【第8回】シニア起業で勝ち組になる秘訣〜自分に箔をつける~定年後に活躍する考え方~

ポイント
  1. いわゆる「つぶしの利く人材」とは
  2. 国家資格取得の幻想
  3. 自分に箔をつけるとは、今までの経歴でのウリを磨くこと

目次 [非表示]

自分に箔をつける

1 つぶしの利く人材となれ

シニア起業支援家 白根陸夫です。この記事は平成7年(1995年)創業以来23年超、一貫して再就職支援のパイオニアとしての経験から、中高年齢者の定年後の「生きがい」「遣り甲斐」「望み通りの収入を生涯に渡り得る」の三拍子そろった仕事を自らで創造し、セルフ・マーケティングで市場を開拓し、充実した「生涯現役」を実現する方策を伝授するために著わしたものです。

鉄を溶かして繊維機械をつくり、織布を製造してきたが斜陽産業化したので、機械を潰し溶かして勃興してきた自動車製造の機械に再利用できる金属に例えて、どこにいっても通用する人材を「つぶしが利く」といいます。この書の読者はすべての人が「つぶしが利く人材」です。

反対に「つぶしが効かない職業」というものがあるといわれています。「再就職支援サービス」に長年携わってきている主宰者の体験から、次のような業界のホワイトカラー(事務職・営業職・研究開発職等をいう)が該当すると考えます。これらの職業の特徴として、業界内でのみ必要とされるスキルしか身につかないということが挙げられます。せっかく修得した知識・技能がほかの業界では必要とされないからです。

いずれも少子高齢化、経済のボーダレス化、デジタル化などによって斜陽産業化するリスクを抱える業界です。

これらの業界から今後、大勢の中高齢者が求職者として新規に労働市場に参入してきます。経理、営業といったどの業界でも通用する職種で専門性を磨いてきた人を除いて職探して苦労することは目に見えています。これら業界の人と相対すると等しく「では私の再就職は絶望ですね」と言われます。

それに対して「プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®」の主宰者としては「絶対にそんなことはありません」。私の教える通りに、見方を変え、意識を変え、売り込みツールしっかりつくり、セルフ・マーケティングを展開すれば必ず進路を拓くことができると答えています。

まさしくその通りなのです。

売り込むコツはこれまでの仕事上の成功体験を思い出し、課題を成功させた能力を抽象化することにあります。どこの業界においても仕事を成功させる能力は共通しています。これを「プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®」の助言と指導の下、キャリアの棚卸しを通じて「見える化」するのです。この過程を経て仕上げた成果物があればどんな状況においてもライバルを出し抜くことができます。能力抽出から抽象化の技を活用することによって、すべての業界のすべての人が「つぶしの効く人材」として売り出すことができることを理解してください。ただし一人では「見える化」はできません。

「顧問塾」では「見える化」とツールづくりのスキルをしっかり修得できるよう配慮しています。

2 国家資格取得を考える(社会保険労務士) 

自営業開業となれば今の自分になんらかの箔をつける必要があります。

本書の読者は40歳から65歳を想定しています。在職中に国家資格でも取っておき定年退職後、独立開業(自営業)を夢見ている人も多いと思います。実際に受験勉強を始めるかどうか検討中の人も多くいると推察します。毎年受験するも合格までの期間を5年程度とすれば、狙う資格は社会保険労務士、行政書士、7年程度とすれば中小企業診断士あたりになるでしょう。

努力の結果、めでたく合格しました。開業のことを考えてみましょう。平均余命は年々伸長しています。ある国家資格を取得して定年後開業すると仮定し、今から何年後でしょうか。ベテランの開業者達は「生涯現役」で頑張っています。沢山のクライアントを抱えて盛業の先生方だらけです。新規開業者はすでに顧問の先生がいる会社へは売り込みにいけません。これは業界の仁義です。廃業や倒産企業もあります。これらの会社を顧問先に持つ先輩の先生方は新たな顧問先を豊富な人脈を介して探索、長年の開業歴から得た信用力をもって容易に顧問先を開拓していきます。

一方、これから国家資格を取得し新規開業の先生はどこに狙いをつけて顧問先探しをするということですが、これまで顧問を持たなかったごくごく小規模の会社や商店と新規起業の会社に限られます。これらの会社へは新規開業者の売り込みが殺到しています。

まさしくレッドオーシャンでの戦いが繰り広げられているのです。またこれからは経営者の高齢化にともなって新規起業より廃業・倒産会社の方がその数を上回るのではないでしょうか。国家資格では料金を請求できるサービスの範囲は法律で決まっています。個別サービスごと標準料金を資格者団体が決めています。この有料サービスを一括請け負うのが顧問契約です。顧問料での価格競争力が雌雄を決します。

法律によって決められた差別化できないサービスは参入も容易で、競合がひしめき事業として妙味がないということです(儲からない)。さらに毎年試験合格者が大量に市場に参入してきます。有資格者が市場にあふれかえってしまいます。それ以外のサービスは自由競争です。この分野は標準料金も定価もありません。

この分野は「顧問や経営コンサルタント、エグゼクティブ・コーチ」とバッティングします。この市場で勝利するのは企画・発想力、提案力、状況把握力、課題達成行動力、思考判断力、影響・統率力の総合力を有し、新規顧客開拓力大なる者です。これぞ「顧問塾」卒業生です!

資格が取れたから一安心ではないのです、有資格者だから世の中は自分を「顧問」といして評価してくれるだろうと錯覚している者がたくさんおります。営業開拓力のない者がいかに努力して資格を取ったところだれも相手にしてくれません。

自分をどうしたらオーナー社長が買ってくれるか(顧問契約をしてくれるか)という方策立案力と、これを具現化して実行し、行動する者が成功するのです。

◆直近5年間で13,243人の有資格者が誕生しているのです!

合格者の中には定年後の開業を心づもりしている人も多いのでないでしょうか。ここで開業率と廃業率を見てみましょう(平成26年総務省「事業所・企業統計調査」及び「経済センサス-基礎調査」による算出)。

我が国の事業所及び企業を対象とする唯一の全数調査である事業所・企業統計調査及びそれに代わって創設された経済センサス-基礎調査によると、開業率は、企業単位でも事業所単位でも1980年代から低下し、1990年代後半から持ち直したものの、近年低迷しており、依然として長期的に増加傾向にある廃業率を1980年代末から下回る状況が続いています。廃業率が開業率を上回る状態が長期的に続いています。

顧問のニーズは廃業においても開業においても等しく求められているとプラス思考で考えると売り込みの商機が見えてきます。

◆いくらかかかるか・・・

社会保険労務士の場合:{資格学校の通学基本料金21~25万円(平日夜/週末)+模擬試験料5千円+受験料9千円+通学/受験交通費等α=約30万円}×平均受験回数4-5年=120万円~150万円(カネの投資)+4年又は5年(時間の投資)。

注:不合格で翌年通学の場合5~30%引きの学校があります。

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著者プロフィール

白根陸夫

白根陸夫

自分らしく働き生涯現役で活躍するための「顧問塾」主宰 株式会社キャリア・ブレーン 代表取締役 プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー® エイジング・アドバイザー®/認定エグゼクティブ・コーチ 人材能力開発・雇用創造支援(業)日本におけるキャリア形成のパイオニア。 「生涯現役」を全うするための、独創的で最強のノウハウを提供しています。 日系・外資系企業数社を経験し、人事・総務並びに関連業務に関する豊かな経験と知識を蓄積。その間、社会保険労務士、産業カウンセラー、行政書士等多数の資格を取得。株式会社キャリア・ブレーン設立後、再就職支援サービスとキャリア・カウンセリングを数多く実施。アウトプレースメントビジネス立ち上げのコンサルティングの実績も豊富。 就職・転職ノウハウを確立した本邦における第一人者である。(外資系アウトプレースメント会社の日本での立ち上げ6社にノウハウを提供) 1996(平成8)年8月、株式会社キャリア・ブレーン設立、代表取締役に就任。2000(平成12)年8月、NPO/特定非営利活動法人 日本プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー協会を設立。理事長に就任。 2008(平成20)年11月、NPO/特定非営利活動法人日本エイジング・アドバイザー協会を設立。理事長に就任。