創業融資・制度融資における銀行との面談対策はこれでOK

ポイント
  1. 融資の面談は事業報告書をもとに代表者が面談に行くもの(代理人は基本不可)。
  2. 面談とは融資する側に創業者を知ってもらう場。前向きな受答えと最低限の経営者としての数字関連の知識が必須である。
  3. 現状の市場環境の分析は自社の強み・差別化を知るきっかけとなる。

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日本政策金融公庫や銀行との融資の面談対策

金融機関との面談のポイント


融資にあたっての流れですが、まずは、創業融資の申込みを兼ね公庫又は各自治体に相談&申込みに行きます。
そして、事業計画書を作成します。その後、事業計画書をもとにしました金融機関との面談がこの後にあります。

面談の概要につきまして、公庫の面談を前提に簡単に説明します。
面談は、申込みから大体1週間~2週間以内に公庫の管轄支店で行われるのが通常です。面談には、代表者の方が行きます。
(※この際に、自分はあまりうまく話せないからという理由で代理人を立てようという方もいますが、基本的には代理人などは認められません。

公庫としましても、創業をされる代表の方が知りたいのです。時間は、大体1時間~2時間くらいになります。基本的には、事前に提出してあります事業計画書に基づいて面談は進んでいきます。そして、面談が終わりますと、1週間程度で融資の可否の結果が来ます。


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面談の際の一般的な注意点

・マイナスなことを自分から言うのはやめましょう。
担当者からの質問に対しても、基本的には前向きに全て答えましょう。もちろん、マイナスな結果しか答えようが現状ないことであっても、現状はこうだけど、この後、ここが問題でそれを解決することで問題は改善、解決できるという前向きで建設的な話をしましょう。

・聞かれていないことは言う必要はありません。
担当者から聞かれていること以上のことを答える必要はありません。もちろん嘘をつくこととは違います。
聞かれたことにのみしっかりと答えることを心がけてください。

・話が長くなりすぎないように結論から伝えましょう。
面談は公庫の方にあなたを知ってもらうための場ですので、公庫の担当者が話をするようにし、あなたは、必要のないことは話さないようにしましょう。

・事業計画書との整合性を意識しましょう。
事業計画書は面談の前に提出しています。そのため、面談担当者も事業計画書には目を通して面談に臨みます。そのため、あなたはもちろん事業計画書の内容をしっかりと理解しておく必要があります。大抵の場合は、起業家自身が作成しているので問題ないと思いますが、そうでない場合には注意が必要です。
また、ただ単に事業計画書の中身を覚えても暗記して話をすることもよくありません。本当に良くできている事業計画書というのは、全ての項目が有機的に連動しています。つまり、一貫しており、節々に創業者の熱い想いや、計算のようなものを伺い知ることができるのです。


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・担当者とは絶対にケンカをしてはいけません。
事業計画書をみて、厳しい指摘、質問をしてくる担当者もいます。担当者とケンカしても全くあなたにとってメリットはありません。中には、横柄な担当者もいます。また、業界の知識もなく、見当はずれなことを適当に言ってくる担当者もいます。そのような場合でも、まずケンカはしないことです。我慢強く質問にはしっかりと受け答えしてください。あまりにも横柄な場合には、後ほど、正式なルートでその旨を伝え、担当者を変えてもらうなどの方法を採ります。

公庫に関しては、他の金融機関と異なり、代替の金融機関がありませんので、特に関係に関しては気をつけなければなりません。わからないことを聞かれても素直に答えましょう(調べてから回答しますなど)担当者からの質問の中で、あなたの知らないこともあると思います。そのような場合には、基本的には素直に答えることがいいと思います。

しかし、経営者として最低限知っておかないといけない知識などに関して、知りませんというのは担当者の心証を悪くする可能性もあります。
そのような事態があるとすれば、数字部分などの話かと思います。そのため最低限の数字(損益計算書や貸借対照表の知識)の知識は身に着けておくことは必須かと思います。

人は見た目が9 割

人の印象は、見た目でほとんど決まります。この見た目とは、外見ももちろんですが、五感で感じることができることです。声の大きさや姿勢などあらゆることです。そのため、基本的には丁寧な姿勢を心がけてください。相手のことを考えた対応を最低限、取っていれば失敗などはあまりないと思います。外見に関しては、無難にスーツなどの正装で行きます。時間はしっかりと厳守し、コミュニケーションの基本を徹底し、感じのよい話し方をしましょう。

経営者としての自覚をみせること

これは大切な要素になります。生半可な気持ちで事業が上手くいくわけはありません。事業が厳しいときは必ずあります。
そのようなときでも、この人ならきっと諦めない、前に進み続けることができるなどと思ってもらう必要があります。

そのためには、経営者としての自覚をしっかりと面談でみせることが必要になります。
自覚をどのようにみせるかですが、これには創業への熱い想い(情熱)としっかりとした事業計画を話す(論理)という2つの要素を示せるかが大切になります。

創業動機や将来どうなっていたいのかという夢を話す際には、恥ずかしがらず、情熱を持ってお話してください。熱い想いというのは、人を熱くし周りを巻き込みます。
また、担当者から事業についていろいろな質問を受けます。
その際には、しっかりとした考えを理路整然と話せると一番良いです。担当者からすれば、情熱的でもあるが、しっかりと事業のことも考えている創業者として認識されるはずです。

面談で想定される質問とは?

創業動機や事業をはじめる目的について

創業者としての、創業にあたっての熱い思いと、前向きな理由をお話ししましょう。後ろ向きな話はやめましょう。面談担当者は計画だけでなく「やる気」も見ています。創業時の事業に活かせる経験を豊富にしていることを、過去の経験からしっかりと伝えるようにしてください。創業期は実績が無い分、代表者様の過去の経験も評価対象となります。また、ただアツさだけを伝えるのではなく、しっかりと事実やロジカルに話せる部分もあると(=数字部分や競合分析、自社の強みなど)とても好印象になると思います。

市場環境

ご自身の携わる業界の現状の環境、競合、将来見通しなどが聞かれる可能性がございます。仮に、市場環境は一般的に悪いといわれていても、まだニッチの市場がある、現状、どこどこに問題があるため、入っていく余地があることなどをうまく指摘してください。(問題をしっかりと分析する必要がございます)

そのため、現状の市場環境の分析はしっかりとしておいた方が良いと思います。特に、環境、競合を分析することは、自社の強み、差別化を知るきっかけになります。

売上の見通し

計画書の内容に沿ってご説明できるようにしてください。計画書との整合性を意識してください。また、過去に経験のあるビジネスで創業される方については、過去の実績を参考にした数字ですと仰ってください。そうすることで数字としての客観性が増します。売上計画の基本ですが、現実離れした売上目標を立ててしまうと、その時点で担当者の信用を失いかねませんので注意が必要です。また売上と同時に、しっかりとキャッシュフローのことや、支払のことも意識していることを伝えてください。とにかく堅実な事業計画だと思われること、堅実な社長だと思われることが大切です。

営業方法について

事業計画書の内容に沿ってご説明できるようにしてください。実績が無い中で売上が立つことをリアルにイメージさせるためには、営業(販促)方法明確に具体的に伝えることが重要です。いつ、誰に、どのように営業をかけるのかがしっかりと伝われば、面談担当者も「確かに収支計画表上の売上はいけそうだな」と考えてくれるでしょう。この部分も客観的に話すことが大切です。根性論で頑張りますという感じではダメです。

事業が上手くいかなかったときの展開

上手くいかない想定をされたとしても、前向きな回答をいたしましょう。担当者の話す前提を確認して、ご自身のお考えをしっかりとお伝えしましょう。大切な視点としては、徹底的にコスト=支払を減らして、売上想定が多少崩れても成り立つんだというような計画を考えておくことが大切です。

事業が上手くいったときのその後の展開とは

2 期目、3 期目くらいまでは、考えておかれたほうが良いと思います。話す内容としては、数字的に現実的な話をなさってください。今後の市場の環境とリンクして話すことができればより良いと思います。
本来であれば5年分の売上計画などを考えたりするのですが、公庫などで求められる売上計画などは直近のものだったりします。そのため、少し先の展開案も考えておきましょう。

資金の使い道

なぜ、資金が必要なのかを聞かれます。この設備は中古ではダメなのか、リースではダメなのかなど。資金使途が明確であればあるほどとてもよいです。返済の目処が立っていても資金の使い道が明確でないと融資を受けるのは難しくなります。自己資金の認定は、創業融資の中でも重要な部分です。そのため、見せ金になるような行為はやめましょう。※見せ金とは、自分のお金でないにもかかわらず、あたかも自分のお金のようにみせることです。

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申請額が減額された場合はどうですかとの質問について

減額の場合でも、ここの予算を削れるとか具体的に削られても問題ないということを説明しての減額は大丈夫ですとの回答が望ましいと思います。何も考えずに減額でもOK ですというのは、そもそもの融資の希望金額がいくらでも良いのかなどの印象を与えかねません。

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