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資金交渉のストレスをどう克服するか

ポイント
  1. 銀行との初めての交渉につきまとうストレスはマインドの持ちようで克服できる。
  2. 交渉におけるストレスは、初めて会う人(銀行)に、お金がないという「負い目」を感じるために生まれる。
  3. 手がけるビジネスが人の幸せにつながる目的を持てば、銀行から「お金を借りる」ことの社会的意義を強く感じ、ストレスを克服できる。

目次 [非表示]

最初に向き合うストレス

銀行との交渉は、多くの人にとって大きなストレスを伴います。初めて銀行と取引しようという人ならなおさらでしょう。このストレスの要因はどこからくるのでしょうか? 

1.銀行取引の仕組みに慣れていない

あなたは銀行という未知の世界に飛び込んで行くのです。初めてのことは何であれ、最初だけにストレスを感じるものです。新しい世界のルールをまず知ろうという意識が働きます。あなたのルール(価値観やルーチンワークなど)からかなりかけはなれている場合、新しい世界に慣れるまでには強いストレスを感じるのは無理からぬことです。

連載の第回(リンク先貼る)でもお話ししたように、銀行との交渉では銀行の専門用語が飛び交います。銀行は残念ながら、一般人に遍く理解してもらえる平易な言葉に翻訳して、あなたとお話しするといった気をつかうことは、まずありません。当の銀行は努力しているつもりでしょうが、なかなかできていないのです。銀行の取引約定書などを見れば、現在ではずいぶんとかみ砕いたものとなってきましたが、まだまだ一般の私たちには理解しづらいものです。

ちなみにこの約定書は、銀行取引を始める際に最初にお客様と交わす契約書です。最も重要な契約書ですから、銀行員はお客様に詳細な説明をしなければなりません。しかし銀行員がお客様に平易な言葉ですべて説明できていないのです。

ですから、とにかく多くの接点を持って銀行のルールに慣れるしか、今のところ対策はないでしょう。

2.銀行はあなたのことを知らない

銀行にとって、あなたは初めて会うお客様なのです。いわゆる「一見(いちげん)さん」なのですね。どんな性格の持ち主なのか、どんな職業(ビジネス)をしておられるのか、収入はあるのか、人脈は、地縁は……などについて、まったく知らない白紙の状態です。ですから、銀行はあなたに対して、まず「警戒心」から入ります。

警戒心が過大表現かもしれませんが、見知らぬ相手とお金をやりとりするとなれば、これは人の常でしょう。あなたの中でも相手に理解してもらう意識が働きます。これもストレスの一因となりますよね。相手が「堅物」な銀行なら、なおさらです。

3.借金することに慣れていない(負い目感が先に立つ)

あなたが銀行に融資の相談に行くとういうことは、つまり「お金がないので貸してください」ということですね。このときよく並ぶ言葉に「頭を下げる」が出てきます。

初めて会う人(銀行)に、お金がないという「負い目」をもって、プライド高いあなたがお金を貸してくださいと頭を下げる(恥を忍んでお願いする)って、一般的にはかなりきついシチュエーションです。ここがストレスの核心となる部分でしょう。


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ストレスに打ち勝つには

こうしたストレスは起業される方なら、ほとんどすべての人が直面します、あなただけの固有の問題ではありません。言葉を換えれば「あるべきもの」「多かれ少かれ避けては通れない道」とでもいうのでしょうか。

そこで提案です。こうしたストレスを、あなたなりに「楽しむつもりで受け入れてみてはいかがでしょうか。その場に立つ当事者のあなたからすると「なんて無責任な!」とお叱りを受けるかもしれません。その気持ちも十分にわかりますので、以下に「ストレス対処法」について解説して見たいと思います。

1.「なぜあなたは銀行から融資を受けたいのか」の目的を明確に持つ

まずは「目的意識をはっきり持つ」ということです。

・あなたがこれから始めようとしているビジネスは、「誰」の「どのような課題」を解決して、その人たちを「幸せ」にしてあげられるのか?
・その「幸せ」を実現し続けるために、あなたは「何」をするのか?
・その「何」をするために、いくら「お金」が必要なのか?
→だから、この「お金」が「誰」の幸せにつながるのだ!

あなたのビジネスが人の幸せにつながるという目的をしっかり持てば、銀行から「お金を借りる」ことの社会的意義を強く感じることができます。そこには「負い目」というネガティブな意識はなくなり、あなたが為そうとしている「社会的意義」を実現するために多くの賛同を得ようとするでしょう。

そのひとりが銀行だと考えるのです。そう思えば、あなたのビジネスを銀行から聞かれてボソボソと答えるのではなく、自らの意思でしっかり伝えることができるはずです。「自分のことをより深く知ってほしい!」と考えますよね。こういう視点に立って銀行と向き合えば、ストレスも大きく軽減できます。

2.相手のことを理解し受け止める包容力

これは相手が銀行だからということではなく、あなたが今後ビジネスを起業し成長していくうえで必要な「人間力」を磨くことにつながります。ビジネスを続けていく中で、非常に多くのステークホルダー(事業パートナー)と関係性を持つことになります。その際には相手のことを理解し相手のニーズをくみ上げ、継続的パートナーとしての是か非かを判断する力が求められます

銀行もそのひとりですから、あなたのビジネスが持続的成長を遂げていくためにしっかりと銀行のことを知りましょう。「あなたのため」だけではなく、あなたが「幸せ」を届ける多くの人のために必要なのです。

この意識転換で、銀行との交渉に付きまとうストレスが取り除けられれば幸いです。精神的に解放されたところで、次回から交渉の進め方についてお話していきます。

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著者プロフィール

西田 隆行

西田 隆行

中小企業診断士。1980年大学卒業後信用金庫に勤務。中小企業や小規模事業者へ資金繰りや財務のコンサルティングを行っている。また地域の中核企業、老舗企業の再生に深く関与。「事業を継続するための財務戦略」をメインテーマに活動している。2017年12月から、日本最大の起業・開業・独立者向けポータルサイト「助っ人」(www.suke10.com)の編集チームで、主に「銀行とのつきあい方、資金調達、事業承継」をテーマとしたコラムを担当している。