職場を壊す「ネガティブ社員」3つの特徴と対処法
- ネガティブ社員の傾向がわかる!
- ネガティブ発言の原因がわかる!
- 組織内の存在価値で意識が変わる!
岡本陽子の『考える上司』に変身する方法 第2回
起業したばかりの会社でも、従業員を採用することで「上司と部下」の関係が生じます。目標に向かって頑張るからこそ、一緒に人間関係はうまく育んでいきたいもの。しかし、リーダーシップを強気、強引さなどと勘違いしていては、部下はついてこないものです。部下の指導法が一味違う「考える上司」とは? キャリアコンサルタントの岡本陽子さんが具体例をあげながら解説します。
いつもネガティブな発言ばかりしているスタッフが周りにいる。何かにつけて「面倒くさい」「疲れた」とぼやき、会議でも出された意見にはいつも否定的。組織の輪の中にいるようで、いつも斜め目線で外野のように振る舞う。その姿に苛立ちを隠せない-―。上司はついつい怒ってしまい、その場の雰囲気が悪くなる。だが、怒られると一瞬は反省したふりをしているが、同僚や部下にあたったりモノを壊したり……。こんなネガティブ社員に不快感を感じる、他のスタッフからの苦情も多い。入社当時は覇気があり、頑張ってくれると思っていたのに、いつからこんなネガティブ発言が多くなってしまったのか。その原因のきっかけを探ってみて分かった、3つの特徴とその対処法について、きょうは考えてみましょう。
営業から戻ると「疲れた」「しんどい」と言うばかり。資料の手直しをお願いすると、その場では了承したように取り繕うが、実際は「面倒くさい」といつも周りに愚痴をこぼす。そんな「ネガティブ社員」の特徴とは主に以下の3つです。
1、ネガティブ発言で「場」を支配する
2、誰かに構ってほしい願望が強い
3、変化を嫌う、変化を怖がる
ネガティブ発言を全くしない人は滅多にいないでしょう。何かしら愚痴をこぼすことは誰にでもあります。心の中にため込むより、吐き出すことで気持ちをスッキリさせている。自分の心に正直で、吐き出すことがストレス解消になっている場合もあります。
ただ、そうした行為が過度になると、周囲にも不快感をまき散らし始めます。このネガティブ社員は「自分だけ取り残されないように周りにも嫌な想いを共有させたい」という、その場(環境)の支配をすることで心のバランスを整えようとする面もあるのかもしれません。
「そんなネガティブ発言するのだったら会社を辞めたらいいのに」。そう周囲が感じていても、辞めることはほとんどありません。自分の能力を過大評価してくれている今の会社を辞めると、次の職場では給与が下がることをわかっているから、でしょう。ある意味で、ネガティブ社員は自分自身の力量を誰よりも理解しているのかもしれません。周りがうまく進んでいくのに、できない自分のもどかしさ。その表れでネガティブ発言が多くなるのでしょう。
ネガティブ発言を連発する最大の理由は、構ってほしいから。自分だけ取り残されないために、ネガティブな言動でその場の雰囲気を支配しがちです。周りがどんどん進んでいく未来への抵抗で変化を嫌い、さらに取り残されてしまう変化を恐れているのです。周りの変化のスピードを鈍化させたい、そんな気持ちから暗い発言が頻出するのです。
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ネガティブ発言をする原因の一つとして、育ってきた環境にも原因があるかもしれません。だとすれば、長年積み重なってきたことなので、数カ月といった短い期間で改善することは難しいでしょう。加えて現状の仕事がうまくいかず、いつも怒られてしまう日々が続くと、だれでも嫌な気分になったり自己否定をしてしまったりすることも多いはずです。
たいていの人なら、自分の甘んじていた状況から奮起して良い方向へ進む行動をします。しかし、過去のレッテルが張られた状態のままでは、なかなか奮起してくれません。ですから、ネガティブ社員に変身を促すには、過去のレッテルを取り除いていくことが大切になります。
地道に向き合う、小さなチャレンジ目標から評価していく。そんな評価の繰り返しが、組織の中にいる自分の存在意義を見出していきます。
社内での自分自身の存在意義を明確に見出すことによって、ネガティブ社員も自信を持てるようになります。
会社の仕事は一人でできるものではありませんし、仕事はチームとして動くことも多いでしょう。チームの中にはサッカーのように、攻める人が得意な人もいれば、守りに徹することが得意なメンバーなど、それぞれの特性を生かしたポジションがあります。それはネガティブ社員もしかりです。ネガティブな言動が目立つから見えなくなってしまった、本来のその人の持ち味である特徴を、今いちど整理して考え直し、際立たせてみてはいかがでしょうか。
ネガティブな言動が多いから周囲とは距離を置くポジションになった。これでは、ネガティブ発言を連発しかねません。チームメンバーとしての立ち位置を明確にして、チームとして必要とされている自分、その立ち位置での小さなチャレンジ目標を掲げ、達成したら一つひとつ評価をしていく。その地道な繰り返しから、過去のレッテルが少しずつはがれていき、いつしかネガティブ発言も意味をなさなくなるでしょう。
そうすれば、自分のネガティブ発言が周囲に悪い影響を与えていたことに自身で気づくようになります。
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