起業の失敗、「リーダーシップは必要?、不要?」
- 間違ったリーダーシップとは
- 名選手、名監督にあらず
「リーダーシップ」、「カリスマ」など、著名な経営者を表現する際に、比較的よく用いられる言葉です。しかし、使い方を誤ってしまうと混乱の要因にもなり、「諸刃の剣」といった面を持っていると考える方も多いはずです。
この違いは、一体どこから来るのでしょうか?
「リーダーシップ」の意味ををインターネットで調べてみると「統率力」、「組織を率いる能力」などと書かれています。
リーダーシップとは |
指導者たる地位または任務。指導権。指導者としての資質・能力・力量・統率力。 Wikipedia リーダーシップより引用 |
これだけを見ると、起業家には「ぜひ持っていて欲しい」、いやむしろ「持っていなければならない」能力と言えるのではないでしょうか。一方、企業信用調査会社に勤務中、ある大手商社のベテラン審査マンに言われたことがあります。それは、「経営者のリーダーシップには注意が必要」という言葉です。
その理由を尋ねてみると、「リーダーシップ」には「会社を伸ばす力」があると同時に、「会社を倒産させる力」もあるという内容でした。
一体どういうことでしょうか?
リーダーシップとは「組織を率いる能力」という意味でした。また、巷にはリーダーシップに関する書籍やセミナーが溢れていますが、果たしてリーダーシップとは勉強して身に付けるものなのでしょうか。
答えはノーです。
なぜならば、リーダーシップは「自分が身に付けるもの」ではなく、「他人の評価から得るもの」だからです。
業績のV字回復を果たした経営者、あるいは優勝した監督のインタビューで、「自らのリーダーシップ」に言及する人をあまり見たことがありません。しかし、部下・従業員や選手からは、「社長や監督のリーダーシップのおかげ」といった言葉を聞くことはよくあるのではないでしょうか。
もちろん、自らを褒め称えることに対して謙遜もあるでしょうが、これが「リーダーシップ」の真の姿なのです。一方で、リーダーシップを「自分の能力・才能」と考える人もいます。
このような人の特徴としては、実行力はあるものの、実行に際して「他人の意見をあまり聞かない」ということです。成功していれば問題ありませんが、このような人は往々にして失敗するものです。成功している間は「カリスマ」と表現され、失敗すれば「独裁」と呼ばれてしまうのです。
先程のベテラン審査マンが言いたかったことをお分かりいただけたでしょうか?
スポーツの世界では有名な言葉であり、一度や二度、聞いたことがある人も多いと思います。起業の世界でも、「前職での輝かしい実績」を引っさげて独立・開業する人は多いですが、残念ながら「名選手、名監督にあらず」が的中してしまい、失敗するケースがあるのです。
これも、「リーダーシップ」に関わる問題なのですが、なぜ、名選手は名監督になれなかったのでしょうか?
理由は3つあります。
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