経理の仕事内容とは 経理の1日の業務から最も忙しい年度末まで解説!

更新日:2018.05.16

経理の仕事内容とは 経理の1日の業務から最も忙しい年度末まで解説!

経理の仕事といえば「会社のお金の管理」です。「商品の仕入れ」「銀行からの借入や引出」「返済」「従業員への給料支払い」など、会社に関係するお金の出入りの全てを管理するのが経理業務となります。

このほか、お金の年間の動きをまとめて決算書を作ったり、資金繰りに走ったり、さらにはコストがかかりすぎているものをチェックして社長にコストカットを要請したりなど、経営上の重要な役割を担うこともあります。そんな経理の仕事内容をわかりやすく解説していきます。

1 経理担当者に必要な基礎知識

経理の仕事をおこなうときは、まず基本的に覚えておかなければならない基礎知識がいくつかあります。まずはそこから整理していきましょう。

1-1 帳簿の種類

まずは、経理に使う帳簿や証ひょう類について説明します。経理はさまざまな書類を扱いますので、それを覚えておきましょう。

【帳簿類】

主要簿

総勘定元帳

すべての取引を記入する帳簿

仕訳帳

取引を発生した日付順に記入する帳簿

補助簿

現金出納帳

お金の入出金を記録し、帳簿の残高と現金残高が一致しているかどうかを確認する帳簿

仕入先元帳

仕入先との取引(仕入れ、外注、買掛金など)を記録する帳簿

預金出納帳

当座預金や普通預金などの増減を記入する帳簿

固定資産台帳

土地・建物など固定資産、減価償却の経緯などを記す帳簿

【証ひょう類】

振込金受領書

銀行取引を行ったときに作成される書類

見積書、納品書、請求書

仕入先、取引先から送られる書類

伝票

現金や手形の入出金を社内で記入した書類

1-2 単式簿記と複式簿記

経理の基本は簿記です。簿記とは文字通り、帳「簿」に「記」入することをいいます。例えば、毎日のお金の出入りをお小遣い帳などに記入していたら、それは立派な簿記です。なかでも入ったお金をプラス(+)で、出ていったお金をマイナス(-)で記入するタイプのものは、「単式簿記」と言います。

一方、会社の経理で使う簿記は「複式簿記」と言います。これはお金の増減を右側の「貸方」と左側の「借方」に分けて記入していく記帳方法です。

例えば、100円のボールペンを10本買って1000円払ったとします(説明のため、消費税は省略します)。その場合、貸方に「現金1000(円)」と記入します。そして借方には「ボールペン」とは書かず、「消耗品費1000(円)」と記入します。

このように、貸方には出入りしたお金の金額を記入し、借方にはそのお金が動いた「理由」を書きます。ここでの理由は「ボールペンの購入」ですが、簿記では会社で消耗する備品を買ったときは、「消耗品費」という項目で借方に記入していきます。この項目を「勘定科目」といいます。貸方に記入した「現金」も勘定科目です。

1-3 勘定科目

会社の経理ではすべての取引を貸方・借方に分けると同時に、勘定科目をつけて分けていきます。勘定科目を一度に覚えるのは大変ですので、頻繁に使う科目からに覚えていくようにするといいでしょう。

勘定科目は、最終的に5つのグループに分けます。その5つとは、「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」です。「資産、負債、純資産」は貸借対照表の要素となり、「収益、費用」は損益計算書の要素となります。

また、取引をこれらの勘定科目に振り分けていく作業を「仕訳」と言います。「勘定科目」や「仕訳」は、経理担当者必須の用語ですので、覚えておきましょう。

2 経理の仕事(毎日編、月末編、年間編)

それでは、経理の仕事をわかりやすく説明するために、仕事の内容を「普段の主な経理業務」「月末の主な経理業務」「1年の経理業務」の3つに分けて説明していきます。

2-1 普段の主な経理業務

毎日の仕事で多いのが現金の入出金を管理する「現金出納業務」です。現金の入出金は、「社外の人との間でおこなうもの」「社内の人との間におこなうもの」の2種類があります。

2-1-1 社外の人との間でおこなう現金出納業務

社外の人との間でおこなう現金の入出金には、会社の商品やサービスを売った代金を回収したり、仕入や原材料費、備品などを購入したときにお金を支払ったりというケースがあります。また、銀行から預金を引き出したり、両替をしたりというような業務もあります。

例えば、会社の商品が売れて、それを売った営業担当者が売上代金を現金で回収してきたとき、その現金を受け取って領収書を発行します。営業担当者自身が領収書を発行して取引先に渡すこともありますが、いずれの場合も現金と領収書の金額、宛名や内容が合っていることを確認し、現金と領収書の控えを金庫に保管します。

そのさい、金額が3万円以上の場合は、印紙税法の規定で、領収書に収入印紙を貼る必要があります。印紙税は、受領した金額によって変わりますので、気を付けましょう。

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銀行の預金管理業務では、代金の支払い、回収、従業員の給与の支払いなどをおこないますが、そうした振込や送金をした後に、経理担当者は銀行の預金通帳の残高と帳簿(預金元帳)の残高が合っているかどうかを確認します。

そのさい、例えば取引先から売掛金を回収した場合には、その内容を確認し、伝票に記入します。売掛金とは、先に商品やサービスを販売しておいて、現金は後から回収するという取引独特のシステムです。売掛金の振込日は、事前に取引先から提示されていますので、その日に正しい金額で振り込みがされているかを確認します。

また、取引先に対して支払いをおこなう時期に、預金が十分にあるかということをチェックしておくことも経理の重要な役割です。例えば月末の給与や家賃の支払いなどもそうですし、取引先に小切手を渡している場合は、銀行の当座預金からお金が引き出されますので、当座預金に十分な残高がなければなりません。相手が小切手でお金を引き出せなかったら「不渡り」になってしまいますので、そこは十分に気をつけます。

このほか、社内の現金出納業務で使う現金を補充するため、銀行からお金をおろしてくることもあります。

2-1-2 社内の人との間でおこなう現金出納業務

社内の現金出納業務で多いのが、経費の精算です。例えば社員が出張に行ったときの交通費などを立て替えていた場合は、経理がそのお金を社員に返します。

その場合、社員には領収書と経費精算書を提出してもらいます。交通費では、バスを利用したために領収書がもらえなかった、というケースなどもありますが、その場合は交通費精算書を提出してもらいます。

経理担当者は、領収書と精算書の内容を確認し、請求された金額を支払います。支払いが済んだら、経費精算書の受領印欄に社員の印をもらうなどして、二重払いをしないように気をつけます。

このほか、出張費や接待の経費などを事前に社員に渡しておく「仮払い」の手続きなどをおこなうこともあります。

2-1-3 伝票・帳簿への記入

日々の取引は「伝票」や「仕訳帳」に記入しますが、これらに記入するには多少時間と手間がかかります。そこで実際は、記入の手間が少ない「現金出納帳」に取引の内容を記入しておき、あとでまとめて伝票や仕訳帳に記入することもできます。

「仕訳帳」は、最終的に「総勘定元帳」という主要簿の元になる帳簿ですが、最近は仕訳帳を作らず、伝票から総勘定元帳を作ってしまうケースも少なくないようです。伝票にはおもに以下の3つのものがあります。

・入金伝票…現金の「入金」を記録
・出金伝票…現金の「出金」を記録
・振替伝票…現金以外の入出金を記録

こうして1日の業務が終わったら、退社前には金庫のなかの現金を数え、現金元帳の帳簿残高と合っているか確認します。また、金庫の中身は、上司にも定期的に確認してもらうと間違いも少ないでしょう。

経理担当者がおこなう「毎日の仕事」は以上のようなものですが、会社の業種や規模によって仕事の内容は変わってきます。また、会社ごとに帳簿の管理の仕方など仕事のやり方も異なりますので、スタンダードな経理業務の内容に加え、会社独自のやり方にも早く慣れるようにしましょう。

2-2 毎月おこなう経理業務

経理担当者がおこなう毎月(特に月初や月末)の仕事には、次のようなものがあります。

 

売上代金の請求

販売したものの代金を販売先に請求するため、請求書を作成、発送し、代金の支払いを受ける

源泉税の納付

前月に支払った給与から源泉徴収した所得税、住民税の支払いをおこなう

月次決算

決算に使用する損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)を作成する。そのさい、会社によっては月次在庫の確認などもおこなう

給与計算と支払い

給与の支給総額と所得税や住民税、控除額を計算し、給与明細を作成するとともに、給与を支払う

月次仕入取引

月内に発生した仕入代金を整理して、取引先への振込をおこなう

このなかで、売上代金の請求から代金を受けて帳簿に記入するまでの流れを見てみましょう。

2-2-1 売上があったときの経理処理の流れ

売上が発生したときの具体的な経理処理は次のようになります。

①請求書の作成

②売上の仕訳

③帳簿への転記

④入金確認

経理担当者は請求書を作成・発行したらまず、以下のように仕訳をします(消費税は略)。
「借方=売掛金10,000 貸方=売上高10,000」
この仕訳の内容を、売掛金元帳に記入します。もっとも、最近では会計ソフトを導入している会社も多いですから、売上の仕訳をしたら、あとはソフトが自動的に帳簿に転記してくれます。

そして入金日には、銀行に行って入金の確認をおこないます。最近はネットバンキングを利用している会社も多く、その場合は銀行に足を運ばなくても会社のパソコンで入金確認ができますのでとても便利です。

2-2-2 源泉税・住民税の納付

会社は毎月社員の給与から所得税を源泉徴収しています。徴収した源泉所得税は、翌月の10日までに、税務署や金融機関で納付します。また、会社は同様に社員の住民税も徴収しますので、こちらも翌月10日までに納付します。納付先は社員の住所がある市区町村です。

ちなみに給与の支払いを受ける従業員が10人未満の会社では、源泉所得税と住民税を半年に一度、まとめて納付することができます。その場合は事前に市区町村への届出が必要です。

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住民税申告と確定申告の違い 

2-2-3 月次決算

一般的に、月次決算では次のようなことをおこないます。

・銀行預金(普通預金や当座預金)の記帳…月末までの入出金記録を通帳に全て記帳します。
・仮勘定(仮払金や仮受金)の整理…仮払金などの精算が終わっていなければ、該当社員を催促して精算してもらいます
・経過勘定項目の計上…リース料など、経費が月をまたいでしまう場合、該当する月以外の経費を差し引いて計上します。
月次在庫の確認…工場や倉庫、店舗にある在庫を調べ(棚卸し)、帳簿と合っているか確認します。
・原価計算…仕入れの費用と商品が売れた金額、在庫を確認し、原価を計算します。
・試算表の作成…総勘定元帳を作成した際の転記漏れなどを確認するための試算表を作ります。

このほか、年次決算の作業を少しでも楽にするために、1年分の経理処理を毎月少しずつ行っている会社もあります。消費税のチェック、減価償却費や火災保険など、年1回計上するものを12で割って毎月計算するのです。

2-2-4 給与計算と支払い

毎月の給料日は会社によって違いますが、だいたい25日を支払いにしている会社が多くなります。そこで25日支払いを目途に逆算していくと、「その月のいつ頃までに何をすればいいのか」という目安がついてきます。

まず、給与計算の対象となるのは、前月の末までです。そこで、月末までにタイムカードや出勤簿で勤務状況を確認し、給与計算の準備をします。社員の中には昇給・昇格などで給与額が変わる人もいますので、チェックしておきましょう。

給与計算は支払いの10日までくらいまでに終わらせます。給与は「基本給+各種手当」で計算します。そのさいに、残業代や休日出勤などの分も反映させます。そこから税金や社会保険料(健康保険、厚生年金保険、雇用保険)などを天引きします。そして給与明細を作成し、支払いとなります。給与が銀行振込の場合は、銀行振込依頼書を作成し、4営業日前までに銀行に届けます。

給与の支払いが終わっても、経理の業務は終わりではありません。今度は給与計算の仕訳をおこないます。しかも給与の仕訳は①給与計算日、②給与支給日、②社会保険料・所得税納付日と、3回に分けておこなう必要があります。

給与に関する経理業務は大変な作業ですが、ミスがあったりしては従業員の信頼を失うだけでなく、給与所得者の生活にも影響しますので、間違いのないように十分気を付けましょう。

2-3 年間で見る経理業務

最後に、3月決算の会社における経理担当者の年間業務について、月ごとにおおよその内容をまとめておきます.

・経理の月別年間業務スケジュール

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決算作業となる1年の決算の整理と試算表の作成をおこないます。「月次決算」のところで説明したように、預金の記帳、在庫の確認などをおこない、さらに減価償却費を計算します

 

決算書を作成します。貸借対照表と損益計算書、キャッシュフロー計算書などを作成します

 

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税務申告の準備をします。税務申告書を作成し、納税します。一般的に申告書の作成は、税理士に依頼します

 

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四半期決算の準備をします。決算作業の内容は、月次決算の場合と基本的に同じですが、四半期決算書を作成します

 

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3月末決算の会社は、比較的この時期は経理業務がそれほど忙しくないと言われています。日時、月次業務をきちんとこなし、また、休暇を取るならこの時期が狙い目とされます

 

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中間決算期の準備をします。決算作業の内容は、月次決算の場合と基本的に同じですが、四半期決算書(中間決算書)を作成します

 

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年末調整の準備をします。各種申告書類など、必要な書類を税務署で入手します。控除の申告書は、必要に応じて社員に配布しておきます

 

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年末調整をおこないます。給料にかかる税金を正しく計算する作業です。社員からは保険料控除や配偶者特別控除など控除の申告書を提出してもらい、それらの控除額を計算します。また、税金の還付額も計算します

 

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法定調書(会社が支払った給与などの内容を記載したもの)を税務署に提出します

 

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決算の準備と、そのための棚卸などをおこないます。社内各部署には請求書や領収証などの未提出がないよう依頼します。また、棚卸をおこない、倉庫や店舗などの在庫を確認して、棚卸票を作成します

 

以上が経理の業務ですが、読んで難しいと感じられた人も多いと思います。しかし、経理は会社のお金の流れを管理する重要な業務です。不安もあるかと思いますが、その場合は1人で不安や問題を抱え込まずに、上司や顧問税理士などに相談するようにしましょう。

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