電気工事業を始めたい方に必要となる資格や申請等の手続きについて
- 電気工事士は2種類
- 開業の条件と手続き
- 開業手続きの流れ
皆さんは、「電気工事業」や「電気工事士」ってご存知でしょうか?もしかすると、近年では、ご自身でリフォームをされる方が増えている為、建設業関係等に普段関わりがない方にとっても、知っている方は増えてきているのではないでしょうか?
電気工事士には、資格があるのですが、この資格を有していても、すぐには独立せず、ある一定期間の間は、どこかの会社で就職をして実務経験を磨き、最終的に独立を考えられる方もいらっしゃると思います。
今回は、この電気工事業に関する開業や、そこに必要となるもの、また、資格等について全体的に解説を行わせて頂きたいと思います。
では始めに、電気工事士の資格について、解説させて頂きたいと思います!
電気工事士には、次の2つの種類が存在しております。
・第一種電気工事士
・第二種電気工事士
以上の、第一種、第二種に分けられております。
ではこの2つの資格には、どのような違いがあるのでしょうか?
実は、第一種と第二種の違いとは、工事をする事ができる範囲が違うと言う事が1番の特徴となっております。
第一種電気工事士が行う事のできる範囲は第二種に比べ、範囲がとても大きくなります。例えば、業用の電気工作物で、最大電力が500キロワット未満の需要施設のようなビル・工場等の大きな電気設備を扱える他、一般用の電気工作物と言って、住宅や小規模となる店舗等の電気設備についても取り扱いが可能です。
では、次に、第二種電気工事士が行える範囲はどこまでなのか?と言う疑問が湧いてきますが、これは上記にある※2の範囲が可能と言う事になり、※1の大きな範囲での工事を行う事はできないと言う事になります。つまり、第一種は、※1、※2両方行う事ができ、第二種は※2のみ、と言う事になります。
次に、それぞれの試験の難易度に関して解説しておきたいと思いますが、現在の所、第二種に関しては、年々と合格者が増加傾向にある一方、第一種については大体25%~35%と言う数字を前後していると言うデータがあります。
念のため、最近の合格率について見ておきましょう。
【平成28年度の合格率】
◆ 第一種
筆記試験:50%
技能試験:33%
◆ 第二種(上期)
筆記試験:65%
技能試験:52%
以上のような情報が上げられております。※ただし、それぞれの年度で違いはありますから、あくまでも参考までにとご理解下さい。
これらからのデータから分かる事は、第二種は第一種に比べ、合格率が高いと言う事が分かります。
つまり、できる工事の範囲自体が狭い分、合格しやすいと言う表現をする事もできます。
電気工事士として独立し、開業をする為には、一定の要件が定められておりますので見ていきます。
1、第二種電気工事士の資格を取得して以降、免状を交付して貰った後に、実務経験として三年以上が求められます。
2、次に、上記の事を証明する為、実務経験を積んだ(勤務していた会社)より、勤務に関する記録の証明書を出して貰います。
3、その次に行う事が、各管轄の都道府県知事登録として、登録電気工事業者の申請を行います。
以上のような課程を経て、条件をクリアし、申請を行わなければなりませんが、無事に申請が通れば、許認可を受けたと言う事になります。ただし、ここで注意が必要なのが、それぞれの管轄している都道府県の窓口によっては、求められる書類に違いがあったり、必要とされる書類も複雑となっています。
このような背景から、電気工事士として独立開業される方の場合、登録する際には、専門家に依頼をかける事が多くなっております。専門家を頼る場合には、どのくらいの費用が別途必要であるかも、合わせて確認を取っておくと良いでしょう。
更に、登録には有効期限があり、登録してから5年間経過すると、再度更新の手続きを行わなければなりませんので、頭に入れておきましょう!更に、第二種の場合ですと、工事の範囲が限られる為、もし独立開業する場合は、できれば第一種を取得しておくと、どのような規模の依頼があっても対応する事ができるようになり、大変便利です。ただし、第二種しか資格を持っていない方であっても、「認定工事従業者」の資格申請を行った場合は、業務を行える範囲が広がりますので、有効に利用されてみてはいかがでしょうか。
念のため、独立して開業を行う際の手続きに関して簡単な流れを解説しておきます。
1、第二種電気工事士の資格を取得し、3年以上実務経験を果たす
2、認定電気工事従業者の資格に関する申請をして交付を受けます(この時、認定講習を受けなければなりませんが、①のように実務経験が3年以上の場合は、講習を受けなくても申請が可能です)
3、登録電気工事業車として知事登録(各都道府県)を行います
次に、実際に開業をする際に必要となる書類や、法人の場合に必要な物等について解説させて頂きたいと思います。
電気工事の事業を行いたい場合、必要とされる書類については、それぞれの電気工事業に関する区分により、4つに分かれております。
建設業の許可を受けていない電気工事業者の事で、登録申請が必要となります。
必要とされる書類
・登録電気工事業者の登録申請書
・登録申請者の誓約書
・主任電気工事士の電気工事免状の写し
以上のような物が必要となってきます。
また、主任電気工事士が従業員である場合においては、「主任電気工事士の誓約書・主任電気工事士の雇用証明」も合わせて必要とされており、更に主任電気工事士が第二種の場合においては、実務経験に関する証明書も必要となります。
自家用の電気工作物の電気工事のみを行う電気工事業者の事を意味します。
【必要とされる書類】
・通知者の誓約書
・電気工事業開始の通知書
以上の物が必要となりますが、合わせて必要となるのが、法人の場合ですと「通知者の登記簿謄本」個人事業者の場合では「通知者の住民票」が合わせて必要となります。
建設業の許可を受けている電気工事業者の事を言います。
必要とされる書類
・主任電気工事士の誓約書
・電気工事業開始届出書
・主任電気工事士等の電気工事士免状の写し
これらの書類が必要です。また、主任電気工事士が従業員の場合については、雇用証明書。主任電気工事士が代表以外の役員である場合には、在職証明書。そして、主任電気工事士が第二種である場合には合わせて実務経験の証明書が必要となります。
また、その他の添付する書類として原本確認が必要な物があり、「建設業の許可通知書」「主任電気工事士等の電気工事士免状」「建設業の許可申請書(副本)」の原本確認が必要です。
建設業の許可を受けており、自家用電気工作物の電気工事だけを行う業者の事を言います。
必要とされる書類
・電気工事業開始通知書
また、合わせて「建設業の許可通知書」と、「建設業の許可申請書(副本)の原本の確認が必要とされております。