経理の仕事内容とは 経理の1日の業務から最も忙しい年度末まで解説!

ポイント
  1. 経理担当者に必要な基礎知識
  2. 経理の仕事(毎日編、月末編、年間編)

目次 [非表示]

2-2 毎月おこなう経理業務

経理担当者がおこなう毎月(特に月初や月末)の仕事には、次のようなものがあります。

 

売上代金の請求

販売したものの代金を販売先に請求するため、請求書を作成、発送し、代金の支払いを受ける

源泉税の納付

前月に支払った給与から源泉徴収した所得税、住民税の支払いをおこなう

月次決算

決算に使用する損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)を作成する。そのさい、会社によっては月次在庫の確認などもおこなう

給与計算と支払い

給与の支給総額と所得税や住民税、控除額を計算し、給与明細を作成するとともに、給与を支払う

月次仕入取引

月内に発生した仕入代金を整理して、取引先への振込をおこなう

このなかで、売上代金の請求から代金を受けて帳簿に記入するまでの流れを見てみましょう。

2-2-1 売上があったときの経理処理の流れ

売上が発生したときの具体的な経理処理は次のようになります。

①請求書の作成

②売上の仕訳

③帳簿への転記

④入金確認

経理担当者は請求書を作成・発行したらまず、以下のように仕訳をします(消費税は略)。
「借方=売掛金10,000 貸方=売上高10,000」
この仕訳の内容を、売掛金元帳に記入します。もっとも、最近では会計ソフトを導入している会社も多いですから、売上の仕訳をしたら、あとはソフトが自動的に帳簿に転記してくれます。

そして入金日には、銀行に行って入金の確認をおこないます。最近はネットバンキングを利用している会社も多く、その場合は銀行に足を運ばなくても会社のパソコンで入金確認ができますのでとても便利です。

2-2-2 源泉税・住民税の納付

会社は毎月社員の給与から所得税を源泉徴収しています。徴収した源泉所得税は、翌月の10日までに、税務署や金融機関で納付します。また、会社は同様に社員の住民税も徴収しますので、こちらも翌月10日までに納付します。納付先は社員の住所がある市区町村です。

ちなみに給与の支払いを受ける従業員が10人未満の会社では、源泉所得税と住民税を半年に一度、まとめて納付することができます。その場合は事前に市区町村への届出が必要です。

こちらも合わせてお読みください
住民税申告と確定申告の違い 

2-2-3 月次決算

一般的に、月次決算では次のようなことをおこないます。

・銀行預金(普通預金や当座預金)の記帳…月末までの入出金記録を通帳に全て記帳します。
・仮勘定(仮払金や仮受金)の整理…仮払金などの精算が終わっていなければ、該当社員を催促して精算してもらいます
・経過勘定項目の計上…リース料など、経費が月をまたいでしまう場合、該当する月以外の経費を差し引いて計上します。
月次在庫の確認…工場や倉庫、店舗にある在庫を調べ(棚卸し)、帳簿と合っているか確認します。
・原価計算…仕入れの費用と商品が売れた金額、在庫を確認し、原価を計算します。
・試算表の作成…総勘定元帳を作成した際の転記漏れなどを確認するための試算表を作ります。

このほか、年次決算の作業を少しでも楽にするために、1年分の経理処理を毎月少しずつ行っている会社もあります。消費税のチェック、減価償却費や火災保険など、年1回計上するものを12で割って毎月計算するのです。

2-2-4 給与計算と支払い

毎月の給料日は会社によって違いますが、だいたい25日を支払いにしている会社が多くなります。そこで25日支払いを目途に逆算していくと、「その月のいつ頃までに何をすればいいのか」という目安がついてきます。

まず、給与計算の対象となるのは、前月の末までです。そこで、月末までにタイムカードや出勤簿で勤務状況を確認し、給与計算の準備をします。社員の中には昇給・昇格などで給与額が変わる人もいますので、チェックしておきましょう。

給与計算は支払いの10日までくらいまでに終わらせます。給与は「基本給+各種手当」で計算します。そのさいに、残業代や休日出勤などの分も反映させます。そこから税金や社会保険料(健康保険、厚生年金保険、雇用保険)などを天引きします。そして給与明細を作成し、支払いとなります。給与が銀行振込の場合は、銀行振込依頼書を作成し、4営業日前までに銀行に届けます。

給与の支払いが終わっても、経理の業務は終わりではありません。今度は給与計算の仕訳をおこないます。しかも給与の仕訳は①給与計算日、②給与支給日、②社会保険料・所得税納付日と、3回に分けておこなう必要があります。

給与に関する経理業務は大変な作業ですが、ミスがあったりしては従業員の信頼を失うだけでなく、給与所得者の生活にも影響しますので、間違いのないように十分気を付けましょう。

2-3 年間で見る経理業務

最後に、3月決算の会社における経理担当者の年間業務について、月ごとにおおよその内容をまとめておきます.

・経理の月別年間業務スケジュール

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決算作業となる1年の決算の整理と試算表の作成をおこないます。「月次決算」のところで説明したように、預金の記帳、在庫の確認などをおこない、さらに減価償却費を計算します

 

決算書を作成します。貸借対照表と損益計算書、キャッシュフロー計算書などを作成します

 

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税務申告の準備をします。税務申告書を作成し、納税します。一般的に申告書の作成は、税理士に依頼します

 

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四半期決算の準備をします。決算作業の内容は、月次決算の場合と基本的に同じですが、四半期決算書を作成します

 

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3月末決算の会社は、比較的この時期は経理業務がそれほど忙しくないと言われています。日時、月次業務をきちんとこなし、また、休暇を取るならこの時期が狙い目とされます

 

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中間決算期の準備をします。決算作業の内容は、月次決算の場合と基本的に同じですが、四半期決算書(中間決算書)を作成します

 

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年末調整の準備をします。各種申告書類など、必要な書類を税務署で入手します。控除の申告書は、必要に応じて社員に配布しておきます

 

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年末調整をおこないます。給料にかかる税金を正しく計算する作業です。社員からは保険料控除や配偶者特別控除など控除の申告書を提出してもらい、それらの控除額を計算します。また、税金の還付額も計算します

 

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法定調書(会社が支払った給与などの内容を記載したもの)を税務署に提出します

 

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決算の準備と、そのための棚卸などをおこないます。社内各部署には請求書や領収証などの未提出がないよう依頼します。また、棚卸をおこない、倉庫や店舗などの在庫を確認して、棚卸票を作成します

 

以上が経理の業務ですが、読んで難しいと感じられた人も多いと思います。しかし、経理は会社のお金の流れを管理する重要な業務です。不安もあるかと思いますが、その場合は1人で不安や問題を抱え込まずに、上司や顧問税理士などに相談するようにしましょう。

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