仕事ができる人ほど空気をよみながら、空気を読まないのはなぜか?

ポイント
  1. 空気を読むことができるのは当たり前
  2. あえて空気を読まないことで成果が生まれる!?
  3. よそ者、馬鹿者、若者のバランス感覚

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仕事ができる人ほど空気を読む・読まないバランスがうまい

一般的に空気を読むことが当たり前ですが、空気を読むというのは往々にして同調するということになっていきます。仕事ができる人というのは、空気は当たり前に読めるのですが、空気を読まないことをするようにしていることもあり、とてもうまいバランスを取っています。

そもそも空気を読むというのは、歴史をひも解いてみると、構造的、物理的に仕方なくそうするようになったということが1つの目線では言えると思います。

もともと人類は、ジャングルで生活をしていました。
ジャングルでは木の実などを拾って食べて、生活していました。比較的安全でしたし、食べ物もすぐに簡単に手に入っていました。
ただ、気候変動があって、ジャングルが減って、人類はサバンナに出なくてはいけなくなりました。サバンナでは自分よりも強い生き物を倒して自分の食糧としないといけないですし、そもそも自分の身を守らなければいけません。1人で行動することが、身を外的から守ること、食べ物を獲ることのどちらの軸からしても合理的でなくなったわけです。そこで集団を形成するようになったと言われています。

集団で動くことによって身を守り、食べ物を獲りやすくなったということです。ここで集団を円滑に維持するために社会脳というものが生まれ育ったと言われています。社会脳というのがまさに空気を読むということです。

このときの世界観からすれば、生き残るためにそうすることが合理的だったわけです。
ただ、この社会脳的な前提がほぼ全ての社会システム、組織、対人関係などの中で当たり前として君臨しているわけです。結果として金太郎飴的な同質的な人になっていくような状況になったのだと思っています。

つまり空気を読むことは集団維持のための手段だったわけですが、現在のように集団から個の時代へと完全に前提やルールが変わっている中にあっては、空気を読まないということの大切さが相対的に際立っていきます。

ジャングルからサバンナへの移行時に、生まれた空気を読むことという社会脳が少し役割を終えつつあるということです。新しい時代への移行にあって、新しいマインドセットの移行をしなくてはいけません。

ただ、当たり前に、まだまだ大多数は空気を読むことを重視しているわけなので、その中にあって空気を読めないことばかりとなってしまうと、居場所が実質的になくなってしまうのと、とても仕事がしにくくなってしまいます。

そのため、重要なことが空気を読むことと読まないことのバランスになります。

空気が読めるだけでは仕事の結果には繋がらない!?

ただ、空気を読むことをし続けることができる人は山のようにいます。
でもこれでは絶対にいけません。なぜならそれはただ周りに同調しているだけなので
オリジナリティーやこの人の存在感はないということです。圧倒的な成果には繋がりません。

そこで、空気を読みながら、つまり周りとうまくやりつつ、合間、合間で空気を読まない=明らかな真実やオリジナリティー、存在感を発揮していくということが大切になります。

空気を読んだ発言というのは、誰でもできますが、(意図せずに、無意識で全く空気を読めない人もたくさんいますが。)往々にして何も本質を得ていないことが多々ありますし、議論の議論になっていたりします。ただそれを完全に真っ向から否定して対立軸的なやり方になってしまうと(もちろんそれでもよいのですが!)、目的から遠ざかってしまうことがあります。そのためこの空気を読みながら、空気を読まないというバランスがとても重要になるのです。

よそ者、馬鹿者、若者を1人の人の中でバランスを取る

日本で地方創生が叫ばれて数年が経ちました。

地方創生に携わる人の色々な経験や気づきの1つとして、
地方創生を推進したり、成功させるためには、
よそ者、ばか者、若者が必要だと言われています。

よそ者というのは、内部の人だけでは視点が狭くなったり、凝り固まってしまうので、外の客観的な視点が欠かせないという意味です。

ばか者というのは、固定観念、今までの常識ややり方にとらわれずに行動できるという意味です。

若者というのは、物理的な年齢の問題でなく、情熱を持って直向きに取り組むことができるという意味です。

この3つの要素というのがある意味地方には不足しているというわけです。
地方の今というのは、成果を出せない人の今にとても似ていると思っています。

空気を読むというのは、まさに1人の人でいえば、既に出来上がった仕組などの中でのルールややり方を大切にしつつ(今まで通り)、空気を読まないというのは、よそ者、ばか者、若者という3人の人の性質を自分の中にバランスよく持っておくということです。

成果を生み出す人というのは、そもそも地方の人という当事者の目線と、よそ者、ばか者、若者としての目線の使い分けがとてもうまいです。

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著者プロフィール

伊藤 健太

伊藤 健太

2009年慶應義塾大学法学部を卒業後に、2010年株式会社ウェイビーを創業。
創業以来、一貫して、中小企業、個人事業主のインキュベーション(成長支援)に従事。
その数1,200社超。「世界を豊かにする経済成長のビジネスインフラを創る」というウェイビーの理念が大好き。
世界経済フォーラムが選ぶ若手リーダー選抜、徳島大学客員教授、スモールビジネス向け書籍7冊出版。