・振興事業
・サテライトオフィス誘致サービス
・地方創生研究会
あわえ

農山漁村地域の起業に、チカラを「INACOME」

農山漁村が活力を取り戻し、持続可能な発展を実現するためには、何よりもまず、雇用と所得を生み出すことが重要です。農山漁村には魅力的な資源が豊富にあり、これを活用した多様な事業を起こすチャンスに溢れています。農林水産省では、豊富な資源とやる気溢れる人材、そして必要な資金を組み合わせ、農山漁村地域に新たなビジネスを生み出すことを目的として、Webプラットホーム『INACOME』を設置しました。

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