伊藤 健太
株式会社ウェイビー 代表取締役CEO
櫻井文雄

【起業家一年目の通信簿】起業してから事業内容を変えることは怖いことではない!ボラティリティが高いからこその強み

ポイント(この記事は6分で読み終わります)
  1. 起業して1年。当初のイメージとの違いは?
  2. 事業内容を変えることを恐れない!スペシャリストでないからこその強み
  3. IT係長からweb制作へ!経験がなかった事業で売り上げを上げる秘訣は?!

起業して1年。当初のイメージとの違いは?

伊藤)会社をスタートして実質的にどれくらいたった?

櫻井)今の事業体にしたのは2017年の4月末なので12ヶ月くらいですね。

伊藤)最初に描いて部分との違いは?コンセプトとか志とか変わってないと思うけど、ファクトベース変わっている部分はある?

櫻井)根本的に結構変わっていますね。当初、事業として考えていたのが副業でやっていた中小企業のIT分野のスポット顧問です。IT顧問のことを「IT係長」と名付けて事業展開しようと考えていました。ITリテラシーの高い人員を中小起業が雇うのは難しく、自分の提供するクオリティーを想定すると50万円以上のコストがかかります。それを月5万に設定し、中小企業にIT係長を必要に応じて派遣するサービスを考えました。

自分の考えやノウハウをマニュアル化し、スキルとして平準化することで代理店に落とし込み、サポートができるというイメージでいました。それを月に50社ほど契約をとり運営していこうと考えていました。しかし、企業側のコストの問題や、システムの導入までに教育工数がかかること、そもそも現場の人間がシステムを使えなかったり…導入に至るまでの資金が中小企業にはないとうことがわかり事業体を切り替えました。

伊藤)そういう事態って最初からある程度把握できたんじゃないかと思うんだけど。中小企業と関わる機会もたくさんあったでしょう?起業する前になんでそこに気づかなかったの?

櫻井)社長は嘘つきなんですよね。わがままで見栄っ張りなんです。そこの実態が見えていなかった。見抜く目がなかったんです。結局お金がなかったというのは後付けの理由で、本当は企業側が従来のやり方を変えたくなかったんだと思うんです。それにお客さんが40代・50代の守りに入っている社長が大半だったことも関係していると思います。逆に2・30代は教えるとそれで終わってします。自分たちですぐできると思ってしまうので、長期的にパートナーとしてやっていけないという部分がありました。

伊藤)提供するサービス自体には問題はなかった?

櫻井)サービスに関しては、自分の目指しているラインと市場のニーズのズレは感じました。

伊藤)やりすぎたってこと?櫻井さんの基準はものすごく高いからね。でもマーケットはそこまでのハイスペックを求めていない。もっと簡単なことを実は教えて欲しい。ものすごいITシステムを導入して一気に生産性を高めるとか言うことじゃなくて、例えばだけどツイッターのアカウントの作り方を教えて欲しいとか、そういったレベルのところが知りたいのにもっと高度なIT戦略を立案しますみたいなことを言われてもってことだよね。そのギャップはなんでだと思う?

櫻井)ギャップのところで言うと、私がいた会社は基本的に上場している会社ばかりだったし、みんな年収もリテラシーも総じて高かったんですよね。私が最初に考えたことっていうのはそういう大企業でしか受けられない最先端ITの整った環境っていうのを中小企業が受けることができたら、中小企業も跳ねる可能性が上がるのではという考えだったんですけど…。でも、やっぱり働いている人の層がだいぶ違うんですよね。働いている人たちがやる気をもって、自分の市場価値を高めたいという人材なのかどうかというところの見極めができなかったんです。実際に事業を進めていく中で先ほど伊藤さんがおっしゃたようにツイッターのアカウントをどう作ったらいいの?とかそのレベルの人たちが大半だったんです。

事業内容を変えることを恐れない!スペシャリストでないからこその強み

伊藤)今振り返った時にIT係長の事業の反省点は?

櫻井)「世の中や人に期待するな」ということですかね。自分のなかで根っこにあるのは、オウンドメディアでも言っているんですが、自分はアスペルガー症候群だと思っていて。相手が何を考えているのかというところが、経験則や想像でしかわからないんですよね。振り返ると自分でも相手に自分のエゴを押し付けてしまったなという感覚はありますが、わからないんですよね。

伊藤)IT係長をやめようと思った一番の理由は?

櫻井)多分私みたいなタイプの人は同じレベルで話せる相手以外と仕事をするのがすごくストレスになるので。自分自身では役に立てるのではないかと思って始めたことが、相手とのレベルの乖離を起きてしまう事業だったからやめたというのが一番の理由です。

伊藤)俺は自己分析の甘さかなって思うんだけど、自分の得意なところをやっていければいいけど、ある意味低いところまで目線を合わすことがストレスということにも関わらず、それをやろうと思ったっていうのは世の中のことをあまり知らなかったってことだよね。

櫻井)そうですね。

伊藤)それは櫻井さんがいい人だからだと思うんだよね。人のポテンシャルに期待してたりとかさ。

櫻井)もちろんそれはあると思います。もう一つ言うならば前職は保険の会社にいたので扱っている商品が明確だったんです。サービス内容も料金もお客さんにも伝わりやすかったんですよ。

伊藤)サービスとか商品がしっかりできてて提供できるものがわかりやすいとお互い期待値もわかっているし、対象も明確ってことだよね。

櫻井)そうです。私はどちらかというと1から10まで全て話して、それで全てやってしまうタイプで。だから相性という部分も大きいですね。相性の合う会社さんとは今も顧問をずっとやらせてもらいながら内部でも仕事をさせてもらっているし。逆に合わないところはフェードアウトしていったし。こういう温度感は正直な話やってみないとわからなかったところだと思うんですよね。

伊藤)ただ、櫻井さんの場合はそれが間違いだと思ったらすぐにそれをやめて、新しいことを初めることができる。今は自分の強みを生かしてやっている。さっき名付けたんだけど『クラッシャー櫻井』って呼ぼうと思っていて(笑)でも、サービスのレベルを下げて、市場のニーズに無理にあわせるんじゃなくて、今のスタンスをつらぬいたから今があると思っていて。

櫻井)それは確かにありますね。

伊藤)だから櫻井さんは、再現性高いものを自分以外の人を使ってやるというのは難しいと思うんだよね。プロダクトとしてはいいと思うんだけど。櫻井さんの発想を他の人に転換するっていうのは結構難しいと思う。

櫻井)それは諦めましたね。私はスペシャリストにはなれないタイプなんですよ。どちらかというとジェネラリストという総合的に物事を捉えるというのが昔から好きだったし、色々な分野に触れてどんどん見えてくるものっていうのがあるっていう考え方なんで。

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著者プロフィール

伊藤 健太

伊藤 健太

株式会社ウェイビー 代表取締役CEO

中卒ながらもとても頭の良い父と、少しグレていたけど人の王道を教えてくれた母親のもと、1986年11月21日生まれ。 慶應義塾大学3年時にリクルート主催のビジネスコンテストで優勝し、23歳の時に病気をきっかけに小学校親友4名、資本金5万円で起業。 起業当初お金がなさすぎて、カードで借金生活を送る。お金がなかったため、知恵を絞った伊藤独自のマーケティング手法を多数考案。 8年間で、累計10,000件を超える起業、起業家のアクセラレーションに関わるようになり、日本屈指の起業支援の会社と言われるまでに成長。 月間20万人以上の商売人をお助けしているポータルサイト「助っ人」や全国500人以上の商売人が参加している、世界で一番お客様を喜ばす商売人輩出のアクセラレーションコミュニティー「チャレンジャーズ」を主宰。 2016年末に、世界経済フォーラム(ダボス会議)の若手リーダーとして日本代表に選抜。 全国の小中高校への出前授業や、次世代の教育の在り方を問うシンポジウムなどを開催。 最近では、地方自治体の首長からご指名をいただき、起業家の力で地方にイノベーションを起こすべく、徳島県美馬市、熊本県人吉市、三重県伊勢市、千葉県銚子市などと取組を開始。 元LINE社長の森川亮氏推薦の「起業家のためのマーケティングバイブル」など著書5冊。 NHK、日経新聞、エコノミスト、夕刊フジ、日刊工業新聞、CCTVなどメディア出演多数。

櫻井文雄

株式会社NEXT Innovation 代表取締役 小3からプログラミング(Basic)を学び、法学部 → 財務系コンサル → 外資系生保営業 → ITスタートアップ起業という異色の経歴を持つ。 職種は「ビジネスデザイナー」事業の戦略・戦術立案から実際の運営支援、マーケティング、ブランディング、社員育成、業務改善、システム制作を行う。おそらくアスペルガー症候群であり、常にやりたいこと・アイデアが止まらなくなってしまうため、一社専属での会社員を勤められず、起業に至った。現在5社の顧問を行いながら、コンサルティング・ブランディング指導を行なっている。