労働時間に注意!副業で労働基準法違反にならないためには

更新日:2017.08.11

副業のランキングを見るとサラリーマンであっても、アルバイトを副業として選択する人は少なくありません。やはり、時間給で確実に稼ぐことができるアルバイトは会社員にとってもありがたいのでしょう。

しかし、マイナンバー制度で会社は収入について簡単に情報が入ってくるようになりました。給与という形で収入を受け取ることになるアルバイトは特にバレやすい副業だと考えられます。更に、副業でアルバイトを行うとなると労働基準法の問題が絡んでくるのです。

労働基準法で労働時間の上限が決まっている

1日の労働時間は8時間以内、1週間の労働時間の合計を40時間以内に収めることが労働基準法で定められています。また、週1日以上あるいは4週間に4日以上の休日を定める必要があります。この時間を超えた場合は時間外手当または休日手当を払う必要が出てくるのです。

時間外手当は2割5分以上5割以下、休日手当は3割5分以上を本来の給料に増額しなければなりません。

また、労働基準法38条によりこれらの時間外手当は一ヶ所で働いた場合に適用されるだけでなく、複数の事業所で働いた合計の時間にも適用されます。

アルバイトをする場合の注意点

日本のサラリーマンで正社員の平均労働時間は、1日7時間を超えています。これではほとんどの正社員がアルバイトをした場合、時間外労働になってしまうことになります。つまり、正社員がアルバイトをする場合は時間外手当を受け取ることになってしまうことが多いのです。

まずは会社に許可を取ってアルバイトをする場合を考えてみます。

会社とアルバイト先の両方に知らせる場合

基本的に時間外手当は、副業であるアルバイトをするときに受け取ることが多いと考えられています。

通常時給800円だとして時間外手当を加算して時給1,000円以上、休日手当を加算して1,080円以上の時給をアルバイト先は支払わなければなりません。それなりに評価されていないと割増の時給を払ってくれる事はないでしょうから、正社員が副業をすることのハードルは高いと言えるでしょう。

会社にのみ許可を取る場合

会社に副業する許可を取って、アルバイト先に詳しいことは話さないというのも考えられます。

これが一番無難な方法でしょうか?

労働時間を把握していない場合は、時間外手当を支払う責任はないと考えられますし、そもそも労働者側が請求しない限り問題は発生しないはずです。ただし、会社側はそのことを把握しているわけですから、会社側が時間外手当を支払わなければならない可能性もあります。

会社にも許可を取らない場合

どちらにも知らせないというのは、アルバイトをすることだけを考えたら一番簡単でしょう。会社もアルバイト先も時間外労働になることを知らないため、当然時間外手当も発生しません。副業が禁止されている場合などは、実際に隠れてアルバイトしている人も多いでしょう。


しかし、いずれは会社に知られる可能性が高いです。当然、発覚したら問題になる可能性があります。

そして時間外労働をしているという事実は、会社の業務に支障をきたすと判断されても仕方ないと考えられます。その場合は、副業禁止が法的にも認められると考えられるためリスクは高いです。

労働時間合算の問題でトラブルも・・・

現状、副業をする場合でも労働時間を合算して時間外労働手当を支払う必要があることを知っているのは企業、労働者共に非常に少ないと考えられます。そのため、会社員が副業でアルバイトをしている場合でも、時間外手当が支払われていることはほとんどないでしょう。しかし、副業をする人が今後増えてくるとそれに伴いアルバイトをする会社員も、増えてくると考えられます。

そうなってくると時間外手当の支払いでトラブルが起きることも考えられます。未払い賃金の時効は二年間ですから、既に支払われた給料の時間外手当を請求することも可能なわけです。副業をしている会社員が時間外手当を受け取れることを知ったら、後からアルバイト先に請求がくる可能性も考えられます。

もちろん、アルバイト先が時間外労働になっていることを知らない場合は、支払う必要はないはずです。

しかし、社員が労働時間を合算できることだけ知って請求してくることも考えられます。アルバイト先が時間外手当を支払うことを知らなかっただけで、副業としてアルバイトをしているのを知っていた場合などは微妙になってきます。

また、労働基準法38条を悪用する会社員が出てくることも考えられます。この場合アルバイト先が労働時間を把握していなかったとしても、知っていたのに支払わなかったと主張してきたら面倒なことになるでしょう。

なぜ労働時間を合算するのでしょうか?

労働時間が合算される理由を考えてみましょう。

時間外手当は労働時間が増えすぎないように考え出された制度です。もし異なる会社の労働時間を合算できない場合は、労働時間を誤魔化して時間外手当を払わずに、長時間労働させる事が出来ます。別の会社を作って自分の会社の社員を雇うことで、実質時間外労働をしているのに時間外手当を払う必要がないのです。

異なる会社の労働時間を合算出来るようにした事で、労働時間を誤魔化して時間外手当を払わずに長時間労働を命じることは不可能になっています。

しかしこの制度のおかげで、副業アルバイトをすることが難しくなってしまうと考えられます。

時間外手当のせいでアルバイトが出来ないことも

副業でアルバイトをする場合の時間外手当が会社かアルバイト先のどちらに請求されるかは、ケースによっては専門家の間でも意見が分かれているようです。

ただ、基本的にはアルバイト先が支払うことになると考えられます。
しかし、正直にアルバイト先に時間外手当のことを話したとして割増になった時給を払ってまで雇ってくれる所があるでしょうか?

最低でも二割五分の時間外手当は馬鹿に出来ません。時間外手当を計算に入れて元の賃金を抑えた契約することも考えられますが、最低賃金の問題もあるため中々難しいでしょう。よほど高く評価されない限り雇ってもらえないでしょうし、アルバイトにそこまでの能力が求められるかどうかも疑問です。

そもそも会社が認めてくれる可能性は低い

企業には安全配慮義務があり、長時間労働を規制する責任があります。そのため、時間外労働を行う場合は協定を締結するなど、条件を満たす必要があるわけです。しかし、社員が副業でアルバイトを行う場合に会社が時間外労働をどこまで把握できるでしょうか?

社員が会社に報告して副業でアルバイトを行うとしても、アルバイト先にそのことを知らせる可能性は低いでしょう。時間外労働になることを知らせたら、雇ってもらえない可能性が高くなるのですから。

例え、副業でアルバイトを行う場合であっても会社には、安全配慮義務があることに変わりはありません。

もし、会社が副業でアルバイトをすることを許可した上で、健康障害が起こった場合は安全配慮義務違反に問われる可能性は十分に考えられます。それを考えると会社がアルバイトを許可する可能性は、かなり低いのではないでしょうか?会社に許可を取る場合は時間外労働にならない範囲で働くことになる可能性が高いです。

時間外労働について法整備がされる?

最近は労働時間を減らすようにして副業を許可する会社も出てきています。

このケースだと時間外手当を払わなくても、副業でアルバイトを行いやすくなってきます。政府が長時間労働を減らそうとする一方で、副業を容認する動きも出てきています。労働時間の合算のルールが時代に合わなくなってきていると言う意見もあり、今後見直される可能性もあるでしょう。

まとめ

会社に許可を取らずにアルバイトをするのはリスクが高いです。

許可を取ってアルバイトをする場合でも、時間外手当の問題等で雇ってもらうのが難しくなるかもしれません。ただし、労働時間合算のルールはだいぶ問題があるため、今後法整備が行われる可能性もあります。

現状は時間外労働にならない範囲でアルバイトをするか、アルバイト以外の副業をするべきでしょう。

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