【第10回】シニア起業で勝ち組になる秘訣〜シニアならではのキャリアビジョンはありますか
- キャリアビジョンと種まき
- キャリアビジョンのタイプ
- 生涯にわたる能力開発
キャリアビジョンを考えてつくるまでは楽しい作業ですが、つくっただけで実現できなければ意味がありません。「キャリアビジョンの明確さ加減」「目標到達戦略が明確で意思の強さ加減」で四つのタイプに分けることができます。もちろん成功する確率が高いのが「戦略型」です。
キャリア(仕事経験)において「充実感/満足感/蓄積感」の高低と加齢との関係を表したものが「セカンドキャリア発想のS字カーブ」です。
平成28年簡易生命表より 満60歳時点の平均余命 男23.67年 女28.91年
入社 ↗ A ↗ B ↘ C は「第一の職業の人生」を表しています。大手企業に勤める人の例です。終身雇用年功序列賃金の処遇を表しています。管理職階層の最高位に就き、年収も最高レベルに達する年齢がおそらく満55歳でBの時点でしょう。役職定年制が適用され以後無役となり、管理職手当もなくなり年収も次第に減少の一途、定年を迎えます(時点C)。
充実感/満足感/蓄積感は役職を離れるにつれ急速に低下します。「第二の職業の人生」のカーブのE、「自分の人生」のカーブのGがキャリアビジョンです。キャリアビジョンが適切に設定され、その実現に向けて「戦略型」で挑戦し続けたか否かで成果が決まることは言うまでもありません。
参考:学歴別標準車賃金表
「戦略型」が成功する確率が高いことは事実ですが「キャリアビジョンが明確」で「目標到達戦略が明確」かつ「意思が強い」ということだけでは成功はありません。「再就職と能力開発」の図を見てください。定年前までは組織内での自身のキャリアビジョンと「会社のニーズ」の重なり合った部分に適職/天職がありました。
現状の把握(自己分析の結果)をすることによって、適職/天職に要求される能力と自身の乖離した能力の差を知り、それを埋めるものが「能力開発」でした。能力開発の方策としては企業内研修や訓練のほかに、自己啓発や自己研鑽してこの差を縮めていました。その成果は人事考課の評価ランクのアップや業績評価の査定で知ることができました。50歳になれば定年退職が目の前に迫ってきます。
組織内での適職/天職に要求される能力レベルまで自身の能力を高める努力を不断に続けながら、同時に定年退職後のキャリアビジョンを設定し「社会のニーズ」と重なり合った部分にある適職/天職と、現状の把握(自己分析の結果)によって得られた現有能力との乖離した差を自身の努力によって縮めていく努力をしなければなりません。その努力は早ければ早いほど良いのです。
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