従業員を雇ったら知っておきたい!労働時間と休日のルール

ポイント(この記事は4分で読み終わります)
  1. ポイント:法定休日と法定外休日の違いを知りましょう
  2. ポイント:法定労働時間と所定労働時間は違います
  3. ポイント:安易に管理職だからといって残業をつけないということはNGです

従業員を雇ったら様々な会社のルールを整備することが大切です。特に休日や休暇のルールは従業員が最も気にする事項の一つですのできちんと整備をしていきましょう。

時間外労働と休日に関する定めをしましょう

時間外労働とは、会社のルールで決められている所定労働時間を超えて労働することをいいます。そしてその時間が「法定労働時間」を超える場合は時間外割増をつけなくてはなりません。また、36協定(さぶろくきょうてい)という名前を聞いたことがあるでしょうか。時間外労働について次の項目について労使協定(従業員と会社との取り決め)がされていて、それを労基署へ届け出をする必要があります。

36協定で定めること

①時間外または休日労働させる必要のある具体的事由
②業務の種類
③労働者の数
④1日及び1日を超える一定の期間についての延長することができる時間
⑤労働させることができる休日について
⑥有効期間

残業には上限があります

残業をしてもらうには、その時間の上限があることをご存知でしたでしょうか。
36協定においては「1日及び1日を超える一定の期間についての延長することができる時間」を決めますが、これを際限なく規定することはできません。上限となる基準があるのです。

そしてその上限については限度時間を超えて労働せざるを得ない特別の事情(臨時的なものに限る)が生じたときに限り、1日を超える一定の期間についての延長時間を定めたうえで、当該一 定期間ごとに、労使当事者間において定める手続を経て、限度時間を超える一定の時間まで労働時間を延長することが出来ます。

期間 
一般労働者
1週間  15時間
2週間  27時間
4週間  43時間
1か月  45時間
2か月  81時間
3か月  120時間
1年間  360時間

36協定を提出しましょう

このように残業時間の設定をしたら、労基署に36協定の提出をしましょう。協定は会社の代表者と、会社の従業員の過半数を代表する者との協定となります。

36協定の記載のポイント

1 職制上の地位は適正でしょうか?
管理監督者(総務部長など)は労働者の代表者になれません。 職名が係長、マネージャー等の役職名を、役職についていない場合は、店員、○○係員、役職なし等その立場が明らかになるように記入します。

2 選出方法は適正でしょうか。
使用者の指名や親睦会(飲み会など)の代表がそのまま選出されているなど、民主的でない選出方法は認められません。投票による選挙、挙手による方法で選出しましょう。
記載例は各都道府県の労働局のホームページ等に掲載がありますので参照してください。

法定労働時間と割増賃金

法律では、「使用者は、労働者に休憩時間を除き1週間について40時間を超えて労働させてはならない」、「使用者は1週間の各日については、労働者に休憩時間を除き1日について8時間を超えて労働させてはならない」と規定しています。

この1週間について40時間/1日につき8時間
これが法定労働時間と呼ばれるものです。これに対して所定労働時間というのは会社がそれぞれに会社のルールで決めている労働時間を言います。時間外労働を命じた場合に割増賃金発生義務(25%割増)が生じるのは、「法定労働時間」を超えた部分となります。ですので下記の場合は時間外割増については法律上では不要となります。


所定労働時間 9:00~17:00 休憩1時間
この場合は7時間となり、法定労働時間の8時間未満のため、17時を過ぎた1時間は残業ではありますが時間外割増は不要です。そして18時を過ぎて8時間を過ぎたら時間外割増が必要となります。

休日のルールを設定しましょう

労働基準法第35条第1項はこのように規定しています。
「使用者は、労働者に対して毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない」
第2項「前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない」

ここに規定する休日のことを法定休日といいます。休日労働の場合には休日労働の割増をつけなくてはなりません(35%割増)。これが生じるのは、法定休日に労働させた場合です。ですので次の場合にはどうなるでしょうか?

例:週休二日制の場合(土曜、日曜が休みの場合)
休日割増が必要になるのは法定休日だけですので、完全週休2日制の場合にはもう一日は法定外休日となります。ですのでその法定外の休日については休日割増が不要となります。※ですが、その日に労働することにより、その週の法定労働時間(1週に40時間)を超過している場合は、時間外労働に関する割増賃金(25%割増)が必要となります。

休日の振替と代休の違い

振替休日と代休には違いがあることをご存知ですか?実はこの二つは似ていますが全く違う制度です。休日の振替とは、あらかじめ休日として定められた日と労働日を振り替えて、休日であった日を労働日にし て、反対に振り替えた日(本来は労働日)を休日にすることをいいます。この場合休日は休日労働にはなりません。

これに対して代休とは、休日労働した後、代わりの休日を代償的に後から与えることをいい、 この場合はたとえ後日に休日を与えたからといって休日労働した事実はなくなりません

法定休日の振替

休日を振り替える際には、法定休日の振替と法定外休日の振替では扱いが違ってきます。元々法定休日につい ては、「4週を通して4日」確保されていなければならないことが大前提です。言いかえると法定休日出勤の振替休日は4週を通して4日の休日が確保できるように設定しなければなりません。一方で「法定外休日」にそのような規制はありません。仮に振替休日を与えなかったとしても、労働基準法上の休日労働に元々あたらないからです。従業員にはあらかじめ、業務の都合上振替休日をすることがあると説明しておくことがよいでしょう。

休憩時間の設定を確認しましょう

労働時間を設定したら、休憩時間のルールについても理解しておきましょう。ある程度の時間を働いたら休憩を取らせなくてはならないというルールがあるのです。

6時間を超えたら 45分の休憩を与える
8時間を超えたら 1時間の休憩を与える

このようになっています。

ポイントは〇時間を超えたら休憩を与えると記載されている点です。つまり、6時間ぴったりであれば法律上では休憩はなくても大丈夫となっています。また8時間ぴったりであれば45分の休憩でよいということです。

労働時間の適用が例外となる管理監督者とは?

今まで労働時間や休日などのルールを見てきました。管理監督者になると労働時間や休憩、休日のこれらの規定が対象外となるということは聞いたことはないでしょうか。この管理監督者について詳細を見ていきましょう。

管理監督者とは何か

労働時間や休日、休憩のルールは管理監督者については除外となっています。この管理監督者とは「監督又は管理の地位に在る者とは、一般的には局長、部長、工場長等労働条件の決定、その他労務管理について経営者と一体的な立場に在る者」ということになっています。職務の内容と権限に応じた地位と経験があり、経営上の必要性から経営者と一体的な立場にあるという点がポイントです。

具体的に見ると、業務に関する決定権、採用権、解雇権、 会議等への出席、人事考課等への関与はどの程度のものであるか、さらには労働時間に関する自由裁量(出退 勤の自由裁量)があるか、賃金や賞与等に関しては、その地位や職務の重要性と見合った待遇を受けているかこれらの点から見て経営者と一体的な立場にあるとされた場合に、管理監督者であると認められるのです。ですので安易に管理職だからといって労働時間や休日、休憩のルールを除外することは出来ない点がポイントです。

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まとめ

従業員を雇ったら休日、休憩、時間外労働などのルールについて経営者がある程度理解をすることが大切です。税務などについては専門家に任せて結果だけを知らされるということもあり得るでしょうが、労務についてのルールは知らないでは済まされない問題です。社員からの信用や社外的な信用を失うことにも繋がります。この記事を読み、また本などで学び経営者も自ら学び成長する必要があります。

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