【第10回】シニア起業で勝ち組になる秘訣〜シニアならではのキャリアビジョンはありますか
- キャリアビジョンと種まき
- キャリアビジョンのタイプ
- 生涯にわたる能力開発
「シニア起業支援家」の白根陸夫です。
「仕事経験」を一般に「キャリア」といいますが、これは正確な意味を伝えていません。朝9時に出社して、机の前に座って指示された通りの仕事をきちんとこなし、夕方5時に退社することを30年間律義に続けたとき、これを30年間のキャリアというでしょうか。「シニア起業支援家」はこれを「30年間のたんなる座席経験」といいます。「意識して自己能力の向上と自己実現を図ろうとして、継続して努力する結果に得られる生涯におけるさまざまな仕事経験」が「シニア起業支援家」による「キャリア」の定義です。
「キャリア」は期間で見ると大きく二つに分けて考えることができます。学校卒業から定年退職までの期間を「ファーストキャリア」。定年退職以降の期間が「セカンドキャリア」です。そして生涯における自己実現の最終目標が「キャリアビジョン」であると定義します。自身の「キャリアビジョン」と属する組織の創業の理念や会社の目的が一致していればその人の「ファーストキャリア」は充実した満足度の高いものになるでしょう。
定年退職後は組織から離れます。「セカンドキャリア」はこの時点から始まります。こうなると自身の「キャリアビジョン」は一層重要になります。人生100年時代、充実した人生をまっとうするには自身の「キャリアビジョン」を40歳代に明確にし、50歳代前半においてそれを実現させるための準備を終え、後半においてそれを実現させるための種まきをしておく必要があるのです。
人生の半ばを過ぎればこれから残りの人生を何のために生きるか、これから何をどうしたいのかを真剣に考え、答えを出さなければならない歳ごろです。これまで幸運にも生きてこられたのは多くの人々に助けられたお陰であると理解できるのもこの歳ごろです。当然のことながら、定年退職後のキャリアビジョンを設定するにあたり、社会に対するご恩返しとしてこれまでのキャリアにもとづいて「世のため、人のため」になる自分としてできる仕事を考えることでしょう。
「種まき」とは、自身の「キャリアビジョン」を知ってもらい、理解してもらえる人をできるだけ沢山つくることです。いわゆる人脈づくりです。そのためには自身が「世の中で人のお役に立ちたい!」という熱い使命感にあふれた魅力ある人物に成っていなければなりません。そのための準備は「早ければ早いほどよい」のです。