確定申告の手続き方法まとめ 必要書類や青色・白色申告の違いも

ポイント
  1. 「青色」「白色」の違い
  2. 青色申告の手続きとメリット
  3. 「A様式」と「B様式」の違い
  4. 確定申告に必要な書類

目次 [非表示]

5 「A様式」と「B様式」の違い

確定申告に必要な書類には、「A様式」と「B様式」の2種類があります。どう違うのかを簡単に説明します。

  • A様式の確定申告書

  • B様式の確定申告書

(国税庁HPより)

 

5-1 サラリーマン、年金生活者はA様式

まず、確定申告書のA様式は、給与所得や公的年金、配当所得、雑所得、一時所得などを得た人で、なおかつ予定納税のない人が利用できます。予定納税とは、毎年5月15日時点で、次年度の予定納税額が15万円以上となることがわかっている場合に、税金の一部を前納する制度です。

したがって、「A様式」を使って申告する人は、一般的にはサラリーマン、年金受給者、株式投資の配当などを受けた人、会社勤めをしながら本を書いて印税収入を得た人などが対象となります。そのうちサラリーマンの給与所得は源泉徴収されているので、多くの場合、確定申告の必要はありませんから、「A様式」を使う必要もないわけです。ただし、年の途中で退職した場合は「A様式」が必要になりますので、覚えておきましょう。

5-2 個人事業主はB様式

おもに使われる確定申告書は、「B様式」のほうになります。「B様式」は、基本的に所得の種類を問わず、誰でも利用できます。個人事業主は「B様式」で申告します。「B様式」は「A様式」の内容を含んでいますので、「A様式」が簡易版、「B様式」が総合版と考えてみるとわかりやすいでしょう。

もっとも、国税庁のホームページにある「確定申告書等作成コーナー」を開くと、自動的に所得の種類によって作成する確定申告書を選んでくれますので、「A様式」とか「B様式」の違いを気にしなくても大丈夫です。

6 確定申告に必要な書類

最後に、確定申告に必要な書類について説明します。青色、白色を問わず、申告に必要なのはB様式の確定申告書(確定申告書B)と、添付書類です。そして白色申告の場合は「収支内訳書」、青色申告の場合は「青色申告決算書」が必要になります。

青色申告者の必要書類
・青色申告決算書
・B様式の確定申告書
・添付書類

白色申告者の必要書類
・収支内訳書
・B様式の確定申告書
・添付書類

添付書類とは次のもので、国税庁のホームページから台紙をダウンロードして、これらの用紙やそのコピーを貼付します。

添付書類
・源泉徴収票
・支払調書
・マイナンバーに関する本人確認書類
・社会保険料控除関係書類
・小規模企業共済等掛金控除 関係書類
・生命保険料控除関係書類
・地震保険料控除関係書類
・寄附金控除関係書類

医療費控除のための領収書などについては、別途用紙が用意されています。また、マイナンバーカードをまだ持っていない人は、カードを作っておいたほうが確定申告の手続きも楽になります。

次に、白色申告に必要な「収支内訳書」、青色申告に必要な「青色申告決算書」ですが、いずれも国税庁のホームページからダウンロードできるほか、ホームページ上で作成してそのまま印刷することもできます。

そのさい、青色申告の決算書に関しては、「一般用」「農業所得用」「不動産所得用」「現金主義用」の4種類があり、所得の種類によって提出する決算書が異なりますが、多くの人は「一般用」を使えば問題ありません。「農業所得用」は、文字通り農業を営んでいる個人事業主が提出するものです。「不動産所得用」は、不動産業を営んでいる個人事業主が提出するものです。

・一般用の青色申告決算書

  • 農業所得用の青色申告決算書

・不動産所得用の青色申告決算書

・現金主義用の青色申告決算書

(国税庁HPより)

「現金主義用」の決算書は、事前に「所得税の青色申告承認申請書(兼)現金主義の所得計算による旨の届出書」を税務署に提出して、承認された人が使えます。この場合、確定申告書と一緒に提出する帳簿は現金出納帳のみで、作成は楽になりますが、そのぶん、青色申告の特典である控除額は10万円になります。前述したように、青色申告で最大65万円が控除される特典を受けるためには、現金主義でなく発生主義で、複式簿記による記帳が必要です。

発生主義、複式簿記などという単語が出てくると、何か専門知識が必要な難しい作業をやらなければならないのかと思うかもしれませんが、会計ソフトなどを使って入力するだけで、初心者でも作成できるようになっています。

確定申告を提出する方法は、インターネットで手続きが行える「e-Tax(イータックス)」を使うと便利です。なお、e-Taxを使った書類提出方法には2種類あります。

[e-Taxでの提出方法]

  • 国税庁のホームページから用紙をダウンロードするか、直接記入して印刷の上、所管の税務署に郵送で送る
  • 印刷・郵送せずにそのままデータを送信する方法

(この場合は電子証明書を取得したうえ、ICカードリーダライタなどをそろえる必要がある)

以上が確定申告の基本的な手続きの流れですが、初めて確定申告を行う人などは、国税庁のホームページにある「確定申告書作成コーナー」を開いて、その指示通りにたどっていけば、確定申告することができます。わからない場合は、最寄りの税務署などに問い合わせてみるといいでしょう。

あわせてこちらの記事もお読みください。
所得区分に注意しないと追徴課税!?副業の確定申告のやり方とコツ

おすすめの関連記事

ースタッフを雇おうと検討している方はぜひ!ー
初めて人を雇う時のルール~社会保険編~

ー個人事業主から法人化を検討している方はぜひお読みくださいー
フリーランス、個人事業主必見!「法人成り」で節税対策しよう!

関連記事