宅地建物取引業の免許

ポイント
  1. 宅地建物取引業の免許の種類
  2. 申請をする前に専任の取引士の登録をしておこう
  3. 実際の免許申請の流れについて

目次 [非表示]

4.申請をする前に専任の取引士の登録をしておこう

実際の免許の申請を行う前に、やっておくべき事がありますので、こちらから先に解説させて頂きたいと思います。
ここをしっかり行っておかなければ、免許の審査の時に指摘を受けるケースもありますので、確認しておいて頂きたいと思います。

4-1.専任の取引士って?

宅地建物取引業の免許を受けるに当たって、上記でも解説させて頂きましたが、宅地建物取引士と言う国家資格が必要となります。専任の取引士と言うのは、この国家資格に合格した後、宅地建物取引士として登録を行い、その免許の交付を受けて事務所や営業所などに、常時勤務している宅地建物取引士の事を意味します。

宅地建物取引業を行うにあたり、上記でも少し触れておりますが、宅地建物取引士の資格を有している者をどのくらい置いておかなければならないかと言うのは、法律によって定められております。その人数は、1つの事務所ごとに、5人に1人の割合で設置しなければならないと言う規定があります。その中で、専任の宅地建物取引士を置くと言う事ですが、宅地建物取引業における法律には、専従性と言う言葉があります。専従性とは、そこに常時勤務して、宅地建物取引業の業務に従事している言う事をイメージして頂ければ良いと思われます。この専任の宅地建物取引士を置く必要があるわけです。

4-2.専任の取引士がしておく事

取引士資格登録簿と言うものがあります。ここには、宅地建物取引士の資格を有している人の勤務先名が登録されております。宅地建物取引業の免許を、新たに申請をする時に、専任の取引士として就任される方については、この取引士資格登録簿に勤務先の名前が登録されていないと言う必要があります。

しかし、実際には、宅地建物取引士である本人が、この取引士資格登録簿に登録されている勤務先の名前がどのようになっているのかと言う事について記憶がないと言う事が多いのです。ここを確認するには、宅地建物取引士資格登録申請書、またその後に貰う宅地建物取引士資格登録簿変更登録申請書の控えを探してみて下さい。探しても見つからないと言う場合については、申請をスムーズに行う必要がある為、登録をした先の都道府県に必ず事前に確認を行う事が大切です。

更に注意して頂きたい項目としましては、新しく免許の申請をする時以外に、新しく就任される場合です。この時も、専任の取引士については、専任の取引士の変更をする届を提出する前に、事前に宅地建物取引士の資格登録簿変更登録申請を行っておかなければならないからです。会社側が行っている就任または退任の変更の届では、資格登録簿の内容が勝手に変更となる事はありませんので、注意が必要です。

都道府県によって差はあるかもしれませんが、基本的に登録の申請書に関しては国土交通省の地方整備局のホームページより申請書類がダウンロードができるようになっておりますので、予め確認をしておきましょう。
ちなみに、変更登録をする際に必要な物を上げておきます。(例:東京都で行う場合)
・宅地建物取引士証
・宅地建物取引士資格登録簿変更登録申請書2部
・退職証明書1部
・印鑑(シャチハタは不可ですので認印を準備するようにしてください)
これらを用意し、各不動産課免許係にて変更手続きを行いましょう。

5.実際の免許申請の流れについて

5-1.書類の作成

免許申請については、宅建業の申請書類を作成する事から始まります。申請書には、申請をする人、名称や商号、個人または代表者に関する事項、法人の場合であれば、役員に関する事項も必要となります。
次に、事務所に関する事項と、政令で定められている使用人の事項、選任の宅地建物取引士に関する事項等を記載し、提出をします。

5-2.申請料金に関して

申請をする際には、申請手数料を支払わなければなりません。この手数料の事を登録免許税と言います。
これは上記の種類で申し上げたように、知事免許と大臣免許によって税額には違いがあります。同じ都道府県内に一店舗以上の営業所を構える場合は知事免許となりますので、料金は33.000円です。次に別々の都道府県に二店舗以上の営業所を構える場合については大臣免許となりますので、料金は90.000円となっております。

5-3.審査を受ける

宅地建物取引業の免許を受けるにあたって、申請を行えば誰でも免許の交付を受けられると言うわけではありません。上記にも掲載しましたが、拒否される場合があったり、欠格事由があるのです。申請を受けた側(国や地方自治体などの行政機関のことです)は、本当に免許の交付をしても良いかどうかを、審査します。

自分が交付を受けられるのかどうかは、申請書類を提出する前に相手の視点に立って丁寧にチェックを行っておくとより安全な申請書類を完成させることができるのではないでしょうか。

5-4.審査期間

審査にかかる期間についてですが、こちらも大臣免許なのか、知事免許なのかによって少し違いがあります。国土交通省の大臣免許でかかる審査期間は、大体2~3か月程度かかります。一方、都道府県の知事免許については、大体30日~40日程度かかります。

免許の交付なので、案外もっと短期間で結果が出るのではと思われる方もいらっしゃると思いますが、意外にもこのくらいの期間がかかってしまいます。ですので、このくらいの期間がかかると言う事を念頭におき、他に必要と登録や準備を進めて行くと良いでしょう。免許の申請を行ってしまえば、すぐに宅地建物取引業を開始できるわけではありませんので、あなたが事業を始めようと考えている日時から逆算して早めに申請することを強くオススメします。

5-5.免許の決定

審査の結果、免許の交付を認められたら、書面にて免許日と有効期限が通知されます。ちなみに、免許証の交付を受けられるのは、この後解説させて頂きますが、営業保証金の供託や、弁済業務保証金の供託をしてからとなります。

これらを済ませ、交付を受けなければ業務を行う事はできませんし、供託金を収めることを無視して勝手に業務を開始してしまうと宅建業法の違反となりますので十分に注意が必要です。

5-6.営業保証金の供託、その他の加入や供託について

上記でもお話させて頂きましたが、例え免許の申請を行って審査をクリアしたとしても、営業保証金の供託や、弁済業務保証金の供託などを行わなければ免許の交付をして貰う事ができません。営業保証金の供託については、本店で1.000万円と言う大きな金額を用意しなければなりません。

現在では、営業保証金の供託の義務について免除をしてくれる協会は2団体となります。
それは、「全国宅地建物取引業協会連合会(ハトのマーク)」と、「全日本不動産協会(うさぎのマーク)」の2つです。
この2つは、保証協会付きの不動産団体となっています。ハトのマークの全国宅地建物取引業協会連合会は全国47都道府県全てに拠点を持っている協会です。不動産屋さんの約8割が入会していると言われていますので、非常に大きな団体だと言う事がわかって頂けると思います。(あなたが一人暮らしなどをした経験がある方であればっ不動産屋でハトのマークは一度は見たことがあるのではないでしょうか)ちなみに通称名は「全宅連」となっております。

次に、うさぎのマークの全日本不動産協会ですが、こちらは業界の中でも最も古い団体となっています。加入者数は毎年新しく開業する宅建業者の3分の1が入会していると言われております。どの選択を取るかは、事業を始めようと考えているあなたの考え方や資金力次第だとは思われますが、興味があるようでしたらこの2つの団体に問い合わせを行ってみたり、開業セミナーなどにも足を運ばれる事をオススメします。

また、団体や、同じ団体でも地域などによって入会する条件が違う事がありますので、わからない事などはしっかりと相談して確認を取っておきましょう。ここまでで、営業保証金の供託、または保証協会の加入、または弁済業務保証金の供託を済ませれば、免許の交付を受ける事ができ、ようやく事業を実際に開始する事が可能となります。

6.免許を受ける前に必要となる宅地建物取引士の資格について

宅地建物取引業をするにあたり、免許が必要な事はここまでご説明させて頂きました。また、専任の宅地建物取引士の国家資格を有しており、その交付を受けている方で専任の取引士が必要な事も、解説させて頂きました。

では、そもそも、この宅地建物取引業の元となる宅地建物取引士についても、少し解説をしておきたいと思います。
ご自身で宅地建物取引業を開始されたいと言う事でしたら、この宅地建物取引士と言う資格は必要不可欠な物と言えます。ですので、まずはこちらの知識も免許と同時に入れておかれる事をオススメします。宅地建物取引士の有資格者を、1つの事業所にて5人の内1人置かなければならないと言う規定については、これまでのお話で申しあげましたが、この人達はそもそもどのような業務をする為の資格なのでしょうか。

イメージして頂きたいのですが、アパートや賃貸などを借りる場合、若しくは、土地や建物などの不動産を購入する場合に、現地を案内してくれる方がいらっしゃるのは想像して頂ければわかると思います。この方々については、案内をするだけですから、基本的に資格は必要とされていません。実際に宅地建物取引士が行う業務については、契約を仲介する際に、重要事項説明と言う書面を見せて説明をする必要があるのです。

この説明を行う事が可能なのは、宅地建物取引士だけと言う事になります。

まず、毎年1回行われる宅地建物取引士の試験に合格する必要があります。ここで、すでに不動産業界において実務経験が2年以上ある方であれば、登録の手続きに移ります。もし実務経験がない、若しくは2年に満たないと言う場合においては、実務講習と言うものを受ける事によって、登録をする事になります。登録を行わず、宅地建物取引士の試験に合格している方は、合格者と呼びます。ですので、合格者は、登録を受けた都道府県知事から、取引士証の交付を受ける事により、実際に業務を行う事が可能と言う事になるわけです。

このように、実際に宅地建物取引業を行う為に、免許の交付を受けるまでにも、様々な事をクリアしておく必要があります。
宅地建物取引士の試験に関しても、近年は大変難しい内容になっている傾向にありますので、資格を取る為の勉強期間から、免許の交付を受けるまでの期間、そしてかかる費用などについても、事前に長い期間でイメージをしておく必要があると言えるでしょう。

おすすめの関連記事

ーフランチャイズもあり?!ー
簡単!フランチャイズ起業で街で一番儲かる不動産屋になる方法

ー独立したい肩に読んでほしいー
不動産開業の取扱説明書【第1回】不動産屋として独立するには?

関連記事