フランチャイズ経営を始めるためのステップ~事業計画策定編~

ポイント
  1. 立地で9割決まると言っても過言ではない
  2. 融資を依頼する金融機関に事業計画を説明するのは自分自身
  3. 計画を手に、金融機関と粘り強く交渉

目次 [非表示]

1.事業計画の策定

フランチャイズ加盟を決断したら、事業計画の策定に入ります。

まず、いちばん最初に考えなければいけないのが「立地」です。店舗の独自性を産み出しづらいフランチャイズ経営では、「立地」でビジネスの成否の8~9割が決まってしまうといっても過言ではありません。
 
事業計画は「利益計画」でもありますが、利益の源泉になるのは「売上高」です。売上高は「客単価×客数」に分解されますが、この「客数」を大きく左右するのが店舗の「立地」になります。

「立地」に関しては、「商圏分析」など専門的な知識が必要になってくるため、フランチャイザーやその他専門家の助言を仰ぐこともありえるかと思いますが、いずれにしても自分の目で確かめること、採算について自分で数字を弾き自分で納得した場所に出店することが重要です。

「客数」の見込みが立てば、あとはフランチャイザーが提供してくれるデータなども参考にしながら、事業計画を組み立てていきます。事業計画の策定に関しても、税理士などの協力も得ながら策定していくことになろうかと思いますが、他人任せにするのではなく、自分でしっかり理解して計画を立てることが重要です。

 出店に際し、金融機関から融資を受けるとなれば事業計画を説明するのはあくまで「あなた」です。採算性について十分に腹落ちするまで、計画を作り込み、逆に腹落ちしないのであれば、フランチャイズ加盟は見送った方が無難であるといえるでしょう。

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2.店舗物件の確保

「立地」が決まったら、次は店舗となる物件を押さえに行きます。土地や建物が賃貸になる場合には、オーナーとじっくり契約条件について交渉し、安易に妥協しないことが大切です。「こんなに良い物件はなかなか出ない」「すぐに押さえないと他に契約されてしまう」と不動産仲介業者は言ってくるかもしれません。しかし、いったん不利な条件で契約してしまうと後戻りもできず、契約期間に亘って不利益を被ります。

本当に他に先を越されて契約されてしまったのであれば、それは「縁がなかった」と諦める潔さも必要でしょう。

また、改装業者に見積もりをもらうことも忘れずに行いましょう。可能であれば、複数業者から見積もりをもらいたいところです。複数業者から見積もりをもらうことを「相見積もり」と言います。

改装業者はフランチャイザーが指定してくると思います。フランチャイザー指定の改装業者は同じような仕様の改装工事をたくさんこなしている訳ですから、品質面でも価格面でも本来は安心できる先であるはずです。

しかし、一方で「相見積もり」を取ることによって、

①改装コストの適正水準を知ることができる
②見積もりを取った複数業者間に競争原理がはたらき、値引きが期待できる

といった効果も期待できます。どちらを選択するかは最終的にはあなたの判断になりますが、いずれにしても「相見積もり」を取ること自体はタダです。改装コストが事業計画で立てた予算の範囲を大幅に超えることがないよう、見積はしっかり取りましょう。

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3.資金調達

物件も確定し、改装費の目途もついたら事業計画もほぼ完成となるでしょう。あとは、資金調達を残すのみです。フランチャイズ経営があなたにとって「起業」に該当するのであれば、フランチャイザーが斡旋する融資制度や、日本政策金融公庫の創業融資制度、保証協会の創業保証などの制度などを用いて融資を受けることになるかと思います。

いずれにしても、事業計画を理路整然と、かつ、熱意をもってあなた自身の言葉で融資担当者に説明できることが重要です。実際の融資実行額は希望額に届かない場合もあるかもしれませんが、資金は多ければ多いほど越したことはないため、粘り強く交渉を続けることが重要です。

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4.フランチャイザーとの契約

こうして、出店の条件が整ったら、満を持してフランチャイザーとフランチャイズ契約を交わすことになります。ここからが、事業の本当のスタートです。

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